赤ちゃんが指をしゃぶる仕草は微笑ましいですが、いつまで続けさせていいのか迷いますよね?
歯並びが悪くなりはしないか。
愛情不足のサイン?
外で指しゃぶりを見られると恥ずかしいかも。
いつまでも指しゃぶりをやめてくれないと不安になります。
積極的にやめさせるべきなのかどうか…。
ここでは赤ちゃんが指しゃぶりする理由、やめさせるべき時期と方法について解説します。
うちの子が指しゃぶりをピタッとやめた方法も紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
赤ちゃんの指しゃぶりは止める必要なし
まず知っておいてほしいのは、赤ちゃんが指をしゃぶるのは至極当然の行動だということです。
赤ちゃんにはお腹の中にいる頃から指しゃぶりをする子もいるんですよ。
私も上の子の妊娠中に、エコー検査で指しゃぶりをしている姿を見せてもらいました。
お医者さんが言うには、
「赤ちゃんは中でおっぱいを飲む練習をしているんだよ」
「本能的にしている子がほとんどで、赤ちゃんの指しゃぶりを早々にやめさせる必要はない」
「むしろ指しゃぶりをすることで手先が器用になる」
と定期健診の際に教えてくれました。
なので、過剰に指しゃぶりを心配しすぎずに見守ってあげてくださいね。
赤ちゃんが指しゃぶりをする理由
多くの赤ちゃんは指しゃぶりを生後2か月頃から始めます。
もちろん意味なくしゃぶっているわけではなくちゃんと理由があります。
★本能
赤ちゃんは産まれてすぐ誰にも教わることなくおっぱいや哺乳瓶に吸い付きますよね?
これは生まれ持った本能で吸啜反射と呼ばれています。
吸わなきゃ栄養不足で死んでしまいますからね。
この吸啜反射によって身近な指にも吸い付いてしまうのです。
★歯が痒い
歯が生え始める6か月頃になると歯茎にかゆみを感じます。
かゆみのもどかしさで思わず指をしゃぶってしまいます。
指しゃぶり以外にもおもちゃを口に入れることもありますね。
★確認・遊び
赤ちゃんってなんでも口に入れたがりますよね。
これは、目で見たものを口の感触で確認して学習しているんです。
また、単に手を口に入れて遊んでいるだけという場合もあります。
見つけたばかりの自分の手に興味津々。
まだ狭い赤ちゃんの世界の中で、指という貴重なオモチャで遊んでいるわけです。
成長に必要不可欠な行動なので止めるようなことではありません。
★入眠
眠たいとき指しゃぶりとすることで落ち着いて睡眠に入れるクセがついているのかもしれません。
スポーツ選手がやるルーティーンのようなものですね。
うちの子も眠たいときと寝起きには必ず指しゃぶりをしていました。
指しゃぶりを急に始める理由
生後まもなく指をしゃぶるのは自然で受け入れやすいですが、今まで全くしなかった子が急に始めるとママも焦ってしまいます。
これは本能や学習とは違う理由かもしれません。
いきなり指しゃぶりを始める原因は以下のようなものが考えられます。
★甘えたい
子供は寂しさを感じる時に指をしゃぶります。
ママの手が少し離れ始めた。
子供の前で両親だけで話している。
下の子が生まれてそっちに手がかかっている。
よその子が母親に甘えているのを目にした。
そんな時に、かまって欲しい・甘えたい・自分を認めて欲しい、という気持ちの表れが指しゃぶりになって出てきます。
十分なスキンシップを取ってあげることで自然に消えていきます。
★不安を抑える
指しゃぶりはおっぱいを吸っていた名残なので、自然と心が落ち着きます。
つまり不安やストレスを感じる時に出やすいとも言えるのです。
一人でいる時。
眠気や空腹を感じた時。
保育園に入園する前。
「保育園は楽しいよ~」
指しゃぶりそのものを止めずに不安を取り除くようにしましょう。
★友だちの真似をしている
保育園や子育て支援センターで他の親子と交流を持ち始めると、子供の指しゃぶりは自然と減ってきます。
その反面、今までしなかった子が他人の指しゃぶりを見て始めてしまう可能性もあります。
「おお、こんなのもあるのか」と発見しちゃったんですね。
良く言えばこれも学びの一つです。
あまり目くじらを立てずに、いつまでも続くようなら対策を考えましょう。
指しゃぶりはいつまでにやめさせるべき?
いくら赤ちゃんの指しゃぶりが問題ないと言っても、いつまでもやめられないのは困りますよね。
とくに心配なのは歯並びが悪くなるかもしれないこと。
まだ歯が生えかけの時期にはさほど影響ありません。
しかし、ある程度歯が生え揃ってからも指しゃぶりが続くと、出っ歯になる・かみ合わせが悪くなるなど悪影響の可能性が高くなります。
では具体的にどのタイミングでやめさせるのを意識するべきなのでしょう?
日本小児歯科学会では次のように指導しています。
全体として指しゃぶりについては3歳頃までは、特に禁止する必要がないものであることを保護者に話すようにすることが大切です。
(中略)
4歳以降も頻繁な指しゃぶりが続く場合は小児科医、小児歯科医および臨床心理士の連携による積極的対応が必要です。
幼稚園の年少さんくらいでそろそろ気をつけ始めるくらいでいいようです。
このくらいになればママが話すことが理解できるようになるという理由も大きいですね。
3~4歳で指しゃぶりがおさまるのが理想。
4歳以降も続くようなら医師に相談したほうがいいでしょう。
実体験:歯並びが悪くなった子供時代
実は私自身が小学生の低学年まで指しゃぶりがやめられない子供でした。
6~7歳までしていたので上の指導ラインだと完全にアウトですね。
で、指しゃぶりが原因かはわかりませんが前歯が歪んでしまったそうです。
自分では覚えていませんが、母に言わせると結構曲がっていたとか。
幸い永久歯には影響ありませんでしたが、今も歯が歪んでいたかもと思うとゾッとします。
自分の経験があったので、2歳まで指しゃぶりが続く娘を見て早めに歯医者さんや小児科に相談しました。
そこでも「2歳なら焦らなくてもいいけど3歳になったらやめたほうがいい」と言われました。
絶対禁止ではなく一つの目安として、という口ぶりでしたが。
やはり歯が生え揃う3歳、というのが指しゃぶりをやめさせる時期のラインになりそうです。
娘が指しゃぶりをやめたキッカケ
我が家には二人の子供(2歳と4ヶ月)がいます。
上の娘のときは1歳半ごろから指しゃぶりをやめさせたいなと悩んでいました。
今考えると気にしすぎとは思いますが、自分の経験があったので心配だったんですね。
うちの子が指しゃぶりをしていたのは主に眠いときです。
眠る前はもちろん、眠っている間も指に歯型がつくほど吸い続けていました。
さらに下の子が生まれてからは赤ちゃん返りもあってか、緊張・不安・何でもないときまで指しゃぶりをするようになりました。
さすがにマズイと思って、指しゃぶりの手を握ったり「やめようね」とやんわり注意しましたが、完全に逆効果でした。
指摘すると怒って、あてつけるようによけい指しゃぶりをしてしまうのです。
かと言って、苦いマニキュアを塗ったり防止サポーターを付けるのにも抵抗がありました。
しかたなく指摘はやめて、しばらく放っておくことにしました。
★祖母の一言
2歳2か月のある日、娘が歯型のついた指をみて「痛いよ~!」と泣き出しました。
すると私の母が「どうしよう!指がちぎれそうだよ!」と大げさに騒ぎました。
母としては深い意味はなかったはずですが娘は大ショック。
真っ青な顔をしてさらに泣き出しました。
よほど怖かったのか、これ以降まったく指しゃぶりをしなくなりました。
徐々に頻度が減っていくものだと思っていたのでピタリとおさまったのには驚きました。
この止め方が育児として正しいのかは自信がありません。
ですが、子供が指の痛みで泣いてしまった時にうまくやめる方向へ誘導する…。
その一例として参考にしてもらえれば、と思います。
無理やり止める方法は避けるべき
- 苦い薬やからしを指に塗る
- サポーター・絆創膏で違和感をおぼえさせる
- 防止手袋をつける
指しゃぶりを物理的にストップさせる方法もありますが、これは考えものです。
赤ちゃんだって理由なく指しゃぶりしているのではありません。
強引に止めるのはかわいそうです。
大人だって鼻がかゆい時に手を抑えられたら辛いですよね?
指しゃぶり防止グッズは、4歳すぎても続いている時に使用を考えるくらいでちょうどいいと思います。
- 寝る時に手を握ってあげる
- 「親指さんかわいそう」と優しく言い聞かせる
- 夢中になれるオモチャを見つける
- 親が指しゃぶりの真似をする
- 「ママにも指しゃぶらせて」とせがむ
- 絵本を読み聞かせる
子供によって指しゃぶりをやめるキッカケはそれぞれです。
大切なのは、矯正させるのではなく自分の意思でしなくなってもらうこと。
「指しゃぶりやだなー」「恥ずかしいのかな」と思えば自然とおさまってきます。
ちなみに指しゃぶり防止で有名な絵本は「ゆびたこ」という作品です。
ちょっとホラーチックな内容でこの本で指しゃぶりをやめた子も多いみたい。
恐怖心をあおるという点では、うちの娘がやめた理由とも通じるものがありますね。
赤ちゃんに聞かせるのはかわいそうですが、幼稚園児なら読んであげてもいいんじゃないでしょうか。
まとめ
- 3歳までは指しゃぶりを気にする必要なし
- 4歳すぎても続くなら医師に相談
- 赤ちゃんの指しゃぶりは本能と反射
- 急な指しゃぶりは寂しさや不安からかも
- 防止グッズは最終手段
- ママの言葉が理解できれば自然にとまる
うちの子の場合は早めに指しゃぶりをやめてくれましたが、これは心配しすぎだったようです。
3歳を目安にちょっとずつやめる方向に意識を向けるくらいで十分です。
4歳をすぎても続くなら、クセづけないためにも医師と相談して対策を考えましょう。
すぐ悪影響が出るとは限りませんが、さすがに私のように小学生まで指しゃぶりが続くと歯並びが心配です。