お正月に飾る鏡餅は鏡開きをして食べる習慣があります。
関東では1月11日、関西は15日と地域によって日付にずれはありますが、日本全国で行われています。
そんな鏡開きですが正しい方法を知る機会はなかなかありません。
今回は昔ながらの鏡開き方法や現代風のかんたん鏡開き、開いたお餅を飽きずに食べられるレシピあれこれも紹介します。
鏡開きの正しい方法とは?
今は真空パックの鏡餅を飾っているご家庭が大半でしょう。
パックの中に大きな餅が詰まっているタイプもありますが、ほとんどは食べやすい切り餅が入れられています。
ですが、本来はついたお餅を丸く形作り大小重ねたのが鏡餅の正式スタイル。
これを細かく分けて食べるところまでが鏡餅に関する行事なんです。
正月に家にやってきた年神様は、その魂を鏡餅に宿すと言われています。
その餅を食べることで神様から新しい命をもらって生きていくという意味が込められているんですよ。
ちなみに分け与えられた鏡餅は今のお年玉の起源でもあります。
お年玉の「玉」は「魂」のことなんですね。
★鏡開きのやり方
- 神様に感謝して飾っていた場所から降ろす。
- 鏡餅の表面についた汚れや埃を濡れた布で拭いて落とす。
- 木槌などを使って餅を割り砕く。
正式な鏡開きをやっている家はかなり少ないと思います。
また実際に試してみるとわかりますが、固くなった鏡餅を叩き割るのは結構(と言うかかなり)大変です。
★包丁は使わない
鏡餅を分けるのに刃物を使うのはNGとされています。
鏡餅を包丁で切ろうとするのは、神様に刃を向けるのと同じとみなされてしまうから。
縁起をかつぐ武家社会では「刃物=切腹」のイメージが強いのも嫌われた理由です。
また「切る」はおめでたい席で使わない忌み言葉なので「開く」という表現に置き換えているんです。
ご家庭でする場合も同様。木槌がなければ、すりこぎなどの硬いものを代用品として使いましょう。
どれだけ叩いても餅が割れない…どうしたらいい?
硬く乾燥した鏡餅を木槌で少しづつ割っていくのが正しい鏡開きです。
木槌がなければすりこぎなどで割るといいでしょう。
ただ現実問題として大きな餅を叩き割るのは難しすぎます。
ゴリラみたいな力がいりますし、ガンガンうるさくて近所迷惑でしょう。
昔実家の鏡餅を父が開いたときにも、あまりの割れなさに諦めて包丁で分けてました。(包丁でもかなり手こずった)
そこでおすすめなのが電子レンジで柔らかくして分ける方法です。
★レンジでかんたん鏡開き方法
- ラップで餅を包む。
- 電子レンジで少しずつ温める。
- 柔らかくなった餅をちぎって分ける。
あまりにカチカチの餅なら、レンジの前に表面を少し濡らしてやると柔らかくなりやすいです。
小さければ耐熱ボウルに入れられるのでそのままラップ無しで温めることもできます。
ただ、餅はレンジに掛けるとある瞬間を境に一気に膨らみます。
硬さを見ながら小刻みに加熱してくださいね。
包丁を使っても構わないなら、表面がわずかに柔らかくなる程度でも十分カットしやすくなっていますよ。
正直いまは包丁を使う人のほうが多いと思います。
パックの鏡餅が取り出せない場合
切り餅入りの鏡餅なら、単純にパッケージを開けて中身を取り出しすことができます。
しかし鏡餅型がまるごと真空パックされた物もあります。
この大きな餅が張り付いてうまく取り出せないことがあるんです。
これをきれいに外す方法を紹介します。
まず鏡餅が入る大きさの容器に熱めのお湯を張ります。
あまり熱いとパックが溶けるのでお茶くらいの温度がいいでしょう。
その中にパックごと鏡餅を入れます。
5分ほど放置すると餅表面が柔らかくなってスルリと取り出すことができますよ。
もう一つは電子レンジを使うやり方です。
鏡餅底のフィルムを完全にはがします。
餅型パックを逆さまにして皿にのせます。
30秒ほど加熱すれば簡単に取り出せます。
加熱が足りない時は10秒ずつ追加します。
柔らかくなりすぎるとパックにベッタリ張り付くので要注意です。
鏡餅のおすすめレシピ
サイズの大きな鏡餅になると食べごたえもあります。
定番な食べ方といえば雑煮や汁粉でしょうか。
切り餅と同じように、あんこやきな粉をまぶしたり海苔を使って磯辺巻きもいいですよね。
しかし、こういうストレートな食べ方は餅の質で味が大きく左右します。
家でついた餅なら間違いありませんが、安い出来合いの鏡餅には美味しくない物も結構あります。
ちょっと変化球のレシピを覚えておくとイマイチな餅でも美味しく食べられますよ。
おやつ向けレシピ
あんことクリームチーズを一緒に巻いたおやつ春巻きです。
美味しそうだけどカロリーが心配。
質の悪い餅でも揚げてしまえば差は少なくなります。
パフとはファンデを塗るやつじゃなくて焼いて膨れた餅のこと。
ここまでやると元の餅レベルはあまり関係なくなります。
食事向けレシピ
![](https://recipe.r10s.jp/recipe-space/d/strg/ctrl/3/726a07d613205255a3223226645e04905db8ec7d.40.1.3.2.jpg)
定番の餅ピザです。
フライパンだけで簡単に作れますよ。
![](https://recipe.r10s.jp/recipe-space/d/strg/ctrl/3/dd29e862a20485d403a31f4f144619e2824977e9.19.2.3.2.jpg)
子供が大好きミートソース味のグラタンです。
本格ソースは不要。
市販の安物で十分美味しいです。
巾着に入れればお餅も煮物の仲間入りです。
大人が好むさっぱり和風味。
まとめ
神様が宿してくれた魂をいただく…鏡餅を食べることにはこんな意味があったんですね。
お餅に飽きたなんて言わず、いろいろな食べ方でありがたくいただきましょう。
包丁を使うのは仕方ないですが、せめて「切る」と言わず「開く」に置き換えるよう心がけてくださいね。
時代や様式が変わっても鏡開きという日本の伝統文化の心くらいは受け継いでいきたいものです。