初日の出を見に出かけたことはありますか?
夜もまだ暗いうちから家を出て昇る朝日を見る…。
見事な初日の出を目にするとなんだか特別な1年になりそうな気分になります。
しかし太陽は毎日昇っては沈んでを繰り返しています。
初日の出だけどうしてもてはやされるのでしょうか?
今回は初日の出の縁起の良さについて解説します。
似たような「ご来光」との違いも説明しますよ。
どうして初日の出は縁起がいいの?
初日の出とはその年のいちばん最初の日の出を指しています。
1月1日に昇る朝日その年では一度切りです。
そしてそれを見ることはとても縁起がいいと言われています。
★太陽とともに歳神さまがやってくる
初日の出がありがたがられるのは、もっとも早く歳神様に出会えるタイミングだからです。
新しい年が始まる元日は、穀物などの豊穣を司る歳神様がやってくる大切な日でもあります。
歳神さまがどうやって私たちのもとへ来るのかというと、太陽と共に現れるとされているのです。
つまり、初日の出を拝めば歳神様をいち早くお迎えでき、祈りを捧げることができるというわけです。
俗っぽく言えば、元日の朝日は神様登場のスポットライトのようなものですね。
ちなみに元旦とは1月1日の朝のことです。
元日とは微妙に違います。
「旦」の字は地平線から朝日が昇る様子を意味しています。
★旧暦では元旦にひとつ歳をとる
もう一つの理由が、旧暦では誰もが元旦に歳をとることです。
いわゆる数え年というやつですね。
誕生日でなく新年を迎えるごとに年齢が加算されていきます。
なので昔の人にとって元旦は、現代人よりもう一つおめでたさの要素が多かったことになります。
私たちが誕生日の深夜0時を迎えた瞬間の気持ち。
そこに正月気分をプラスしたようなおめでたさを初日の出に感じていたのではないでしょうか?
ちなみに初日の出を見る場所はどこで見ても構いません。
山でも海辺でもビルやマンションの屋上でも。
元日に昇る朝日はどこでも「初日の出」と言っていいんです。
ですがやっぱり広い場所や高い所のほうが美しい朝日を拝めますよね。
私も元旦の朝には近所の開けた川辺まで足を運びます。
そこは名所でも何でもないですが、毎年近所の人がそこそこ集まってきます。
誰もがスマホを持つ現代でも「初日の出は縁起が良い」という感覚は残っているんですね。
ご来光って何?
たまに初日の出のことをご来光と言っている人がいますが、これは正確ではありません。
「ご来光」というのは、簡単に言ってしまえば高い山や山頂で見る日の出のことです。
そして元日限定ではなく、山から見る日の出はいつでもご来光です。
「光」なんて付いてるからおめでたさ倍増で間違えやすいですよね。
もちろん大晦日に山に登って元旦の朝日を見れば、それは初日の出でもありご来光でもあります。
高い山の上から日の出を見ると、「まるでお釈迦様が光を纏ってこちらに来るようだ」昔の人にはそう見えました。
そんな理由で光が来ると書いてご来光です。
ご来光は仏さまの話なので、仏教ととても深い繋がりを持った言葉です。
初日の出の歳神さまは神道の神様なので、別の言葉なのがわかりますね。
また仏教とは別に山岳信仰という考え方もご来光に関係します。
自然を崇拝する風習の一種で山には霊的な力があるとされているので、そこから見る日の出も特別なものであると考えられています。
なので海やビルからではダメで山限定なんです。
初日の出を見る現実的なメリット
初日の出を見ることで現実的にいいこともありますよ。
それは強制的に早起きすることで生活リズムを整えられることです。
明確な目的がないと日の出前にはなかなか動き出せないですからね。
仕事納めから正月休みに続く元日あたりはダラダラ乱れた生活をしがちです。
まして子どもたちにとっては冬休みのど真ん中。
寒さも手伝って遅寝遅起きペースが染み付いてしまいます。
ここでピリッと体内時計をリセットすれば、冬休み後半やこれからの一年に向けて規則正しい生活をスタートできますよ。
まとめ
個人的には初日の出は縁起がいいという理由には「天気が良くないと出会えないから」というのもあると思います。
これは私たちの努力ではどうにもできませんからね。
さて、来年の元日のお天気はどうでしょうか。
晴れマークが出ていたら、初日の出を見に行く準備をしてみませんか。
風邪を引かないように寒さ対策はしっかりしてお出かけくださいね。