弔事に関することはあまり普段意識しないので、その場になって「どうすればいいんだろう」と慌ててしまうことが多いですよね。
今回のテーマ「忌中払いの挨拶」もその一つです。
私も経験がありますが、葬儀の時には忙しすぎて挨拶のことまでなかなか頭が回りません。
いつ挨拶するのか?
どんな流れで挨拶するのか?
何を言えばいいのか?
経験や例文を交えて解説します。
忌中払いとは?
忌中払いとは忌明けのときに口にする食事です。
精進落としとも呼ばれます。
仏教では人が亡くなると忌中に入って喪に服し、肉・魚・生ものなどを含まない精進料理を食べて過ごします。
四十九日後に忌が明けて通常の食事に戻して会食をします。
これが本来の忌中払いの意味です。
ですが現代ではこのように精進料理だけ食べて忌中をすごすことは少なくなりました。
お通夜でも精進落しの席が用意されているのが一般的です。
お通夜に出たことがあればわかりますが、流れでつまめるようにお寿司が多いですよね。
亡くなって数日の段階でもう生ものが出ているわけです。
お葬式後に火葬場で食事するケースもよくあります。
そこでも普通に肉や刺身が並びます。
今はこの火葬場での食事を忌中払いと称することが多くなっています。
厳密には間違いですが、今は精進料理で喪に服すことがほぼ無いので仕方ありません。
この記事の中でも、葬儀後の食事を忌中払いと呼ぶことにして話を進めていきますね。
忌中払いの挨拶の流れ
葬儀の参列者が全員着席したところで親族代表からの挨拶があります。
その後で献杯をして食事が始まります。
食事後に今度は終わりの挨拶をします。
つまり献杯を含めると3回挨拶があるということです。
挨拶をするのは必ず喪主である必要はありません。
私の義父が亡くなった時には、喪主は義母でしたが挨拶は長男である主人が務めました。
別に男性でなければいけないということもありません。
故人のご家族の中で決めればそれでいいです。
ちなみに忌中払いではありませんが、四十九日・一周忌・三回忌と法事後の会食には挨拶はつきものです。
うちでは最初の挨拶を主人が、終わりの挨拶は弁が立つ叔父にお願いしています。
忌中払いの挨拶は何を話す?
忌中払いの挨拶で凝った内容を話す必要はありません。
むしろペラペラ喋るほうが印象は良くないんじゃないでしょうか?
上手く話せないくらいでちょうどいいです。
主人も突然の葬儀で挨拶の文面なんて考える余裕はありませんでした。
私も記憶がハッキリしませんが、ネットで探したか葬儀社の方が文例を準備してくださったような気がします。
では、それぞれの文例を紹介しますね。
会食前の挨拶
- 列席のお礼。
- 葬儀を無事に終えたこと。
- ささやかですが席を用意したこと。
- もう一度お礼。
食事の前なので挨拶は簡単に短くしておきましょう。
長々と感謝の言葉を述べる必要はありません。
本日は大変お世話になりました。
皆様のお力添えのおかげで、故〇〇〇の告別式を無事に済ませることができました。
粗食ではございますが、精進落としの席をご用意いたしました。
故人を思いながらお召し上がりいただきお寛ぎください。
本日はご列席いただきまして、誠にありがとうございました。
献杯の挨拶
続いて献杯の挨拶です。
そのまま同じ人が続けてもいいですし、別の誰かにお願いしても大丈夫です。
これも短めが理想です。
それではグラスをお持ちください。
○○さんのご冥福を祈り、献杯。
会食後の挨拶
- 今日のお礼。
- 故人も喜んでいる。
- 名残惜しい。
- 席のいたらなさ。
- 今後もよろしく。
- もう一度お礼。
最後も代表の挨拶でしめて会食を終わりにします。
参列者への感謝の気持ちを伝える挨拶をしましょう。
最初の挨拶よりはやや長めになってもいいでしょう。
本日はお忙しい中、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
皆様に惜しんでいただき、故人もさぞかし喜んでいると思います。
故人の思い出話など、もっとお聞かせいただきたいところではございますが、長時間で皆様もお疲れのことと思いますので、本日はこれにてお開きとさせていただきます。
十分なおもてなしもできず、また気の行き届かない面もありましたこと、大変申し訳ございませんでした。
お忘れ物などありませんよう、どうぞお気をつけてお帰りください。
本日はご列席いただきまして、誠にありがとうございました。
まとめ
例文は丸暗記しないほうがいいです。
ふわっと参考にするだけであとはその場で出た言葉で構いません。
いわゆる結婚式の挨拶とは意味合いが違います。
不慣れなことも気持ちの整理がつかないことも参列者はわかっています。
言葉に詰まっても心は伝わりますよ。