そろそろ暖かくなってきてもうストーブは使わずに済みそう。
だけど、灯油が使い切れずに残ってしまった…。
こんな時につい灯油をトイレに流したくなります。
けれど、絶対やっちゃダメですよ。
シャレにならないレベルの重大な罰則を受けるかもしれません。
今回は、
- 灯油をトイレに流すのがだめな理由
- 受けるかもしれない罰則
- もし流してしまった時の対策
- 灯油の処分方法
について解説します。
灯油をトイレに流すとどうなる?
少量であろうと、灯油をトイレに流してはいけません。
もちろんトイレ以外の排水溝に流すのもダメ。
灯油を下水に流すと様々な問題が起こります。
罰則も想像以上に大きいですよ。
下水道法違反に
ヌルヌル油が付着すれば当然下水管は詰まりやすくなります。
管を通って灯油のきつい臭いも自宅周りに広がります。
また、狭い管の中に灯油が充満すると着火・爆発の恐れもあります。
つまりトイレに灯油を流すのは、近所に灯油を撒いているのと同じこと。
非常に危険で迷惑です。
また、下水処理施設では微生物を使って汚水処理しているところがあります。
灯油が入り込めば微生物が死んで処理能力が落ちることになります。
最悪、地域の下水システムの破壊につながるわけです。
もし下水道の破損や処理施設の損傷が起きれば、その莫大な修繕費用は自分に降り掛かってきます。
これは下水道法という法律で定められています。
公共下水道管理者は、公共下水道の施設を損傷した行為により必要を生じた公共下水道の施設に関する工事に要する費用については、その必要を生じた限度において、その行為をした者にその全部又は一部を負担させることができる。
河川法にも違反
地域によっては下水をそのまま川に流している場所もあります。
大さじ一杯の油を魚が棲める液体にするには5000Lもの水で薄めなければいけないといわれています。
灯油が流れ込めば、川の生態系へ与える影響はとても大きいです。
さらに、大きな河川はその地域の生活用水・農業用水として利用されていることが多いです。
そうなれば被害はさらに広がります。
河川に流出した油を回収するのは非常に大変です。
タンカーから油が漏れて大騒ぎしているニュースを見ると、処理の苦労は想像がつきますよね。
タンカーなら保険が降りるでしょうが、私たちがトイレに流したら処理費用はすべて自己負担です。
これは河川法によって定められています。
河川管理者は、他の工事又は他の行為により必要を生じた河川工事又は河川の維持に要する費用については、その必要を生じた限度において、当該他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させるものとする。
廃掃法違反
トイレに灯油を流すのは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に違反します。
主に違法な産廃業者を取り締まる法律ですが、一般人でも罪になります。
第十六条 何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。
第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
第二十五条 十四 第十六条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者
五年以下の懲役・一千万円以下の罰金ってめちゃくちゃ重い罪ですよね。
業務上過失致死罪や収賄罪と同レベルです。
言い換えれば、灯油の流出はこれだけ法律で固く禁じるほど影響が大きいということです。
もし灯油を流してしまったらどうする?
もし灯油を下水に流してしまったら、最寄りの消防署か市役所に通報しましょう。
言いづらいけど爆発するよりはるかにマシです。
通報が早いほど被害の広がりは少なくすみます。
このとき、流した灯油の量をしっかり伝えること。
少量であれば水で流す処理だけで済むと思います。
余った灯油はどうすればいい?
灯油は使い切ってしまうのがベストです。
自分で処理するのは難しいのでストーブで消費してしまうのが一番簡単です。
もし使い切れないほどたくさん残ったならガソリンスタンドで処分してもらいましょう。
もったいないからと次の冬まで保管しておくのはNGです。
灯油は劣化しやすく古い灯油使用は事故につながりやすいです。
劣化した灯油の危険についてはこちらを参照ください。
少量の灯油は?
コップ一杯ほどの灯油だと、ストーブで消化しきれないことがあります。
少量の灯油は、新聞紙に染み込ませて燃やすゴミとして処分しましょう。
ただし、自治体によっては燃えるゴミに出せないところもあります。
必ず事前に問い合わせてから処分してくださいね。
灯油の貯蔵・取扱い方法について
【残った灯油の処分方法】
少量の場合は新聞紙等に染み込ませ燃えるゴミの日に出しましょう。大量の場合は、無料で引き取りを行っているガソリンスタンドがありますので最寄りのガソリンスタンド、若しくは稲城消防署へお問い合わせください。 稲城消防署予防課— 東京都稲城市(公式) (@inagi_city) 2016年12月30日
まとめ
- 灯油をトイレに流すのは犯罪
- 下水道法・河川法・廃掃法に違反する
- 火事や悪臭のリスク、賠償責任が生じることも
- 灯油の処分は使い切るのが一番ラク
- 少量なら新聞紙で可燃ごみに
灯油の違法廃棄は思った以上に厳しく禁じられていますよね。
もちろんこれは非常識な大量廃棄の場合で、うっかり少量を流したくらいで逮捕されることはありません。
とは言え、安易に流せば大きなペナルティを受ける羽目になりかねないのも事実です。
絶対にやらないように気をつけてください。