紅白歌合戦が終わるとテレビから除夜の鐘の音が聞こえてきます。
耳を澄ますと近所のお寺でもいつの間にか鐘をつき始めているようです。
しかしあの鐘は何時から鳴らしているんでしょうか?
よく108回つくって聞くけど間に合うのかな?
そもそも108回なのはどうして?
除夕の鐘もあるらしいけどどんなもの?
今回は除夜の鐘の疑問について解説します。
そもそも除夜の鐘って何?
大晦日のことを別名「除日(じょじつ)」と言います。
除日の夜につく鐘だから除夜の鐘です。
旧年を取り除いて心を穏やかにして新年を迎えるための行事です。
お寺のお坊さんが大晦日の夜のうちに107回ついて108回目を新年に入ってからつくのが本式です。
ですが「鐘をつきたい」という一般の人からの希望を叶えるため、お坊さんではなく希望者が参加できるお寺もあります。
もちろん一般客がつく場合はきれいに年をまたいで108回をこなすのは難しいです。
回数も希望者に行き渡るように108を超えることもあります。
どうして108回なの?
鐘をつく回数が108なのには様々な説があります。
代表的なものをご紹介しますね。
- 煩悩は36種類あり前世・今世・来世ぶんを合計した数が108だから
- 一年を表す月の数(12)、二十四節気(24)、七十二侯(72)を足すと108だから
- 『四苦八苦』という言葉から4×9=36と8×9=72。これを合計すると108だから
いちばん有名なのは煩悩の話ではないでしょうか。
煩悩とは欲や怒り、執着など良くない心のこと。
仏教においては悟りを開くのに邪魔になる存在でもあります。
鐘をつくごとに煩悩が1つずつ消えていくと言われています。
たしかに厳かな鐘の音を耳にすると心が落ち着くのが実感できますね。
除夕の鐘って何?
ところが最近では「除夜の鐘がうるさくて眠れない」という苦情が近隣住民からあり、鐘をつくのを中止している寺院もあるんです。
昔からの伝統なのだから大事にしたいと私は思うのですが、近距離で鳴らされると厳しいのかもしれませんね。
苦肉の策として鐘をつく時刻を大晦日の午後にしたお寺もあります。
名称も除夕の鐘に変更して実施しているとか。
明るい時間だと風情はなくなりますが、小さな子が参加しやすいというメリットもありますね。
除夜の鐘は何時からつき始めるの?
さて、お寺にあるあの大きな鐘を108回もつくにはそれなりに時間がかかります。
聞いていてもゴンゴン素早くついていることはありませんよね?
さらに参拝客につかせてくれるお寺になると、鐘つきに慣れていない人達が並ぶのでさらに時間が必要になります。
いったい何時ごろから鐘をつき始めるのでしょうか?
- 浄恩寺(北海道):23:30から
- 浅草寺(東京都):23:30から
- 築地本願寺(東京都):22:00から(『除夜会』というイベントを開催)
- 知恩院(京都府):23:40から
- 東大寺(奈良県):0:00から
- 南蔵院(福岡県):23:50から
じつは除夜の鐘の始まる時間は意外に遅めです。
午後11時前後に始まるところが多いですね。
11時半とか40分は紅白終わりを意識しているのでしょうか?
中には年が明ける10分前や12時ジャストにつき始めるお寺も。
これだと除夜じゃなくて新年の鐘という気もしますが「何時までの間に鳴らし終えなくてはいけない」という厳密なルールはないそうです。
一般客にも鐘をつかせてくれるお寺も
鐘をつくのはお坊さんたちだけではありません。
先にもちらっと書きましたが、私たちのような一般人にも鐘をつかせてくれるお寺は結構あります。
例えば上で紹介した奈良県の東大寺は、巨大な鐘を8人が1組になって1回ずつつかせてくれます。
その場で8人を組んでくれるので1人で行ってもOK。
但し、22時半ごろから配られる記念の印刷物が整理券代わりになりますので、これをもらわないといけません。
鐘をつくには事前の整理券が必要なお寺が多いです。
参拝客が少なめのお寺なら飛び込みでも鐘つき可能なこともあります。
寺院によって違いますので、直接問い合わせて確認するのがいちばんいいでしょう。
まとめ
例えテレビ越しでも、除夜の鐘をきくと「今年もいよいよ終わるな」と感じますよね。
それと同時に新しい年も頑張ろうと思えるものです。
1年の締めくくりに鐘の音で一区切り。
うるさいなんて言わずに心穏やかに味わってみてはいかがでしょう?