年末年始に喪中の人に会うと挨拶の仕方にも気を使いますよね。
この時期に付きものの「良いお年を」や「あけましておめでとう」は使わないほうがいいのでしょうか?
かと言って、いつもと同じ挨拶だけというのも不自然だし…。
そこで今回は、喪中の方への年末年始の挨拶について解説します。
喪中のNGワードや代わりに使えるOK挨拶など。
とっさのときに言葉に詰まらないように参考にしてくださいね。
「良いお年を」はOK
その年の最後には「良いお年を」と挨拶をしますよね。
これは使ってもOKな挨拶です。
確かに、喪中で悲しんでいる人にかけるには少し悩む言葉かもしれません。
その理由は、「良いお年」が新年をお祝いしているような印象を抱くからではないでしょうか?
しかし本来、「良いお年を」の後には「お迎えください」という言葉が続きます。
意味は「ご無事で年を越してくださいね」になります。
新年ではなく年内の無事を祈る言葉なんです。
昔は年の瀬になると、大掃除・仕事の残り・家計の精算などやらなければならない事が山積みでした。
そんな大仕事をトラブル無く終えて無事に新年を迎えましょう、という気持ちが「良いお年を」には込められています。
喪中に慎むようなお祝いの意味は含まれていないのです。
「良いお年を」の言い換え挨拶は?
とはいえ「良いお年」を「来年はいい年にしよう」と間違えてとらえる人も少なくありません。
今年の不幸が際立ってしまう、と気にするかもしれませんね。
その場合は
「今年もお世話になりました。来年もよろしくお願いします」
という挨拶だけにしておいてはいかがでしょうか。
これならお祝い要素を感じさせるものはありません。
「あけましておめでとう」はNG
「あけましておめでとう」は喪中の相手に言うべきではありません。
完全なお祝いの言葉ですからね。
新年のムードに流されてうっかり口にしそうですが、気を付けたいものです。
「あけましておめでとう」の言い換え挨拶
新年の挨拶としては
「昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いします」
がいちばんすっきりと口にできます。
年末の言い換えとあまり変わりませんが、お祝いフレーズを含まない喪中の方への挨拶には最適です。
年末年始の挨拶・NGとOKのまとめ
★NGな挨拶
- あけましておめでとう
- お祝い申し上げます
- お慶び申し上げます
★OKな挨拶
- お世話になりました
- 感謝しています
- 再会を楽しみにしています
- よろしくお願いします
メールや年賀状ならともかく、口頭で「お祝い申し上げます」なんて言う人はまずいないですよね。
実質、おめでとう以外の挨拶で喪中NGはないと考えていいでしょう。
これまでの感謝やこれからの良い関係のお願いなどは問題なく言うことができます。
仕事上の挨拶はおめでとうもアリ
ビジネス上のお付き合いでは喪中も関係なく挨拶します。
自分が喪中、取引先の相手が喪中でも「あけましておめでとう」は普通に使います。
なぜなら、お互いはそれぞれ会社の代表者として挨拶をしているから。
喪中なのは個人的な事情なので、この場合は公私を分けて考えます。
では、相手企業の社長が亡くなった場合はどうか?
このケースでもおめでとうは普通に使えます。
基本的に会社そのものが喪中になることはありません。
社長の家族は喪に服しますが、社員まで影響は受けないからです。
家族経営の会社は例外
例外があるとすれば、取引先が家族経営の小さな会社の場合です。
たとえば、大黒柱である社長のお父さんが亡くなったら会社全体で喪に服すことがないとはいえません。
会社として喪中はがきを出すこともあります。
いくら会社に喪中はないとはいえ、このケースでおめでとうを言うのは控えたほうがいいです。
空気を読んでケース・バイ・ケースに対応しましょう。
ビジネスとはいえ、同じ会社で顔なじみの上司・部下・同僚が喪中ならおめでとうを控えます。
この場合は会社同士ではなく個人の付き合いという意味合いが大きいからです。
喪中側だけ挨拶を控えるべき?
喪中の人からお祝いの言葉を使うべきではない。でも、こちらからおめでとうを言うのはいいんだ。
という考えがあります。
たしかに喪中の本質からすると、周りの人からのおめでとうを禁止する必然性はありません。
なので、喪中を知らずにうっかり挨拶したり年賀状を出してしまっても気に病まなくて大丈夫です。
しかし、喪中を知っているならやはりおめでとうは控えるべきです。
悲しみに暮れているところにおめでとうを言われてもいい気はしません。
そもそも、自分がお祝いを口にできないのにおめでとうと言われても返事に困りますよね。
厳密な喪中のルールより、相手を悪い気にさせない・困らせない思いやりの方を大切にしたいものです。
喪中で「おめでとう」と言われたらどう返事する?
反対に自分が喪中でおめでとうを言われても気にしてはいけません。
誰もが事情を知っているわけではないですからね。
知らない人は悪気なく新年の挨拶をしてきます。
でもそこで「すみません、私は喪中なので…」と返すのは空気を悪くするようでおすすめできません。
この場合は
「昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願いします」
「〇〇さん、こんにちは。今年もよろしくお願いします」
とさりげなくおめでとう抜きの挨拶を返しましょう。
まとめ
- おめでとうはダメ
- ありがとう・よろしくはOK
- ビジネスでは個人の喪中は無関係
- 喪中の人におめでとうを控えるのは思いやり
「良いお年を」は使っても大丈夫ですが「明けましておめでとう」はやめておきましょう。
代わりに、「今年はお世話になりました。来年もよろしくお願いします」と挨拶しておけば失礼はありません。