自分の住んでいるところの住所を正しく書けますか?
「当たり前だ」と怒られそうですが、本当に書ける人はかなり少ないはずです。
- 例えば1-2-3と書く住所が一丁目2番3号だったり。
- 町名に大字が付いたり付かなかったり。
- 漢数字だったりアラビア数字だったり。
もちろん略式で書いても郵便物は届きますが、それは仲間内であだ名呼びが通じるのと同じようなものです。
正式な住所の表記というものは1種類しかありません。
普段はあまり必要ありませんが、ここ一番で正式な住所がわからないと困るかもしれませんよ。
そこで今回は正式な住所表記の調べ方について解説します。
なぜこんなややこしい表記になっているのかについてもまとめてあります。
正しい住所の調べ方
間違いないのは住民票の住所
役所で発行してもらえる住民票には正しい住所表記が記載されています。
住民票の住所をそのまま写せばそれが正式な住所です。
漢字や数字の表記を変えてはいけません。
-(ハイフン)で省略するのもダメですよ。
ちなみに戸籍(の写し)には住所の記載はありません。
正式な住所を知るには住民票がいちばん確実です。
ただし、引越して住民票を移していない場合はこの方法は使えません。
引越してから14日以内にしないとダメですよ。
とはいえ住所を知るだけで住民票を取りに行くのは面倒ですよね?
そこでもっと簡単な方法がないか探してみました。
免許証の住所記載は略式?
本籍地まで記録されている自動車免許なら正しい表記がありそうですよね?
たしかに私の免許を確認すると大字や番地まで表記されています。
ところが「1-2-3」のように略式で表記された免許もあるんです。
自治体によっては、普通は略式だけど希望するなら正式表記にしてくれるところもあります。
どうやら免許を発行している自治体の方針によって違うようです。
つまり免許に記載された住所は正式と略式どちらもあり。
残念ですが、住所表記の手本とするにはいささか頼りないですね。
ネット地図で正式表記がわかる?
ネットの地図を見れば住所表記がわかる!
こんな噂があるので試してみましたが、結論から言うと無理でした。
まず自宅の住所を調べてみるとこのように表示されます。
Googleマップ:略式の住所
Yahoo!地図:大字は出るけど番地は出ない
いつもNAVI:略式の住所
どれも不完全な結果でした。
ヤフー地図は惜しいけどこれでは正確な表記とは言えません。
次に勤め先の住所で調べてみましたが結果は同じでした。
ちなみに会社は法人番号さえわかれば国税庁のサイトで正式な住所を調べられます。
登記されているのでこの表記は間違いないですね。
ものすごく有名な施設なら正式な表記が出るのでは?
こう思って東京都庁で地図を調べてみました。
ですが3つの地図ではすべて「東京都新宿区西新宿2丁目8-1」と略式で表示されてしまいました。
都庁の正式な住所は「東京都新宿区西新宿二丁目8番1号」になります。
都庁でダメなら他の施設でも無理でしょう。
どうやらネット地図で調べるのも無理があるようです。
これができたら楽なんですけどね。
マイナンバーカードで確認
普段持ち歩かないので存在を忘れていたマイナンバーカード。
確認してみると……正式な住所が記載されていました!
調べてみるとマイナンバーカードはすべて住民票と同じ住所表記がされるようです。
カードを作る前の通知カード状態でも表記は同じです。
手元にカードさえあれば調べられるので、これが現在もっとも簡単な方法だと思います。
※引越しで住所変更した場合を除く
そもそも正式な住所って何?
私たちが普段使っている「〇〇町1-2-3」のような表記は正式ではありません。
もちろん大抵の場面で通用するんですけどね。
正式な住所の表記は
「〇〇町△番地」
「〇〇町△番〇号」
のように書きます。
ここに「大字」や「字」が入る住所もあるのでさらにややこしいです。
「大字〇〇町△番地」
なぜこんなに複雑になっているのでしょう?
地番と住居表示
もともと日本の住所は地番(町名と番地)で表していました。
「〇〇町△番地」
みたいな感じ。
地番は土地に振られた番号ですね。
土地を登記する法務局が定めた住所です。
建物がない土地はすべて地番で示します。
ところが住居によってはこの地番だとわかりにい場所もあります。
郵便配達員が困ってしまいます。
そこで昭和37年に「住居表示に関する法律」が施行されて、住居表示番号が使われるようになりました。
「〇〇町△番〇号」
(番)は町を区割りして番号をつけたもので(号)が住居の番号です。
住所表記はわかりやすさ重視で建物に振られた番号です。
市町村が定めた住所になります。
★住居表示が未導入の地域もある
ややこしいことに住居表示番号が使われていない市町村もあります。
地番だけで十分わかりやすい町は導入してないんですね。
こういう場所の住所はいまだに地番のままになっています。
なので正式な住所を調べると、番地がついたり号がついたりする家が入り混じっています。
大字や字とは?
普段は省略されることの多い大字や字という表記。
これは江戸時代の地名の名残です。
明治時代に合併して市や町に変わるときに、それ以前の村や町の名前を残すために付きました。
大字は村、字(小字)はもっと小さな区画に使われます。
つまり、大字の後ろにつく地名は昔の村名なんですね。
今でも合併都市の新住所では、元の町名が大字の後ろにつく地域もありますよ。
ちなみに住居表示番号を使っている市町村では、正式表記に大字は付きません。
大字や字を今も使うのは地番表記の市町村だけです。
正式な住所はいつ使うの?
- 新築・建て替えの届出
- 婚姻届のような公的な手続き
- 法人登記
正式な住所の表記を日常生活で使うことは少ないです。
ありがちなのは住居に関する届出や重要な公的手続き。
それに会社登記くらいですね。
日常生活で住所を記入する場面はほぼ略式で問題ありません。
運転免許手続きの記入も略式で大丈夫です。
正式表記でと言われたら免許センターで書けない人が続出でしょうね。
バイトの履歴書も略式で問題なし。
就活時の履歴書はどちらを書いてもいいです。
就職すれば住民票を提出することになるので、どのみち会社は正式な住所を知ることができます。
でも正しく書いておいたほうが会社側の印象は良いかもしれませんね。
まとめ
★正しい住所表記を知るには
- 住民票を取る
- マイナンバーカードで確認
- 免許や地図はアテにできない
★なぜややこしい?
- 土地の住所が地番
- 建物の住所が住居表示番号
- 大字は昔の地名の名残
- 市町村によって使う住所の表示方法が違う
★正式な住所の使いみち
- 新築・結婚・企業
正確な住所表記を調べることはそう多くはないでしょう。
ですがいざというときのために、調べ方くらいは知っておいたほうがいいですよ。
住民票を使うときにメモっておくと後々役に立つかもしれません。