お盆にはご先祖様をお迎えするための飾り付けがあります。
仏壇の前にはきゅうりの馬とナスの牛が並びます。
ところが、お彼岸の仏壇飾りとなるといまいちピンと来ませんよね。
お彼岸にも何か特別な飾りをするべきでしょうか?
お花やお供え物も普段と同じでいいのか迷います。
そんなお彼岸の仏壇飾りやお供えの用意についてまとめました。
お彼岸の日付っていつ?
お彼岸の時期は、春分の日(3/20か3/21)と秋分の日(9/22か9/23)を中日にして前後3日間の1週間ずつです。
3月と9月の年に二回あります。
春分の日と秋分の日は、どちらも昼と夜の長さが同じになる日です。
言い換えれば太陽が真東から昇って真西に沈む日でもあります。
仏教では彼岸(あの世)は西に方向に存在するとされています。西天とか西方浄土みたいな呼ばれ方をしますよね。
太陽が真西に沈む時期は、夕日を拝むと極楽への思いが届きやすいという考えが生まれました。
そのため、先祖供養と自分が善行を積む修行のための期間としてお彼岸が定着しました。
先祖供養とか修行なんていわれると構えてしまいますが、お彼岸に大げさなことをする必要はありません。
ご先祖様のためにお墓参りに行ってキレイにお掃除します。
仏壇を清潔にしてお供え物をします。
ご先祖様に言えないような悪い行いはやめましょう、と。
お彼岸に限らずいつも心がけるべきことですね。
お彼岸の仏壇・お供えや飾り方は?
ご先祖様をお迎えするお盆と違って、お彼岸は私たちの修行という意味合いが強いです。
そのため、キュウリの馬やナスの牛のような決まった仏壇飾りはありません。
迎え火や送り火もありません。
普段通りにご飯やお花をお供えします。
ですが、せっかくのお彼岸です。
いつもよりちょっとだけ本格的なお供えを用意してみてはいかがでしょう?
ぼた餅とおはぎ
お彼岸で連想するお供え物といえば、ぼたもちとおはぎですよね。
どちらも蒸した餅米を丸めてあんこやきな粉でくるんだものです。
実はおはぎとぼたもちは同じものだってご存知でしたか?
漢字で書くと『牡丹餅』と『お萩』。
牡丹と萩という春と秋のお彼岸の頃に咲く花が名前に使われています。
なので春のお彼岸に食べるのがぼたもち、秋にはおはぎと呼び名が違うだけなんです。
そうは言っても、春のお彼岸にもスーパーに行けばおはぎがたくさん並んでますけどね…。
ちなみに、この豆知識を披露しようとした時にどっちがどっちか混乱したら「萩」の漢字を思い出してください。
字の中に『秋』が入っているのでおはぎが9月の方だなと思い出せますよ。
霊供膳で精進料理をお供え
霊供膳(れいぐぜん)はご先祖様にお供えする正式なお膳のことです。
普段のお供えはご飯だけという家も多いでしょうが(ウチもそうです)、霊供膳はご飯・汁物・漬物の一汁一菜が基本となります。
もちろんおかずを増やして一汁三菜にしても構いません。
左手前:親椀…白いご飯を大きめの茶碗に盛ります。
右手前:汁椀…精進料理なので、豚汁みたいな動物性は避ける。
中手前:高杯…漬物を盛りつけます。3切れ(身を切る)は避ける。
左奥:平椀…煮物を盛り付けます。
右奥:つぼ椀…冷たいおかず(ひじきなど)を盛ります。
忘れてはいけないのがお膳を仏壇側に向けること。
仏様に食べてもらうわけですからね。
細かい決まりはありますが、一汁一菜があればおかずの盛り付けはそこまで神経質になる必要はありません。
ただ精進料理なので肉や魚、刺激のあるもの(ニンニク・にらなど)は避けましょう。
また、仏教の宗派によっては霊供膳を用いないこともありますので注意してくださいね。
正直、これをお彼岸のあいだ毎日準備するのは本当に大変です。
ご飯は毎日お供えして、春分の日だけ心を込めてお膳を作るいった形でもいいのではないでしょうか。
果物やお菓子
お彼岸に限らず、仏前に果物やお菓子をお供えするのは悪くありません。
季節にちなんだものや、亡くなった方が好きだったものを選んでお供えしてあげましょう。
以前とある住職に聞いたのですが、仏様は食べることはできないけど匂いを感じることはできるそうです。
お香・お花・お茶・ご飯とお供え物は香りがいいものが多いですよね。
なので、フルーツも香りが強いものがおすすめですよ。
お花について
お供えのお花にも基本的にルールはありません。
定番なのは菊・ピンクスプレーカーネーション・カスミソウ・トルコキキョウ・ユリ・リシアンサスなど。
故人が好きだった花があればぜひお供えしてあげましょう。
仏花の色で無難なのは白一色ですがちょっと寂しいですよね。
ピンクやブルーの淡い色を選んではいかがでしょうか。
お花屋さんに相談すれば上手にまとめてくれますよ。
★棘・香りのきつい花は避ける
棘のあるものや匂いがキツイお花は仏花には不向きです。
ただ、故人がバラ好きだったのでどうしてもという場合は、棘を1つ1つ切り落とした状態であればお供えできます。
派手なお花も昔はNGとされていましたが、今ではあまり気にされなくなってきました。
むしろ、花をしおれさせないことのほうが大切です。
こまめに水をかえてあげてください。
まとめ
★お彼岸とは
春分の日・秋分の日の一週間
決まった飾りはなし
お墓や仏壇の掃除をする
★お供えおすすめ
おはぎ
霊供膳
香りの強い果物
淡い色の花
お彼岸の仏壇のことについてまとめました。
昔からの慣習をすべて守るのは今の時代になかなか大変です。
しかし一番大切なのは故人を思うその気持ちです。
心を込めてできる範囲でお花を供え、ぼた餅やおはぎ、精進料理などを作ってみてはいかがでしょうか。