人が亡くなったときに、お悔やみの言葉として「ご愁傷様です」と言うのは誰もが知っている常識です。
しかし、言われたときになんと返事をすればいいのかはあまり知られていません。
人生で何度も経験することではありませんし、他人がどう返事していたかもよく覚えていない人が多いのでは?
小さな声でのやり取りばかりなので、何を言っていたかわからないというのが正直なところですよね。
今回は「ご愁傷様です」に対しての返事について解説します。
葬儀では気が動転するので、前もって知っておかないと返答に困ってしまいますよ。
葬儀での「ご愁傷様です」に対する返答
「ご愁傷様です」という言葉はお悔やみを相手に伝える挨拶です。
愁傷とは心の傷を悲しむ思いを表現する言葉。
「この度はおつらい出来事でしたね」
「悲しい出来事になってしまいましたね」
といった、悲しみを嘆き相手を気の毒に思う気持ちが込められています。
さらに「ご・様」が付いていることからも、かなり敬意を払った言葉なのもわかりますね。
なので、返事としては「お気遣いありがとう」の気持ちを示す言葉がふさわしいです。
★ご愁傷様ですへの返事
- 恐れ入ります。
- ありがとうございます。
- 痛み入ります。
- お心遣いありがとうございます。
- ご参列くださいましてありがとうございます。
言葉を濁すのがマナー
お悔やみの言葉もその返答も、あまりハッキリ声に出さないのがマナーです。
滑舌良く口にすると、いかにも用意してきた言葉という印象になってしまいます。
ボソボソと語尾は濁すような話し方がふさわしいです。
黙礼だけでもよい
あまりに悲しいときは言葉が出ないものです。
沈んだ気持ちのまま、お通夜やお葬式を迎えるのはよくあることです。
そんなときは心を込めて頭を下げましょう。
無理に声を出さなくても伝わります。
葬儀の後日に「ご愁傷様」を言われた場合
忌引きの休暇明け
忌引き明けに出社して「ご愁傷様です」と言われることもあります。
数日経っていると、先ほど紹介した葬儀当日の言葉ではそぐわないケースもあります。
そんな場合は「お忙しい中、ご迷惑をおかけいたしました」という返事がいいでしょう。
忌引きでのお休みは、前もって予定して取れるものではありません。
周りの人の協力があってこその仕事ですので、皆さんに「ありがとう、すみませんでした」という気持ちを伝えてくださいね。
後日の弔問客
友人や近所の方など、後から亡くなったことを知る人もいます。
このような人たちが後日家までお線香を上げに来てくれることもあります。
この場合の「ご愁傷様です」に対しては「お気遣いありがとうございます」と返すのがいいでしょう。
「もう落ち着きましたので…」というような言葉を付け加えてもいいのではないでしょうか。
また、道でばったり会った方からお悔やみを言われることもありますね。
こちらは「恐れ入ります」くらいの返事がいいと思います。
「お心遣いありがとうございます」だとややオーバーに感じます。
受付の手伝い時の返答は?
ご近所で不幸があると葬儀の受付の手伝いを頼まれることがあります。
弔問客は受付で「ご愁傷様です」と口にすることが多いです。
こういう時になんと返せばいいのか、経験がないとピント来ませんよね?
受付での返答は、「お忙しい中、ご参列いただきありがとうございます」になります。
その後は
「こちら(芳名帳)にご記帳をお願いします」
「お預かりします」(香典を)
と受付の役割が続きます。
この辺の手順は、事前に葬儀屋さんが教えてくれるので心配はいりませんよ。
まとめ
ご愁傷様ですへの返事は黙礼、または「恐れ入ります」というひと言が一番いいと思います。
悲しみの場で長々と言葉をつなげるのはよくありませんからね。
また実際に喪主の立場になると、想像以上にお悔やみの言葉をかけられるものです。
全員へパーフェクトに応えようとするとヘトヘトになってしまいます。
その意味からも言葉少なく頭を下げておくのがいいでしょう。