三社参りってどんな風にやるの?
他県に住む友人にこんなことを質問されました。
たしかに三社参りを知らない人だと想像しにくいかもしれません。
大急ぎで神社を回ったり三ヶ所行かないと怒られたり…。
そんな間違ったイメージを抱く人もいるでしょうね。
今回は福岡に住む私が、意外にゆるい三社参りの実情について解説します。
三社参りとは?
私は十数年前に東京から福岡に引っ越してきました。
私が三社参りというものを知ったのは、福岡で初めてお正月を迎えたときです。
調べてみると、福岡を中心に九州全般や中国地方に根付いている習慣だそうです。
私も東京では一度も聞いたことがありませんでした。
三社参りとは読んで字のごとく初詣に三つの神社やお寺に行くこと。
近くでも遠くでもどこでもいいので三ヶ所にお参りします。
その昔、朝廷では伊勢神宮・石清水八幡宮・賀茂神社の三ヶ所へ参拝していました。
それを庶民が真似たのがこの三社参りと言われています。
もう1つの説で、先祖代々を守ってくれる氏神様・出生地を守る産土神様・今の居住地を守っている鎮守神様のそれぞれにお参りすることから三ヶ所を回るというものもあります。
実際の三社参りはどんな感じ?
★必ず三ヶ所行くの?
三社参りが根付いた福岡では絶対3つ回る。
そんなイメージがあるかもしれませんがそんなことはありません。
1ヶ所しか行かない人も普通にいます。
我が家も年によって違いますよ。
1ヶ所は必ずお参りしますが3つは行かない年もあります。
なんとなく面倒に思う年もありますしね(笑)。
「行けたら行く」程度だと思ってください。
★いつまでに3つまわるの?
一日で三ヶ所回らなければいけないという決まりはありません。
三が日中にというルールすらないんです。
我が家でよくある参拝スケジュールは、元旦に1つ目・三が日に2つ目・3つ目は1月中に行ければ…くらいの感じです。
お参りの仕方も特別なものは何もありません。
このように、三社参りといっても非常にゆるい風習なんです。
★三ヶ所に順番はあるの?
行く順番にも決まりはありません。
ただ、まずは近くの神様に挨拶をして、それから遠くへ行くのが複数お参りとして望ましいという説を聞いたことがあります。
なので元旦には近場の神社に行くことが多いですね。
★お賽銭・おみくじはどうする?
お賽銭は三ヶ所それぞれにあげますね。
金額は5円が多いですがなければ手持ちの小銭で済ませます。
おみくじは気分によって引いたり引かなかったりです。
別神社なので何回引いても悪くはないと思っています。
三社参りの有名スポット
福岡でよくお参りされる場所を紹介します。
気分的には3つの内1つはこんな有名所を入れたいですね。
★太宰府天満宮
学問の神様である菅原道真公を祭神として祀っていることで有名。受験生もたくさんお参りに訪れます。
毎年、大晦日のうちから本当に大勢の参拝客が集まる場所なんですよ。
私も大晦日から並んで参拝したことがありますが、時間もかかり人も多いし…かなり疲れました(笑)。
★宮地嶽神社
もともと有名な神社だったのですが嵐の5人が出演しているCMでさらに知名度アップ。
JALのCMでこの神社から見える景色「光の道」が使われたので観光客がどっと増えました。
開運や商売繁盛を祈願する人が多いです。
★筥崎宮
毎年9月にある「放生会(ほうじょうや)」という行事が特に有名です。
とても大きな神社なので三社参りで足を運ぶ人も大勢います。
蒙古襲来のとき神風で勝利をもたらしたという話から、必勝祈願でのお参りが多いです。
地元のスポーツチームもシーズン前に参拝するんですよ。
★宗像大社
祀られている天照大神の三柱の御子神は、日本書紀で「道主貴(みちぬしのむち)」と書かれています。
道を司る神様だということから、交通安全祈願にはもってこいの神社です。
新車を買うと宗像大社にお参りをして、必ずお守りを付けるという人も多いです。
★警固神社
福岡の繁華街の1つである天神にある神社です。
デパートがたくさんある天神の初売りを楽しむ人たちが、その道すがら気軽にお参りに立ち寄れるスポットです。
なんと、無料で利用できる小さな足湯もあるんですよ。
まとめ
三社参りはたぶん他県の人が想像するよりゆるい習慣です。
しかし、いろいろな神社を回って雰囲気やその地域の食べ物などを楽しむのもいいものです。
それを三ヶ所味わえると思えば悪くありません。
別にノルマがあるわけじゃないですからね。
三社参りの日帰りバスツアーを企画する旅行会社もあるので、もしお正月に福岡にいるようなら参加してみてはいかがでしょうか。