遠方に引越して最初に戸惑うのは言葉ではないでしょうか?
私も東京から福岡に越して10年以上経ちましたが、来た当初は聞きなじみのない言葉に首をひねった経験が何度かありました。
雰囲気でわかる方言もありますが、ピンとこない言葉もあります。
今回はそんなちょっとわかりにくい福岡弁5つを紹介します。
旅行で来た福岡で「おや?」っと感じたときなどに思い出してもらえると幸いです。
せからしか
最初に聞いたのは、テレビから流れるこのCMだったような気がします。
アニメの女の子:ほうせいさんも傑作ば書かんね
おじさん:せからしかぁー
このおじさんは長谷川法世さんという方で『博多っ子純情』という漫画の作者です。
アニメの女の子はこの漫画に出てくるキャラクター。
2人が博多土産として有名なお菓子の工場を一緒に見学するという設定のCMです。
さて、2人の会話の中身は「法世さんも傑作を書いてよ」「うるさいなぁ」と言ったような感じ。
つまり「せからしか」とは人に言われたことに対して、うるさいと返すような場面で使う言葉なんですね。
ただ、意味はうるさいだけでなく、「面倒だなぁ」とか「わずらわしいなぁ」といったようなニュアンスでも使われます。
しゃーしい
「しゃーしい」も、せからしかと似たような意味を持ちます。
置いてあるものに対して「こんなところに置かんでよ、しゃーしいなぁ」と言っていたら、その人は置いてある物を邪魔だと思っています。
「あの人、いつも細かいことばっかり言って、しゃーしいんだよね」なんていうときには、その人に対していい印象を持っていません。
うるさいとか、関わりたくないとか、付き合いづらいとか…とにかく何かしらのマイナスイメージを持つ意味になります。
せからしかと違う点は、しゃーしいの方は人間以外にも使うということ。
「この仕事、しゃーしいなぁ(この仕事、面倒だなぁ)」とは言いますが、「この仕事、せからしかぁ」とは言いません。
しゃれとんしゃあ
しゃれとんしゃあもテレビで聞いたのが最初だったと記憶しています。
とある番組の中に、その名もずばり『しゃれとんしゃあ』というコーナーがあったのです。
レポーターの山本華世さんは、福岡では超有名なローカルタレント。
なんとご自身の出産シーンを深夜のローカル番組の企画として放映したこともあるという強者です。
とにかく元気な博多のおばちゃんといった存在ですね。
私もすぐ顔と名前が一致するようになりました。
で、タイトルにもなっている「しゃれとんしゃあ」は「洒落ていますね」という意味になります。
洒落とるに尊敬語の「~んしゃあ」という助動詞をくっつけた言葉。
尊敬語といってもそんなにかしこまった言葉でもありません。
料理の盛り付けや素敵な商品に出会ったときに「あらー、これ、しゃれとんしゃあ!」といった感じで使います。
こまめる
「こまめる」という言葉だけ聞いても知らないとまずわからないでしょう。
しかし、1万円札を差し出されて「これ、こまめてきて」と言われたら、カンのいい人だとわかるかも。
こまめるとは両替するということなんです。
両替をお金を細かくすると考えると、なんとなくニュアンスは伝わりますよね。
こまめるは割とよく使われるので、標準語だと思っている福岡県民もいるくらいです。
はらをかく
「ホークスが負けたくらいで、そんなにはらかかんでもよかろうもん」
私も今なら意味がわかります。
はらをかくというのは「腹を立てる、怒っている、苛ついている」というような意味です。
ホークスが負けたくらいでそんなに怒らなくたっていいじゃない…例文を意訳するとこんな感じになります。
まとめ
同じ福岡でも、地域や世代によって使ったり使わなかったり、ニュアンスが違ったりという言葉もありますが、だいたいこんな感じと覚えておけば大丈夫です。
とはいえ10年住んだ私でも、まだ自分の口からはこれらの言葉は出てきませんね。
それでも充分生活はできていますので、理解さえできていればなんとかなります。