初詣で引いたおみくじが凶だとがっかりしてしまいますよね。
新年早々縁起が悪いなとトホホな気分になります。
しかし実際のところ、どのくらいの割合で凶が出るのでしょう?
そこそこ出るなら気落ちしても仕方ないし、めったに出ないならそれはそれで珍しい経験をしたと前向きに捉えることもできます。
そこで今回はおみくじで凶が出る確率について解説します。
凶を引いた後のおみくじをどうするべきかもあわせて紹介していますよ。
ぜひ参考にしてくださいね。
おみくじの割合はコレ!凶は30%!?
おみくじの中に何をどのくらいいれるかは、設置している神社が自由に決めています。
おみくじそのものの制作は専門業者に任せていますが、その割合については各神社から指定するという感じです。
厳密な決まりがありそうなのに意外ですよね。
ですが、昔はおみくじにも割合の指標がありました。
元祖おみくじの割合
今のおみくじのルーツとなるものを作ったのは天台宗の僧侶・元三大師(がんざんだいし)です。
平安時代に元三大師は、中国の天竺霊籤を元にして観音百籤という占いを作りました(※諸説あり)。
さらに江戸時代になると元三大師が天海大僧正の夢枕に立ち、自分が残した観音百籤の場所を伝えたと言われています。
観音百籤は、番号を振った百本の籤(くじ)棒から一本を引き対応する漢詩を選んで吉凶を占います。
今のおみくじにも和歌や漢詩が記されているので、ほとんど現代に近いやり方だったわけですね。
その観音百籤には吉と凶の割合が明確に決められていたのです。
★観音百籤の割合
- 大吉:16%
- 吉:35%
- 凶:29%
- それ以外:20%
大吉と吉があわせて5割を超えているとはいえ、凶が3割ほどあります。
およそ三回に一回は凶が出る…。
おみくじの元祖はなかなかハードな振り分けですね。
現代おみくじの割合
しかし、元来人間は縁起を担ぎたいもの。
新年早々引いたおみくじが凶だったら文句の一つも言いたくなります。
そんな参拝客のニーズに応えてなのか、時代とともに凶の割合を減らす神社が増えてきました。
最近のおみくじではあまり凶を見ることもなくなりましたね。
中には完全に凶を無くしてしまった神社もあります。
そこを考慮すると、今のおみくじで凶を引く平均確率は1割あるかどうかでしょう。
★大吉確率についてはこちら
凶が出やすい神社もある
しかし、凶がよく出るおみくじを使っている神社もあります。
別に凶を増やしているわけではなく、いまだに観音百籤に基づいて割合を決めているということですね。
私なんかは凶が出にくいマイルドおみくじより、こちらのストロングスタイルのほうがガチ感があって好きなんですが…。
そんな昔ながらのおみくじが引ける寺社を紹介します。
深大寺(東京都)
元三大師を祀っている神社です。
もちろんおみくじの割合は観音百籤のまま。
川崎大師(神奈川県)
CMでおなじみ厄除けで有名な川崎大師も、観音百籤の割合を採用しています。
川越大師喜多院(埼玉県)
川越大師も観音百籤をベースにした元三大師みくじが引ける寺院の一つ。
口コミでも凶を引いた声が多いので、いまだに割合は変えてないと思われます。
浅草寺(東京都)
浅草寺のおみくじも凶が出やすいことで有名です。
ホームページのQ&Aには、元三大師による古来のおみくじそのままを採用していることが書かれています。
凶を引いた人からの問い合わせが多いんでしょうね。
貞昌院(神奈川県)
横浜にある貞昌院では、200年続く由緒正しい天神おみくじを引くことができます。
天神おみくじの凶確率はなんと5割超え。
比叡山延暦寺 元三大師堂(滋賀県)
元三大師の住居跡でもあるいわばおみくじ発祥の地。
ここのおみくじは運試しに気軽に引けるタイプではありません。
- 電話での予約。
- 受付で悩みを詳しく打ち明ける。
- 僧侶と面談してカウンセリング。
- 祈祷の後に僧侶がおみくじを引く。
- 解説を聞く。
という手順を踏む超本格派のおみくじです。
本当に深い悩みがある時に行ってみてはいかがでしょう。
神社より寺のほうが凶が出やすい?
あれ?凶が出やすいのって寺ばかりじゃない?
と気がついたあなたは鋭いです。
おみくじの礎を築いた元三大師は仏教のお坊さんです。
なので観音百籤の割合を受け継いでいるのはほとんどがお寺ばかり。
一方の神社のおみくじは、そのほとんどが山口県にある女子道社で製造されています。
そのシェア率は日本のおみくじの7割と言われ、神社に限って言えば大半で女子道社製が使われていると言って良さそうです。
で、この女子道社のおみくじには凶が入っていないものが多いそうです。
なんでも女子道社にある18種類のおみくじのうち凶入りは2種類しかないとか。
なのでお寺に比べると、神社で凶が出る確率はかなり少なくなりますね。
女子道社についてはこちらを参考にさせていただきました。
元三大師みくじを引いてみよう
大分県にある臨済寺のホームページでは、昔ながらの元三大師みくじを引くことができます。
どのくらい凶が出るのかお試しで体験できますよ。
ここのおみくじの割合は
【大吉16% 吉35% 小吉5% 末吉7% 半吉5% 末小吉3% 凶29%】
で完全に観音百籤と同じになっています。
私が一枚ずつ全部数えたので間違いないです。
大凶の確率は?
おみくじには凶の下にさらによくない大凶がありますよね。
その存在は誰もが知っていますが実際に引いたことがある人はかなり少ないはず。
私ももちろんありませんし周りで大凶を引いたという話を聞いたこともありません。
それもそのはず、大凶を入れているおみくじは全国でもかなり少なく、また割合もめちゃめちゃ低いからです。
以前やっていたテレビ番組では、都内100ヶ所の神社を調べて大凶入りだったのが4軒。
実際にそこのおみくじを引いてみたところ大凶が出たのが1.2%ほどでした。
この数値を元にすると、そこらの神社で適当におみくじを引いて大凶が出る確率は2083回に1回程度。0.048%になります。
そりゃ見たこと無いはずですよね。
ここまで激レアだったら大凶も逆に自慢できるかもしれません。
凶を引いたらどうすればいい?
凶を引いたからとがっかりする必要はありません。
そもそもおみくじは神様からの助言。
吉凶よりも書いてあるメッセージのほうが大切だからです。
また凶は、メッセージ通り辛抱したり失敗時に反省・修正することで吉に好転すると言われています。
これは易学の吉凶悔吝(きっきょうかいりん)という考えからきています。
凶でも悔い改めれば吉に、吉でも行動を惜しむ(吝)と凶になるぞという思想です。
努力によっては小吉・末吉をごぼう抜きできるジャンピングチャンスがあるわけです。
むしろ凶のおみくじの方が分かりやすく注意点が書いてあってラッキー、とポジティブに考えましょう。
★おみくじのメッセージの読み方はこちら
所定の場所に結ぶ
本来の意味からするとおみくじは持って帰ったほうがいいです。
書いてあるメッセージを一年間覚えていられる人はなかなかいないでしょう。
持っていればときおり見返すことができます。
ただ、凶のおみくじを持ち歩くのはあまりいい気がしません。
そんな場合は神社に設置してある掛け場に結んで帰りましょう。
この行為には神様との縁結びをするという意味が込められています。
神社でも「凶は結んでその他は持ち帰り」を推奨しているところが多いです。
持ち帰るなら大切に
たとえ凶でも結ばずに持って帰ってもOKです。
いつも持ち歩いてふとしたときに読み返せば「ああ、そういえば神様はこう言っていたんだった」と気を引き締める材料になりますよね。
ただし、雑に扱うのはいけません。
持ち歩くにしても自宅に保管するにしても、汚れないように大切に扱いましょう。
お焚きあげをしてもらう
おみくじは御札やお守りとは違います。
なので古くなったら自分で処分しても構いません。
感謝の心をもって捨てましょう。
ゴミ箱へ捨てるのに抵抗があるなら、神社の納札所へ返納するという手もあります。
納札所とは1年間お世話になったお守り・御札・破魔矢などを返す場所です。
だいたいどこの神社でも入口近くに設置してあります。
ここに返納すると後でまとめてお焚き上げしてくれます。
お焚き上げの煙が天まで上りそれが神様まで届くとされています。
ここまですれば失礼はないですよね。
まとめ
- 昔ながらのおみくじの凶確率は約30%
- ただし凶を減らしている神社も多い
- 大凶は激レア
- 凶のおみくじは結ぶのがいい
- 持ち帰るなら大切に扱おう
凶はそんなに珍しいものではありません。
むしろ引いたおみくじがちゃんとしたものである証明みたいなもの。
吉しか出ないおみくじなんてありがたみが薄いじゃないですか。
おみくじに書かれたことをよく読んで、神様のメッセージをきちんと胸に刻みましょう。