ある日届いた満中陰志。
受け取った経験が少ないとどう対応していいか分かりませんよね。
返礼品を送るべきなのか?
電話でお礼を言うべきなのか?
お歳暮のように「届きました。ありがとう」と言っていいのか?
今回は満中陰志が届いた場合の対応について解説します。
満中陰志とは
満中陰志(まんちゅういんし)とは簡単に言えば忌明けに贈る香典返しです。
人が亡くなった後の49日を「中陰」と呼びます。
そして49日目に忌明けを迎えることを「満中陰」と表現します。
※宗派によって忌明けの日数が違うことがあります。
満中陰志の「志」という文字には感謝の意味が込められています。
「無事に四十九日を迎えることができました。ありがとうございました」という意味で忌明けに香典返しの表書きに書かれます。
具体的には四十九日法要の香典返し、または葬儀のときにお花や高額な香典を頂いた方へ贈ります。
ただ、満中陰志という言葉が使われるのは関西方面がほとんどです。
なので住む地域によっては聞き慣れない人も多い習慣です。
忌明けに贈る香典返しの表書きでは、満中陰志より「志」を使うのが一般的です。
満中陰志が届いたらどうする?
お礼はしない
誰かから品物をもらったのだからお礼をしなければと思いがちですが、満中陰志の場合は必要ありません。
これは返礼の品としてあなたに贈られているものです。
それにまたお礼を返すとエンドレスになってしまいますよね。
さらに香典返しにお礼を返すと、不幸の長引きや繰り返しを意味してしまうのでよくありません。
遺族の側からしても忌明けの香典返しで一区切りつけたところです。
そこに返礼すると、延長をうながすようなもので相手に負担をかけてしまいます。
届いたことを知らせない
荷物が届くと、送り主に「届きましたよ」という連絡をしたい気持ちが出てきますよね。
しかし満中陰志が届いたことを連絡するべきではありません。
遺族としては恐らく多くの人に満中陰志を贈っています。
もらった人みんなが「届いたよ」と連絡すると対応が大変ですよね。
相手に負担をかけない気遣いも大切なマナーです。
ひとこと伝えたいなら何と言う?
どうしてもひとこと伝えたいなら、他の用事のついでとして触れるのがいいでしょう。
受け取ったことについてどう表現すればいいのかというと、「恐れ入ります・恐縮です」が適しています。
「届いたよ、ありがとう」のようなお礼の言葉は使わないように気をつけましょう。
電話なら
「この度は大変でしたが、落ち着かれましたか?」
という様子伺いの中で
「香典返しを受け取りました。ご丁寧に恐れ入ります」
というひとことを伝えれば十分です。
また、暑中見舞いや寒中見舞いなど、相手に手紙を書くチャンスがあったときにその中で伝えるという方法もあります。
その場合も
「満中陰志を受け取りました。丁重なお気遣い恐縮に存じます」
と簡単に書き添えるだけにとどめておいてください。
香典を出していない場合はどうする?
香典を出していない・葬儀に参列していない状態で満中陰志が届くことがあります。
亡くなったことを満中陰志で初めて知るというケースもあります。
普通は香典に対して返すものなので珍しいケースです。
いくら満中陰志が返礼・連絡不要とはいえ、このケースで何もしないのはさすがにマズいですよね。
この場合は、現金書留で香典とお悔やみの手紙を送っても差し支えありません。
送る香典は葬儀に参列するのと同レベルの金額でいいと思います。
★お悔やみ例文
○○様の突然のご逝去の報に接し、驚いております。
もうあの笑顔にお会いできないのかと思うと、悲しくてなりません。
謹んでお悔やみ申しあげますと共に、心からご冥福をお祈りいたします。
心ばかりのものを同封いたします。御仏前にお供えいただければ幸いです。
訃報を知らなかったことはくどくど書かなくて大丈夫です。
状況と文面から相手が察してくれるはずです。
まとめ
- 満中陰志は四十九日後の香典返し
- 届いても返礼・連絡は不要
- どうしても伝えるなら他の用事のついでに
- 「ありがとう」は禁句
- 亡くなったことを知らなければ香典を送るのは可
聞き慣れない習慣だと対応に迷いますが、知っていればどうということはありません。
満中陰志に対しては、基本的に反応しないのがマナーということですね。
連絡する場合はお礼にならないよう言葉遣いに気をつけてくださいね。