お彼岸に食べるものといえば何が思い浮かぶでしょう?
おはぎはパッと思いついても、その他のメニューはなかなか出てこないのではないでしょうか。
お決まりのものがないと食事の用意も困ってしまいますよね。
そこで今回はお彼岸の食事のルールと定番メニューを紹介します。
お彼岸の献立の参考に役立ててくださいね。
お彼岸は精進料理しか食べない?
お彼岸は、太陽が真西に沈む時期にご先祖様を敬おうという仏教の行事です。
お彼岸には西にある極楽浄土に近くなるといわれ、なおかつ仏教徒が修業をする時期ともされています。
そのため、仏教の「殺生を嫌う」と考えがベースにあります。
肉や魚(動物性たんぱく)をメインにした料理はお彼岸にはふさわしくありません。
野菜を中心とした精進料理を食卓に並べるのが基本ルールです。
生臭物を断って修行する、なんていいますよね。
ですが現在きっちりこのルールを守るのはかなり大変です。
たとえばお出汁。
インスタントの出汁パックなんかは何かしらダメな材料が入っています。
自分で出汁を取るにしても鰹節や煮干しは魚なので本当はNGです。
料理に使いやすい卵はもちろんダメだし牛乳やチーズも厳密に言えばアウトです。
また野菜ならどれでもいいわけではなく、ニンニク・ニラ・ネギなど匂いの強いものは生臭物に含まれます。
しかし修行僧ならともかく、家庭でこのルールをきっちり守っていたら何も作れなくなってしまいます。
主婦としてはやってられないです。
なので現実には、ステーキ・焼き肉・とんかつのようなズバリ肉!というメニューだけ避ければ問題ないでしょう。
お葬式や法事の食事も本来は精進料理のはずです。
ですが、業者に料理を注文しても肉や魚は普通に出てきます。
お彼岸の家庭料理だけ厳密にする必要はないと思いますよ。
お彼岸に食べる料理16選
前置きが長くなりましたが、ここからはお彼岸の定番メニューを紹介します。
ど定番の精進料理から地域特有のお彼岸メニューなど。
お彼岸に食事は印象薄いですが意外にありますよ。
ぼたもち・おはぎ
お彼岸の食べ物と言ってまず思い浮かぶのはおはぎですよね。
お彼岸時期になればいろんなお店で売り出しますし、ご自宅で作ってみるのもいいですね。
ちなみにぼたもちとおはぎは同じ意味で、それぞれ季節の花が名前の由来になっています。
ぼたもちは春に咲く牡丹の花。おはぎは秋の萩の花に見立てています。
なので3月のお彼岸に食べるのがぼたもち、9月はおはぎになります。
まあ3月でも普通にお店でおはぎを売っているので厳密なルールではありません。
だんご
おはぎがポピュラーすぎて存在が薄いですが、お彼岸団子といってだんごを供える地域もあります。
定番メニューと言っていいでしょう。
ただ、だんごの味や形は地域のよって様々です。
お中日がおはぎで彼岸入り・彼岸明けにだんごを供える風習もあるようです。
野菜の天ぷら
天ぷらはお彼岸食として代表的なメニューです。
肉と魚が使えないとなるとおかずに脂っけがないですからね。
天ぷらなら野菜でも重めのおかずになります。
春だとタケノコ・ふきのとう・うど・たらの芽・こごみ・そら豆・菜の花。
秋はかぼちゃ・ナス・さつまいも・しいたけ・まいたけ・れんこんなど。
旬の野菜を揚げれば立派なごちそうです。
ゆるくいくなら海老天を出しても別にいいと思います。
そば・うどん
「暑さ寒さも彼岸まで」というフレーズがあります。
お彼岸の頃は季節の変わり目なので体調を崩しやすいと考えられていました。
そのため、胃に優しい麺類を食べて体調を整える習慣が根付きました。
これを彼岸そばといいます。
そばと名前がついていますがうどんでもいいみたい。
ラーメンは重いのでちょっと違う気がします。
筑前煮
筑前煮もお彼岸のお供えとして定番です。
お供えだと鶏肉は入れないですね。
野菜や芋の他、タケノコなど春の食材も入れることができます。
けんちん汁
精進料理のひとつであるけんちん汁もお彼岸向きの料理です。
豚汁と間違えられやすいですが、けんちん汁はもともと肉なしの汁物です。
油で材料を炒めてから作ります。
今のけんちん汁はアバウトに肉が入ることもありますけどね。
ごま豆腐
ごま豆腐もお決まりの精進料理です。
動物性の材料が使えないと、豆腐やごまはとても重宝します。
白和え
豆腐を利用した白和えもいいですね。
秋のお彼岸なら菊をいれると彩りも映えます。
がんもどき
がんもどきも由緒ある精進料理です。
鳥の雁(がん)を模した代用品として作られました。
同じ練り物でも、はんぺんやかまぼこは魚のすり身を使うので厳しく言うとダメなんですね。
酢の物
酢の物は定番ではありませんが、お彼岸に食べても問題ない料理です。
ぱっと簡単に作れるのが魅力です。
香の物
漬物はお彼岸お膳に必ずつきものです。
どんな料理にも箸休めに添えやすいのがいいですね。
いなり寿司
お供えもしやすいいなり寿司もお彼岸料理のひとつです。
でもなぜかあまりお彼岸のイメージはないですよね。
子供も喜んで食べるのでメニューに困ったらおすすめです。
おあげだけ前日に作って味をなじませるのがポイント。
おこわ
実はおこわもお彼岸料理として食べられるメニューの一つです。
必ず食べるというところと全く食べないところがあり地域差はかなりありますね。
定番なのは法要でお決まりの黒豆のおこわです。
ただ黒豆にこだわらず、五目や山菜のおこわも食べられています。
秋には栗おこわもいいですね。
赤飯
お彼岸に赤飯を食べる地域もあります。
習慣がない人からすると、赤飯は祝い事というイメージなので抵抗があるかもしれません。
しかし昔の小豆は高価な食材であったことや邪気を払うと言われていたことを考えると、ご先祖様にお供えするのは決して変ではありませんよ。
混ぜご飯
精進料理にこだわるとどうしてもおかずが弱いので、味のあるご飯に頼りがちになります。
そんな理由からか、混ぜご飯もよくお彼岸に食べられます。
わかめ・椎茸・かんぴょうなどが使いやすい食材です。
秋なら栗ご飯、ゆるくていいなら鶏ごぼうご飯もおすすめです。
おくずかけ
おくずかけは宮城の郷土料理です。
おもにお盆やお彼岸に食べられています。
素朴な味でおいしいですよ。
まとめ
- ぼたもち・おはぎ
- だんご
- 天ぷら
- そば・うどん
- けんちん汁
- ごま豆腐
- 白あえ
- がんもどき
- 酢の物
- 香の物
- いなり寿司
- おこわ
- 赤飯
- 混ぜご飯
食の種類に乏しい印象のお彼岸ですが、集めてみると案外メニューは豊富です。
せっかくなのでぜひお彼岸にちなんだ食事を用意してくださいね。
肉や魚を使っていいからもう少し豪華な食事を用意したい。
という方はこちらの記事も参考にしてみてください。