冬至にはゆず湯に入る習慣があります。
江戸時代からあるこの風習。
いい香りを楽しめるだけでなく「冬至にゆず湯に入ると風邪を引かない」と言われるほど温熱効果もあっていい事だらけです。
その反面、ゆず湯で肌に異常が出る人も少なからずいます。
ピリピリとした刺激やひどいと全身じんましんだらけになることも。
なぜゆず湯で肌が反応してしまうのか?
刺激に弱い人でも入りやすいゆず湯はないの?
今回はゆず湯の肌への影響について解説します。
ゆず湯による肌トラブルの原因
酸化したリモネンによる刺激
ゆずで起こる肌トラブルで一番多いのがリモネンによる刺激です。
リモネンは主に柑橘類の皮に含まれる成分です。
アロマにも使われる爽やかな香りでリラックス効果は満点。
毛細血管を広げる働きがあるので血行促進で温熱効果が期待できます。
ゆず湯の良いところはほぼリモネンの効果なんです。
そんなリモネンですが、酸化することで皮膚に刺激を与える成分が生まれてしまいます。
これがゆず湯で肌が反応する原因の一つです。
柑橘系のアロマでも保存が悪いと肌に刺激を感じることがありますよね。
皮脂落ちによる刺激
リモネンには油を落とす効果もあります。
台所用洗剤にもレモンやオレンジを使用した製品がありますよね?
あれもリモネンの油落とし効果を利用したものなんです。
ですがそのせいで、肌を守る大切な皮脂まで落としてしまうこともあります。
バリヤを失った肌は神経がむき出しになったようにとても敏感です。
わずかな刺激でもじんましんや肌荒れが出てしまう可能性もあります。
とりわけ乾燥肌の人は注意が必要です。
アレルギー
ゆずに対してのアレルギーでじんましんが出る可能性もあります。
去年まで大丈夫だった、というのはアテになりません。
アレルギーにはある日を境に症状が出るものもあります。
花粉症なんかその典型ですね。
ただ本当にアレルギーかどうかは病院で検査を受けないとわかりません。
素人判断は危険です。
キズがしみている
ゆずは柑橘系なので体にキズがあればしみることもあります。
外で元気に遊ぶ子供は細かい擦り傷など日常茶飯事です。
お子さんがゆず湯で痛がるときはしみているのかもしれません。
キズの他にあせもや日焼け跡にもしみる可能性があります。
精神的な原因で
私の母の体験ですが、ゆずを見て虫を連想してしまいじんましんが出たことがあります。
庭で採ったゆずをお風呂に入れていたのですが、収穫する時に毛虫が付いていたそうです。
もちろん洗ってから入れているので、毛虫の成分がゆずに付いている事はありえません。
ですが、ぷかぷか浮かぶゆずを見ているうちに毛虫を思い出してじんましんが出てしまいました。
レアケースだとは思いますが、毛虫を見ただけで体がかゆくなるような方は気をつけたほうがいいかもしれません。
肌の異常を感じたらすぐ中止
原因がわからなくても肌に異常を感じたらすぐに湯から上がりましょう。
その後は湯船に入らずシャワーで洗い流してください。
ゆずは血行促進効果があるので、じんましんや湿疹も広がりやすいです。
ひどい時には消せない跡になって残ってしまいます。
たかがじんましんと油断は禁物です。
まずは低刺激のゆず湯から
ゆずは2~3個から
湯船のサイズにもよりますが、初めてなら少量のゆずで様子を見ましょう。
問題なければ増やしていきます。
穴を開けない
香りを強くするためにゆずに穴を開けたくなります。
中にはカットして湯船に入れちゃう人もいるとか。
これでは成分が大量にお湯に出て刺激が強くなります。
そのまま入れるだけで香りも効果も十分出ます。
物足りなければ皮にだけちょっと切り込みを入れましょう。
カットすると果肉が散って掃除が大変なのでやめたほうがいいです。
よく洗う
ゆず表面についた汚れやワックス、農薬が皮膚に影響を与える可能性もあります。
入れる前にはよく洗いましょう。
雰囲気ゆず湯もおすすめ
ゆずに反応が出てしまう場合は香りだけ楽しむ方法がおすすめです。
洗面器にお湯を入れて切込みを入れたゆずを浮かべます。
のぼる蒸気で香りが広がりゆず湯の雰囲気が味わえます。
簡易アロマディフューザーみたいなものですね。
まとめ
メリットだらけのゆず湯ですが思わぬ落とし穴があるものです。
とくにに小さなお子さんがいるご家庭では気を付けた方がいいですね。
ゆず湯をきっかけにしてお風呂が嫌いになってしまったりしては大変です。
冬至のゆず湯もはじめての時は慎重に用意してくださいね。