冬至といえば私たちが思い浮かべるのはかぼちゃやゆずですよね。
他にもレンコンや銀杏など「ん」がつく食べ物が縁起良しとされています。
ところが海外を見ると、同じ冬至でもまったく異なる食事をしています。
そこで今回は、海外で食べられている冬至のメニューとおすすめのレシピを紹介します。
外国の文化を知ると私たちの食卓バリエーションも広がりますよ。
中国は冬至に餃子を食べる
中国では冬至に餃子を食べる習慣があります。
と言っても、日本のような焼き餃子ではなく水餃子が主流です。
餃子を食べる人もいるというレベルではなく、冬至には欠かせないメニューとなっています。
教室で餃子を作る学校もあるほどですよ。
また、餃子にコインや飴を隠して引き当てた人には幸運な1年が待っている、というくじ引き的な餃子を作る地域もあります。
冬至は一年で一番日が短い日、つまり翌日からどんどん日が伸びるスタートの日でもあります。
暦を大切にする中国では、ものすごく重要視されている日なんです。
なぜ冬至に餃子?
餃子を考案したのは中国の張仲景というお医者様です。
今から約1800年前のことです。
寒い冬に凍傷に苦しむ人たちを救うために、小麦粉でできた皮に肉や生薬などを包みました。
凍傷ができやすい耳が完治したこと、包んだ形が耳に似ていることから「嬌耳」と呼ばれました。
これが餃子の原点です。
体も温まり凍傷も良くなるこの料理はみんなが真似するようになり、やがて冬至から元旦への定番メニューとなりました。
その習慣は現在まで受け継がれています。
かぼちゃ餃子でおすすめ冬至メニュー
アレンジしやすい餃子はいろいろ工夫ができます。
手作りならお子さんと一緒に作っても楽しそうですよ。
かぼちゃ入りの焼き餃子です。
中国の水餃子とはまた違いますが、和の冬至テイストも加わって縁起は良さそうです。
台湾は冬至に団子を食べる
台湾や中国の南部では湯圓というお団子を冬至に食べます。
日本で言うところの白玉団子ですね。
違うのは団子の中に餡を包み込んだ物があるところ。
日本の白玉ではあまり見ない調理法です。
※餡なしの湯圓もある。
丸いお団子は「円満」を意味するとても縁起のいい食べ物なんです。
台湾で湯圓は冬至に限らずとてもポピュラーなメニューです。
湯圓をレギュラーメニューとして置いてあるお店も多くありますよ。
湯圓を手作り
湯圓は白玉粉で作るので日本でも材料は簡単に買えます。
冬至の夕食デザートにどうぞ。
韓国は冬至に小豆粥を食べる
もう1つ、近い国から紹介しましょう。
近年は旅行に行く人も来る人も増えている韓国です。
韓国では冬至にお粥を食べます。
中でも小豆を使って作ったお粥を食べるのがポピュラーなんです。
なぜ冬至に小豆粥?
由来は小豆の色です。
小豆の赤い色は「厄除け」の意味を持っています。
赤に染まったお粥を食べて邪気を追い払おうという意味が込められています。
日本でも小豆はおめでたい日に食されることが多いですよね。
韓国では冬至だけでなく1月15日の小正月にもよく食べられるメニューですよ。
かぼちゃのお粥
小豆粥もいいですがかぼちゃのお粥はいかがですか?
かぼちゃを裏ごしして作るお粥も、タンホバクチュクという韓国の代表的な料理なんです。
北欧では冬至にケーキを食べる?
北欧では冬至にブッシュドノエルを食べる習慣があります。
ブッシュドノエルは切り株を模した横長のケーキのこと。
日本だとクリスマスによく目にしますね。
ちなみにフランス語でブッシュは切り株、ノエルはクリスマスを意味します。
冬至とブッシュドノエルの関係
北極に近い北欧では、冬に太陽が沈んだままの日が続きます。
太陽が再び顔を出しはじめる境となる冬至は、お祭りをして盛大に祝われる日でした。
この冬至の祭りをユールといいます。
お祭りではユール・ログと呼ばれる丸太を一晩中燃やし続けて、火を絶やさなければ1年幸せで過ごせるとされました。
このユール・ログがブッシュドノエルの起源と言われています。
あれは燃やす丸太だったんですね。
後に北欧へキリスト教が伝わると、ユールはクリスマスという意味に変わっていきました。
しかし元を辿れば冬至のお祭りです。
ちょっと強引ですが、ブッシュドノエルだって冬至メニューと言っても過言ではありません。
冬至にブッシュドノエルを手作り
今年は冬至にブッシュドノエル作りにチャレンジするのはいかがでしょう?
クリスマスもケーキを用意するならさすがに食べすぎという気もしますが…。
生地から自分で作ってみたいけど自宅にオーブンがない。
そんなあなたにピッタリなレシピはこれ。
レンジと卵焼き器でできちゃう本格ブッシュドノエルです。
こちらは市販のロールケーキを利用したお手軽ブッシュドノエルです。
ひと手間かけるだけで見違えますね。
まとめ
ゆず湯に入ってかぼちゃを食べると風邪を引かない…日本ではこのような言い伝えがありますよね。
凍傷を治す餃子や円満の象徴である団子。
魔よけの小豆に太陽の炎を祝う薪のケーキ。
世界でもいろいろな習慣があるものです。
ぜひ、冬至のメニューの参考にしてくださいね。