身内に不幸があったので次のお正月は喪中期間。
様々なお祝いごとは慎むことになります。
しかしふと考えてしまうのは子供に渡すお年玉のことです。
喪中にお年玉をあげてもいいのでしょうか?
我が子にあげるぶんは自分の考え一つでどうにでもなりますが、親戚の子に渡すとなると迷ってしまいます。
知らずにマナー違反をして気まずくなるのもイヤですからね。
今回はお年玉と喪中の関係・マナー違反にならない渡し方について解説します。
お年玉って何?
そもそもお年玉とはどういうものなのでしょうか。
それを知ると喪中での扱いもなんとなく見えてきます。
お正月は「歳神様」を迎える神事です。
神様のためにいろいろお祝いのお供え物を準備しますが、その中でも鏡餅は特別です。
家にやってきた歳神様は鏡餅に宿ります。
このありがたい鏡餅を分け与えたのが御歳魂。お年玉の始まりと言われています。
やがてお餅から食べ物を互いに贈り合うものに変化し、高度経済成長期の頃には「お金を目上から目下に渡す」のが主流となりました。
それが今は、お金を子供がもらう習慣になっているのです。
意外にお年玉の歴史は新しいですね。
つまり、ちょっと前まで大人もお金をもらえてた時代があったんです。
喪中はお祝い事を控えるべき期間
さて、お年玉の由来がわかったところでもう一度考えてみましょう。
喪中はお祝い事をしません。
お正月に「明けましておめでとう」の挨拶をしないので年賀状はストップ、年始の訪問も避けることが多くなります。
正月飾りは控えるので鏡餅も喪中には準備しません。
ということは、鏡餅を分け与えることもできませんね。
つまり原則、お年玉をあげたりもらったりということは喪中にはできないのです。
お年玉ではなく「お小遣い」を
ただ子供にとってお年玉の存在は大きいものです。
普段のお小遣いとは桁が違いますからね。
喪中でもらえると思っていたお年玉がもらえないのは悲しすぎます。
おそらく亡くなった方も子供をがっかりさせることは望まないでしょう。
自分が子供のころに抱いていた期待感を思い出しても、やはり何かの形でお年玉を手渡したいものです。
そこで直接的なお年玉という表現を避けて、お小遣いとしてあげるのはどうでしょう?
これならお祝いごととは違うので、もらってはいけないというルールはどこにもありません。
「これってお年玉じゃないの?」と子供に聞かれたら「お年玉はおめでたいものだから、喪中の時期はあげられないのよ」と説明してあげましょう。
★喪中相手にあげる場合は一言相談
自分が喪中の場合はさほど問題はありません。
ちょっと気をつけたいのが相手の方だけ喪中というケースです。
喪中への考え方は人それぞれです。
お小遣いとしてあげたとしても実質はお年玉ななので、気を悪くする可能性もあります。
(親には)あげる前に一言相談するほうがいいでしょう。
無地の封筒かお小遣い用ぽち袋に
お年玉のぽち袋には、干支やお正月にちなんだデザインが使われます。
しかし喪中ではおめでたい絵柄はふさわしくありません。
- 表書きに「お小遣い」と書いた無地の白い封筒。
- お祝いごとを連想しないぽち袋。
このどちらかで渡してあげましょう。
お年玉用の他にもかわいいぽち袋は意外にありますよ。
できれば新札
厳密にいうと「お小遣い」は前もって準備しておくものではないので、新札である必要はありません。
ですが、お正月に渡すのでどうしてもお年玉の代わりという形になります。
お年玉は新札で渡すというのが世の中での通例なのでそれにならった方がいいでしょう。
あと単純にパリッとした新札やピカピカの硬貨をもらうとうれしいものです。
私も昔もらったお年玉はみんな新札だったので、喜びも1割くらいアップしていた気がします。
両親へのお年玉は?
毎年、ご両親へお年玉を渡している人もいるでしょう。
年上に渡すのは正確に言うとお年玉ではなくお年賀と呼ばれる習慣です。
「賀」の文字からもわかるようにおめでたいものなので、喪中の場合は渡スノは控えましょう。
さすがにご両親も、喪中の時期の過ごし方はわかっているはずですから問題ありません。
どうしてもというのなら、喪が明けてから「お正月に渡せなかった分ね」としてはいかがでしょう?
まとめ
これでお子さんもがっかりしなくてすみますね。
ただ、お正月の集まりなどもないでしょうから、どうしてももらえる額は少なくなってしまうかもしれません(あげる方としては助かりますが)。
いい機会ですので、お子さんには喪中やお正月の意味を教えてあげてはいかがでしょうか。