おみくじをどこまで信じるかは、人によってかなり温度差があります。
あの神社のおみくじは当たる。
と絶対の信頼を寄せる人もいれば
おみくじなんて迷信だ。
と全くあてにしない人もいます。
かくいう私はその中間くらい。
おみくじに全てをゆだねるほどじゃありませんが、そこそこ参考にしています。
今回はおみくじをどこまで信じるかについてお話します。
おみくじで悪い結果が出たときの私なりのポジティブな思考法もあわせて紹介。
凶を引いちゃったときに参考にしてくださいね。
昔は政治の重要事項をおみくじで決めていた
おみくじは漢字で書くと御神籤になります。
神様のくじ(籤)に御という敬称をつけた形ですね。
もともとは名前の通り、神様のお告げを受けるためのものでした。
なので昔は、とても重要な決め事をするときにおみくじが使われていました。
重要な政治の決定事項を決めるとき。
統治者の後継者を決めるとき。
戦国武将が戦略を決定するとき、など。
たとえば、後嵯峨天皇は鶴岡八幡宮のおみくじで選ばれました。
将軍だと室町幕府の足利義持も石清水八幡宮のおみくじで選出されています。
明智光秀には謀反を起こす前におみくじを引いて決意したという逸話が残っています(凶が出ちゃって3回も引き直したそうですが)。
現代だとシンクタンクやスーパーコンピューターのAIが決めるような国家の一大事をおみくじに頼っていたんですね。
ものすごい信じっぷりです。
さすがに今の私たちがここまでおみくじを盲信するのはヤバいです。
人生を左右するような重要事項(結婚・入学・就職・妊娠)はやはり自分の意思で決めるべきでしょう。
おみくじ悪いから結婚や~めた、というのは行き過ぎです。
しかし、おみくじは長い歴史で洗練されつつ残った日本の文化の一つ。
結婚がうまくいくためのヒントとして活用するなら、うさんくさい占いよりよっぽど信じられると思います。
おみくじは運試しではない
正直、おみくじを信じる信じないは個人の自由です。
まったく信じない人はそもそも引かないでしょうし、引く人は少なからず縁起を担いでいると思います。
しかし、信じている人でもおみくじを正確に読んでいる人はごく少数です。
ほとんどは「今年はどんな1年になるかな」と運試しのような気持ちでおみくじを引いているのではないでしょうか?
凶なら残念、大吉ならやったね、みたいに。
それでも悪くはありませんが、おみくじで大事なのは運勢よりも中身の方です。
おみくじに書かれているのは、未来をより良くするための神様からのアドバイス。
吉凶を見て一喜一憂するだけではもったいないですよ。
おみくじを当たった外れたと評価するのも違和感があります。
未来を当てることより、助言によって生活が好転したかどうかのほうが重要ですよね。
★おみくじの読み方についてはこちら
正しいおみくじの引き方
せっかくおみくじを信じるなら、引き方も正式にして精度を高めましょう。
思いを込めて引くほうがありがたみも増しますよ。
★おみくじの引き方
- おみくじより先に参拝を済ませる。
- 引く前に占いたいこと・願い事を決める。
- 心穏やかに、決めた事柄を祈りながら筒を振る。
- 出た番号を巫女に告げておみくじを受け取る。
※直接箱から紙を引くタイプは祈りながらおみくじを引く。
ポイントは神様にうかがうことをあらかじめ決めておくこと。
何も決めずに引くと答えもぼやけてしまいます。
「この恋はどうなるの?」
「来年の受験にお力を!」
明確に祈ってから引いたおみくじは、同じ文面でも全く違って見えるはずです。
おみくじで悪い結果が出たときの考え方
大吉を引いたときにはいい気分で帰れます。
おみくじなんて信じないと言いたくなるのは、悪い結果が出たときでしょう。
インパクトのある凶の文字が目に入ると気持ちも落ち込みます。
しかし、しつこいようですがおみくじは中身重視。
悪い結果も前向きにとらえる考え方を紹介します。
おみくじは道のりを示している
おみくじは神様が示す指針です。
おみくじを引くのを道をたずねるようなものと考えてみてください。
- 〇〇までどのくらい距離ありますか?
- 道は険しいですか?
この質問に対して
- そこそこ距離があるね。
- 道は平坦だけど曲がり角が多くて迷いやすい。
- 〇〇は1本入ったところだから分かりにくいかも。
- 途中に車の往来が激しい通りがあるから注意して。
と詳しく教えてくれているわけです。
この助言を「遠い・近い」「険しい・平坦」「凶・吉」だけで受け取ってしまうのはあまりにもったいないです。
吉凶悔吝
易学に吉凶悔吝(きっきょうかいりん)という用語があります。
運勢のいい状態(吉)でも油断して行動をケチる(吝)と悪い状態に。
悪い状態(凶)でも失敗を後悔して行動に活かせばいい運勢(吉)に変わるという考え方です。
おみくじでも正しく行動すれば凶は吉になると言われています。
どっちつかずの半端な運勢より希望がありますよね。
凶には未来がある
凶という漢字は人の胸にバツ印を書いた様子からできました。
死者の霊に祟られるのを防ぐために、おまじないとしてバツを付けていたのが凶という漢字の成り立ちです。
だから胸という字にも凶が入っているんですね。
う~ん、縁起が悪い。
しかし一方でこんな考え方もあります。
凶という字には蓋がない。
そして中には芽(メ)がある。
まるでこれから発芽する植木鉢のようでその未来は明るい。
素敵なことを言う人もいるものです。
これなら大凶でさえ、大きな芽が出る植木鉢としてポジティブに考えられます。
今の私たちには、見たこともないおまじないより植木鉢のほうが受け入れやすい考えだと思います。
まとめ
- おみくじ盲信はダメだけど生活の指針に活かそう
- おみくじは吉凶より中身が大切
- 先に聞きたいことを決めて引く
- 凶もとらえ方次第、前向きに考えよう
おみくじを信じる人でも、当たった外れたという単純な視点だけで見ると大事な助言を見落とします。
神様がくれるのはあくまでヒントだけ。
その代わり、たとえ凶でもどこかしらに突破口はあるものです。
心穏やかにメッセージを読み解きましょう。