コーヒー好きなら自宅でドリップする機会も多くなります。
どうしても溜まってしまうのがコーヒー豆の出し殻です。
当然捨てるわけですが、どうせなら処分前にもう一働き再利用できるとうれしいですよね。
そこで、出し殻を有効活用する方法を集めてみました。
賛否ある肥料への再利用についても解説していますよ。
消臭剤代わりに使う
コーヒーには強力な消臭効果があります。
コーヒーの出し殻は、顕微鏡で見ると表面に細かく無数の穴があいています。
この形は消臭剤に使われる活性炭と同じ構造で、効果的に匂い物質を吸着してくれるのです。
もともと口に入れるものですから、あらゆる生活空間で抵抗なく消臭剤として使うことができますよ。
冷蔵庫を消臭
コーヒーで冷蔵庫を消臭するのは定番の使い方です。
とても簡単に消臭できます。
ドリップして残ったコーヒーの出し殻を、フィルターごとシンクに放置して熱と水気を取ります。
冷たくなったら無理のないサイズの皿にのせます。(湿ったままでOK)
皿をそのまま冷蔵庫に入れるだけ。
脱臭剤のように数日間は匂いを吸い続けてくれます。
持続効果は短いですが消臭力は強めです。
コーヒーを淹れるたびに出し殻を交換すれば、冷蔵庫内の匂いを常にクリーンに保てますよ。
下駄箱を消臭
下駄箱や靴の箱に使うことでイヤな匂いを取ることができます。
ただし、湿ったまま下駄箱に入れ続けるとカビが生えてしまいます。
出し殻は乾燥させて使いましょう。
乾燥させた出し殻を目の細かい袋(だしパック・ガーゼ・不要なはぎれなど)に入れます。
そのままポンと入れておけば消臭剤代わりになります。
見た目にこだわるなら、柄物の靴下やテーブルの脚カバーに出し殻袋を入れちゃうのがおすすめです。
湿気てくるとカビるので数週間で新しいパックと交換します。
★乾燥コーヒー出し殻の作り方
大きめの皿に広く浅く出し殻を敷き詰めて、電子レンジにかけます。
一度にやると焦げるので、ときどき混ぜながら全体を乾かします。
8割くらいの乾き具合で出せば自然に水気が飛んでいきます。
やりすぎると豆がレンジ内で弾けるので注意してください。
天日干しでも乾燥させられますが、風に飛ばされやすいのでレンジの方が簡単です。
ちょっと作るのが面倒ですが、乾燥出し殻は使い勝手がいいので用意しておくと便利です。
灰皿を消臭
灰皿に出し殻を入れておくことでヤニの匂いを消してくれます。
入れるのは湿った出し殻でも乾燥させたものでも大丈夫です。
ただし、ケチらずにたっぷりと入れるようにしてください。
乾いた出し殻をパラパラとふりかけるくらいの量だと、火でいぶされて豆の焦げ臭さが広がってしまいます。
トイレも消臭
出し殻の消臭効果はアンモニアの匂いに最も威力を発揮します。
コーヒーが酸性なのでアルカリ性のアンモニア臭を効果的に吸収してくれるためです。
なのでトイレの消臭にコーヒーはもってこいです。
使い方は、下駄箱消臭に使った乾燥パックをトイレ内に置いておくだけでOK。
または、乾燥前の出し殻をそのまま皿に盛っておいても強力に消臭してくれます。
ただ、湿っている出し殻はカビが生えやすいので1日おきに交換する必要があります。
使いやすさを考えると乾燥パックに軍配が上がりそうですね。
★おむつやペットトイレの処理に
アンモニア臭を消してくれるので、使い捨ておむつやペットのおしっこシートの臭い消しにも使えます。
おむつを入れるゴミ袋に軽く水を切った出し殻を一緒に捨てるだけ。
手軽ですが悪臭を大幅に減らしてくれます。
おむつやペットシートもゴミに出すまでに結構臭いますからね。
アンモニア臭に強いからとダイレクトに猫砂に入れるのは、コーヒーの匂いを嫌う猫ちゃんもいるので考えものです。
人間にとっては消臭でも、猫にとってトイレが嫌な匂いだったらかわいそうですからね。
油汚れ落とし
コーヒーの出し殻は油汚れ落としにも使えます。
コーヒー自体に油を落とす効果はありませんが、穴だらけの出し殻が油を吸収しやすいのです。
しっかり油を吸わせて出し殻を拭き取ることで簡単に汚れを落とすことができます。
食器洗いに
ごってりと油のついた食器やフライパン。
ここに乾燥させたコーヒーの出し殻をふりかけます。
油を吸い込んだ出し殻を拭き取れば、しつこい汚れの大半を落とすことができます。
その後に軽く洗う必要がありますが、より少ない水と洗剤で洗い物を終わらせることができますよ。
油汚れのひどい換気扇の掃除にも同じように使うことができます。
魚焼きグリルの油落とし
魚を焼くグリルも油汚れに悩まされる場所ですよね。
受け皿にベッタリと残った油も、出し殻に吸着させればごっそり拭き取れます。
また、魚を焼く前に受け皿の水の中に出し殻を入れておくのもおすすめです。
落ちてきた油を直接吸い込んでくれるので後処理が楽になります。
消臭効果でグリル内に魚臭が付きにくくなるのもプラスポイントです。
靴磨きに
コーヒーにはもともと油分が含まれています。
ドリップしたフィルターにはほどよく油分が残っているので、金属の錆止めや艶出しに使うことができます。
とくに使いやすいのが靴磨きです。
ネルドリップした布を乾かすと、そのまま艶出し剤付きの靴クリーナーになります。
★美肌にも効果あり!?
コーヒーの成分には美肌の効果もあり、脂肪を分解させる力でセルライトまで消してくれるとか。
ジャリジャリして痛そうですが、スクラブとして使っている人もいるようです。
ですが、体に出し殻を塗りたくるのはさすがに抵抗があるので、私は試していません。
風呂場の排水口に詰まりそうなのもちょっと気になります。
ガーデニングに利用
コーヒーの出し殻はガーデニングにも活用できます。
いろいろな利用法がうたわれていますが、効果が不確かなものもあるようです。
よく噂される出し殻利用法の真偽をまとめてみました。
雑草よけ
コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノール。
この成分には植物の発芽を抑制する効果があります。
なので庭の雑草よけに使うのは間違いではありません。
と言っても除草剤のような雑草を枯らす力はありません。
生えにくくするだけなので、草むしりをしてから撒くといいでしょう。
ただ現実的には、相当な量を撒かないと効果は薄いようです。
効けばラッキーくらいのつもりで使ってみてはいかがでしょう。
肥料にするには一工夫
コーヒーの出し殻がそのまま肥料になるという噂がありますが、これは正確ではありません。
雑草よけに使えるのに植物の成長を促進させるなんて矛盾していますよね?
出し殻を肥料として使うにはたい肥と混ぜて発酵させる必要があります。
こうすることで出し殻の植物の成長阻害効果を失わせます。
成長阻害効果さえ消えれば、穴だらけの形状がプラスに働いて、出し殻は微生物が棲みやすい空気をたっぷり含んだ肥料になります。
ただ、手間を考えると他の利用法のほうが良さそうです。
猫よけ・虫よけにはイマイチ!?
野良猫が庭に糞をしていくことに悩まされる方は少なくありません。
猫はコーヒーの匂いを嫌うので、出し殻が猫よけになるという使い方は有名です。
ただ実際は、コーヒーの無いところを選んで糞をしてしまうみたいですね。
庭全体にコーヒーを撒かなければ猫の糞害を完全に防ぐことは難しそうです。
また、コーヒーは虫よけにも一定の効果があることが知られています。
ただこれも虫の種類によってまったく効果がないこともあるようです。
なによりコーヒーの匂いにつられてゴキブリが集まってしまうという大きな難点があります。
まとめ
★再利用しやすさと効果の評価
◎ 冷蔵庫を消臭
○下駄箱を消臭
○灰皿を消臭
◎トイレを消臭
◎おむつペットシート消臭
○食器洗い
◎魚焼きグリルの油落とし
○ 靴磨き
△雑草よけ
△肥料
△猫よけ・虫よけ
コーヒー出し殻の使いみちについて紹介しました。
いけそうだと思っていたガーデニングに使い勝手が良くなかったのは意外でしたね。
やっぱり消臭剤として使うのが一番効果がありそうです。