読み聞かせが子どもの豊かな情操を育むのに効果的であることは、よく知られていますよね。
自分が子どもの頃に読み聞かせしてもらった記憶があるという人も多いのではないでしょうか。
でも、自分が読み聞かせをする側になったら、どんな本を読み聞かせしてあげればいいのか、ちょっと迷いませんか?
読み聞かせの効果や、いつから、どんな本を選べばいいかなど、ご紹介します。
教養だけじゃない読み聞かせの効果とは
読み聞かせは単なる学習効果以外にも、赤ちゃんにとてもいい影響を与えてくれます。
■言語能力や学習能力を高める
お母さんが本を読んであげることによって、赤ちゃんはどんどん言葉を覚えていきます。
新しいことを知る楽しさを覚えて好奇心も育っていくので、学習能力も高まります。
■想像力が育つ
絵本の登場人物や風景など、読み聞かせてあげるものを頭に思い描くので想像力が育ちます。
■最高の愛情確認ツール
絵本の読み聞かせを、お勉強のようなものとしてとらえている方もいるかもしれませんね。。
でも、子どもをお膝に抱いて、あるいはぴったりと横に寝そべって絵本を読んで聞かせるという行為は、何よりもまず親子の愛情確認のためのツールとなります。
そして、同じ内容を誰かと共有し共感するという、コミュニケーションの根本ともなるべき力を身に着けることができるのです。
いつから読めばいいの?
まだ言葉も分からない赤ちゃんに、絵本を読んでも意味がないのでは?と思う人もいるかと思います。
でも、赤ちゃんはお腹の中にいる頃からお母さんの言葉を聞いて、少しずつ言葉を学習し獲得していきます。
読み聞かせは、子どもに語り掛ける機会を増やす最高のツールでもあります。
新生児の頃からでも、読み聞かせをスタートするのに早すぎるということは全くありません。
はじめは最後まで集中して聞くことができなかった子も、回数を重ねて年齢が上がるのに応じて、どんどん集中できるようになります。
どんな本を選べばいいの? 視覚編
新生児期の赤ちゃんの視力は0.01~0.02ほどで、認識できる色は白・黒・グレーのみ。まだまだ焦点を定める能力も未発達なのでほとんど見えていません。
それが生後3~4カ月になると焦点を定めることができるようになり、赤・青・黄などのはっきりとした色を認識できるようになります。
赤ちゃんのおもちゃに原色のものが多いのは、赤ちゃんがきちんと認識できる色を使用しているからなんですね。
絵本も同じで、はっきりとした綺麗な色で描かれた絵本には、赤ちゃんも興味を示すことが多いようです。
カラフルな色使いの絵本を選んでみましょう。
どんな本を選べばいいの? 聴覚編
繰り返しが多い文章は子供が大好きな要素です。
聞いていてリズム感を生むのでとても楽しく感じられるんですね。
また、繰り返しによって、子供自身が先の展開を予想します。
さっきの場面と同じかな…?
予想通りの展開に安心感を得たり、予想を裏切る展開に面白みを感じたりすることができるので、想像力を大きく育むことができるといわれています。
実は読む側にも効果あり?
読み聞かせの効果は、子どもの側にしかないと思っている人はいませんか?
実は、読み手の側にも大きな効果を与えてくれるといわれています。
わくわくドキドキ集中している子どもの顔は、読み手にとって最高のごほうびですが、それだけではありません。
音読をするという行為に加えて、子どもに伝わりやすいように感情を交えたり声色を変えたりすることで、読み手の脳の前頭前野が活発に働きます。
前頭前野は脳の司令塔とも呼ばれており、思考や想像力、感情をコントロールする働きを持っています。
疲れているからと面倒くさがらずに読み聞かせをしていると、読み手にとっても大きな効果があるのですね。
お気に入りの本は何度でも読んでいい?
読み聞かせをするときに悩むことの一つに、同じ絵本ばかり何度もせがまれる、ということがあります。
なんとなく、新しい本を次々と読んであげたほうが学習効率が高いような気がしてしまいますよね。
私も、子どもが毎日「これ読んで!」と持ってくる絵本がいつも同じで、正直「またか…」とげんなりしたこともありました。
しかし、一度読んだ本を繰り返し読むとき、二度目、三度目には子供の反応がより大きくなるといわれています。
既に内容を知っているわけですから、余裕を持って想像力をめぐらしたり、新たな発見をしたり、思ったことを口に出して語り合ったりと、より本と深く向き合うことができるのです。
また、単純に「お母さんが何度でも求めに応じてくれる」ということこそが、子どもの情緒を安定させます。
同じ本を何度も読むことはとてもいいことなんですね。
げんなりしている場合ではありませんでした。
もちろん、新しい本を読んであげることも、赤ちゃんにとって大きな刺激になります。
何冊も本を買うのはちょっと…という人は、図書館などで借りるのもおすすめですよ。
お気に入りの本はあらためて購入してあげてもいいですしね。
効果的な読み聞かせのやり方
メリットだらけの読み聞かせ。
どうせならより効果的な読み聞かせをしてあげたいですよね。
注意点をまとめてみました。
1 子どもが見やすい角度に絵本を持つ
とても基本的なことですが、絵本を読み聞かせているうちに、無意識に読み手が見やすいように絵本を持っていることがあります。
絵本は、絵が重要な役割を果たすので、必ず子どもが見やすいように持ってあげましょう。
2 必要以上にオーバーな表現は避ける
子どもに喜んでもらおうと、必要以上にオーバーな身振り手振りで読み聞かせをする必要はありません。
かえって子どもの想像力を邪魔することになってしまったり、そちらに意識が向いて本への集中力が途切れたりすることがあります。
子どもって意外と冷静です。
自分の子どもの頃を思い出しても、大人がノリノリになると逆に冷めてしまうこと、ありましたよね。
リズムや声色を工夫することは大切ですが、やりすぎないように注意しましょう。
3 書かれてある通りに読む
子どもは文字を覚える前に、まず耳から言葉を覚えます。
文字も読めないのに、絵本の文章を一言一句間違えずに思えていることも多いですよね。
そこで読み手が読み間違えたり、勝手にアドリブを入れたりすると、怒る子どもはたくさんいるようです。
また、リズムを大切に書かれている本も多いので、それを大切にしましょう。
4 説明や質問をしすぎない
子どもがきちんと理解できたか確認したくて、必要以上に説明を入れたり、質問したり、読後すぐに感想を聞いたりすることも、基本的にはNGです。
間違っていたとしても、子どもなりに自分の力で想像したり、余韻を楽しんだりすることはとても大切なこと。
子どもからの質問に答えたり、一呼吸おいて感想を言い合うことは、コミュニケーションにもなるので大いにおすすめしますが、まずは子どもが自分で考える時間を与えてあげるようにしましょう。
まとめ
毎日の生活が忙しかったり面倒に感じたりして、あまり読み聞かせをしていなかったお母さんもいるかと思います。
読み聞かせを始めるのに、早いも遅いもありません! 子どもとスキンシップを取りながら、一緒に読み聞かせを楽しんでみませんか?