神社には神様、お寺には仏様がそれぞれ祀られています。
そこで疑問に思うのが、神社とお寺の物を一緒に持っていていいのだろうか?ということです。
お土産でいただいたりすれば、お寺と神社のお守りが2つ手元に並ぶことはそんなに珍しくありません。
なんとなく、神仏がけんかをしてご利益が無くなってしまいそうな気がしますよね。
そこで、信仰の対象が宿っている神社とお寺のお守り・御朱印帳についてまとめました。
神仏習合
神様と仏様を一緒に扱ってはいけないんじゃないか…。
こう思うのは「それぞれが別々に守ってくれると思っているから」ではないかと思います。
しかし、日本では昔から『神仏習合』という考え方がありました。
奈良時代から続くこの考えでは、日本の古来から信仰する「神様」と外国から伝わった仏教の「仏様」を結び付けて両方を信仰の対象とします。
2つの宗教がごっちゃになってしまった状態です。
結婚式・お葬式・クリスマスと、異なる宗教の行事に抵抗を感じない日本人のメンタルは大昔からあったんですね。
江戸時代後期や明治に入ると、神社と寺をきっちり分けるべきという「神仏分離」の動きが出てきます。
しかし、仏教が伝来して千年以上続いたごちゃまぜ状態をスパッと切り離せるはずもありません。
現在でもこの神仏習合の考え方は日本人の中に色濃く残っています。
★神道は他の宗教に寛容
そもそも神道は他の宗教にすごく寛容です。
山にも川にも家の柱にも米粒にも、それぞれ神様が宿っているという考えですからね。
他の神様のこともお隣さん感覚に捉えられるわけです。
逆に、神様は唯一という教えでは他宗教を認めるのは難しくなります。(尊重はできますが)
神社とお寺のお守り
誰しも1つくらいはお守りを持ってますよね。
初詣のときに購入したりしたり、受験や安産のお守りを他人からいただくこともあるでしょう。
いくつか手元にあると、神社とお寺のお守りがバッティングしても不思議はありません。
神社とお寺のお守りが一緒でも大丈夫!
「神様と仏様に一緒に守ってもらおうなんてムシがよすぎる?」と考えそうですが心配いりません。
よっぽど厳格な神社や寺院でない限りは、神仏習合の考え方がベースにあるからです。
両方のお守りを一緒に持っていても大丈夫ですよ。
せっかく手に入れたのですから、ありがたく持ち歩きましょう。
★返すときには「元の場所」に
1年を無事に過ごせたときや願い事を叶えてもらったときなど、お守りには返すべきタイミングがあります。
できればお守りを授かった神社やお寺に返納したいところです。
神社でいただいたお守りを別のお寺に返すのはさすがに失礼ですよね。
ですが、例えば旅行中に手に入れた、親戚の方が送ってくれたなど、遠方で直接返すのが場合もあります。
そんなときにはせめて、神社のお守りは神社へお寺のものはお寺へ返しましょう。
社務所に相談すればたいてい引き受けてくれると思います。
御朱印帳の共用はあり?
最近は参拝する時に御朱印を押す人も多くなりました。
スタンプラリー的な要素があって印が集まっていくのが楽しいんですよね。
御朱印はお参りした神社やお寺と縁を結んだ印です。
ですが、1冊に神社とお寺の御朱印が混在するのは大丈夫なのでしょうか?
神社とお寺の印が混在してもOK!
御朱印帳の問題の答えも、神仏習合の考えが一般的なのがベースになります。
ほとんどの神社仏閣で1冊に印を集めていっても問題ありません。
神社用と寺院用という2冊の御朱印帳を準備しなければいけないことはないのです。
ただ、2つに分けたほうがいいという声もあるのは事実です。
神社とお寺の印を別にするとスッキリしますし、無用のトラブルが避けられるのは間違いありません。
ですが2冊持ち歩くのって結構大変ですよね。
それに2冊でスタートすると御朱印の集まりが悪くなるというデメリットもあります。
やっぱり1冊に集中させたいなという気はします。
場所によっては神仏習合NGもあり
それぞれの神社や寺院に考え方があります。
中には厳格に、神様と仏様は別のものとするところも存在します。
特に寺院の場合、宗派によっては「神社の御朱印がある帳面では押せない」と言う立場をとっているところもあります。
御朱印そのものが無いお寺もあります。
そこはその宗派の考え方なので尊重しなくてはいけません。
できれば参拝する神社や寺院について前もって調べておいたほうがいいですね。
失礼にもなりませんしスムーズに事が運びます。
まとめ
- 今は分かれているけど千年くらい神仏習合だった
- 神道は他の宗教に寛容的
- お守りが一緒でもOK
- 御朱印帳の共用もOK
- ただし、神仏習合を認めない例外もある
ベースは神仏習合、場所によっては神仏分離という知識をまずは持っておけばひとまずは安心です。
ルールも大切ですがいちばんは神様や仏様を信じて感謝する気持ちです。
それを持っていれば、きっと寛大な心であなたを守ってくれますよ。