「なんだか最近、鼻の奥が臭い」
「口臭が強くなった気がする」
「くしゃみすると、何かが臭う」
こんなふうに感じることがあったら、それは蓄膿(ちくのう)症のサインかもしれません。
ここでは蓄膿症の簡単なチェックと予防方法について紹介します。
こんな症状は蓄膿症の疑いあり
蓄膿症とはその字の通り、膿(うみ)を蓄(たくわ)えることで起こります。
え、膿を蓄えるって…どこに? 蓄えちゃダメなんじゃないの? やばくない??
そう、もちろん膿なんてないほうがいいに決まってるんですが、悲しいことに蓄えられてしまうことがあるんです。
膿が蓄えられるのは、「副鼻腔(ふくびくう)」という、次の4か所です。
・前頭洞(ぜんとうどう):赤の眉毛の付け根
・篩骨洞(しこつどう):青の目と目の間
・蝶形骨洞(ちょうけいこつどう):黄色の篩骨洞の奥
・上顎洞(じょうがくどう):緑のほお骨部分
これらの場所が炎症を起こして膿がたまることで、さまざまな不快な症状が出てきます。
その症状は鼻や鼻水だけにとどまりません。
以下のような症状を感じたら蓄膿症の疑いがあります。
■どろっとした鼻水が続く
本来、鼻水は透明でさらさらなものですが、副鼻腔にたまった膿まじりの鼻水は、どろっとして黄色や緑色をしています。
■いつも鼻がつまっている
膿まじりの鼻水でいっぱいになり、いつも鼻がつまった状態になることもあります。
■鼻の中が臭い
副鼻腔にたまった膿が発するニオイのせいで、鼻の中も臭くなります。
■口臭が強くなった
鼻と口はつながっているので、膿のニオイは口にも広がり、口臭となってしまいます
■鼻水がのどに落ちる
通常の状態でも、鼻水はのどにも流れて落ちています。
普段、自覚することはあまりありませんが、膿が混ざってニオイがある鼻水が大量にのどに流れるようになると、非常に不快です。
■咳や痰が続く
膿が混ざった鼻水が大量にのどに落ちることで咳や痰も出やすくなります。
■目や眉毛の付け根、ほお骨のあたりが痛い
副鼻腔の周辺の神経が刺激され、痛みが出ます。
眼精疲労や頭痛との区別が付きにくいことが多いようです。
■頭が痛い、重い
頭痛や頭の重さを感じる人も多いです。
ひどいときは日常生活に支障が出るほどになることもあります。
■匂いや味がわかりにくくなる
鼻づまりで匂いがわかりにくくなるだけでなく、匂いを感じ取る粘膜まで炎症を起こすと嗅覚そのものに異常をきたすことがあります。
匂いがわからないと味もほとんどわかりませんね。
また、自分の振りまいている悪臭に気づかないというデメリットもあります。
蓄膿症の原因
なかなか面倒な症状が出る蓄膿症ですが、その原因は人によって様々です。
よくある理由は次のようなものがあります。
■風邪
風邪のウイルスが鼻から副鼻腔に侵入して炎症を引き起こしたり、鼻の中で発生した炎症が副鼻腔にまで広がったりすることがあります。
これによって副鼻腔内に膿がたまって蓄膿症になってしまいます。
■アレルギー症状
花粉や、ハウスダスト、ペットなどのアレルギーによって、鼻の中で発生した炎症が副鼻腔にまで広がって蓄膿症になることがあります。
■虫歯
口と鼻はつながっているので、虫歯による炎症や菌が副鼻腔にまで広がって蓄膿症になることもあります。
■鼻の形
鼻の真ん中を通って、左右の仕切りのようになっている鼻中隔(びちゅうかく)といわれる部分があります。
ここが極端に曲がっていると、片方の鼻の通りが悪くなり、副鼻腔の炎症につながって蓄膿症になることがあります。
自分でできる予防やケアは?
蓄膿症の治療は症状の度合いによって異なります。
薬による治療や鼻腔内の洗浄。ひどければ手術をするケースも出てきます。
できればそうなる前に予防したいものです。
ここでは自分でも手軽にできる蓄膿症の予防方法をご紹介します。
■片鼻かみ
鼻水をかむときに両鼻を一度に力いっぱいかんでいませんか?
鼻水に含まれる菌やウイルスが副鼻腔に侵入しやすくなりますし、鼻の粘膜を痛めて炎症を起こすこともあります。
鼻をかむときは片方ずつやさしく丁寧に行いましょう。
■鼻うがい
鼻からうがい液を吸い込んで飲み込まずに口から排出する、あれです。
真水でやるとめちゃくちゃ痛いので、生ぬるい生理食塩水(1%濃度の食塩水)を使います。
ちょっとコツが要りますが、慣れると簡単にできるようになりますよ。
鼻に入れる器具も必要なので最初は鼻うがいセットを購入したほうが楽かもしれません。
■食習慣の見直し
免疫力を上げて菌が繁殖しにくい体づくりをすることで、炎症が原因で起こる蓄膿症を予防、改善することができます。
野菜や果物によってビタミンやミネラルを摂ることを意識しましょう。
また、香辛料によって適度に体をあたためることもおすすめです。
■運動
免疫力を上げるために適度な運動をしましょう。
体に負担のかかりにくい、ヨガやストレッチ、ウォーキングなどがおすすめです。
遠回りなようですが、健康で強い免疫力を持つ体はあらゆる病気と戦えますからね。
まとめ
一見、地味に思える蓄膿症ですが、引き起こす症状は非常に不快でやっかいなものばかりです。
治療には何カ月ときには何年もかかることもありますし、ひどくなると手術が必要になるケースもあります。
日頃のケアも大切ですが、おかしいな?と思ったら早めに耳鼻科を受診してみてくださいね。