迷う漢数字の使い方を一発解決!年号の縦書きには〇を使ってもいい?

作文や報告書、ちょっとしたメール文でも書き物をしていると

「あれ?この数字は漢字とアラビア数字どちらがいいのかな?」

と手が止まることがあります。

ひとたび違和感を覚えると、どちらで書いても間違っている気持ちになってくるんですよね。

漢数字で書くと決めても「あれ?〇は漢字で使っていいんだっけ…?」とまた手が止まります。

二十年か二〇年なのか…?

そこで今回は迷う漢数字の使い方についてわかりやすく解説します。

基本のルールさえ覚えておけば手が止まることはなくなりますよ。

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漢数字とアラビア数字の選び方

現在は新聞でも雑誌でもアラビア数字での表記が主流になっています。

なので迷った時には漢数字を使うべきかどうかで判断しましょう。

漢字を使うべきなのは変化しない数字です。

数字を変えると意味が通じない場合と言い換えてもいいです。

 

★アラビア数字使用例

  • 700キロカロリーの食事。
  • 11時に駅前で待ち合わせ。
  • 身長172センチだった。
  • 社員20人の会社。
  • 3人前の出前を取った。

アラビア数字は長さ・重さ・人数・時間・距離など、変化のある数値を表すのに使います。

数字が変化しても不自然さは無いですよね?

 

★漢数字使用例

  • 一人前の戦士。
  • 一人ぼっち。
  • 二人芝居。
  • 二人だけの世界。
  • 一日千秋の思い。
  • 五十歩百歩。
  • 七人の侍。
  • 八百万の神々。
  • 六角精児。

漢数字を使うのはことわざ・慣用句・固有名詞数字に大きな意味のある言葉など。

数字を変化させられない時に使います。

1人前の寿司・一人前の寿司職人のように使い分けます。

 

絶対こう書かないと間違いというわけではありません。

ただこのルールを知っていると数字表記で迷うことはぐっと少なくなりますよ。

 

 

★漢数字アラビア数字混合例

  • 世界の人口はいまや75億を超えている。
  • 僕は100億円持っているよ。
  • 私の戦闘力は53万です。
  • 2億4千万の瞳。

例外として、あまりに大きな数値は変化があっても漢数字を組み合わせます。

正式な表記法というよりは見やすさを重視した表記です。

10,000,000,000円と書かれてもわかりにくいですからね。

 

漢字表記のルールは2種類ある

漢数字の書き方には2通りのルールがあります。

これのせいで漢数字の使い方がわかりにくくなっているんです。

 

★命数法

命数法は声に出した通りに漢字で表記します。

  • 十、十一、十二、十三…
  • 二十、二十一、二十二、二十三…
  • 百、百一、百二…
  • 千、千一、千二…

十・百・千・万・億・兆・京と位を漢字で表記します。

10を一〇とは書きません。

簡単に言うと〇を使わない表記法です。

 

 

★位取り記数法

位取り記数法はアラビア数字と同じように表記します。

  • 一〇、一一、一二、一三…
  • 二〇、二一、二二、二三…
  • 一〇〇、一〇一、一〇二…
  • 一〇〇〇、一〇〇一、一〇〇二…

位の漢字は使わず〇で桁を表します。

これならアラビア数字を使えない場面の電話番号や住所番地の表記もできますね。

「はっせんごじゅうに番地」は八千五十二番地と書くより八〇五二番地と記したほうが間違えにくいです。

 

 

★〇は漢数字の零

『〇』が位取り記数法でやたら出てきますが、これはアラビア数字のゼロ(0)ではありません。

零という立派な漢数字の一つです。

パソコンでは『れい』と打つと出てきますよ。

一応書き順も定められていて、左回りにぐるっと書くのが正解です。

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縦書きの年号はどう書くの?

今では年号や西暦、世紀を表すのにもアラビア数字が使われます。

私が子供のころはまだ新聞では年号を漢数字表記していましたが、いつの間にかアラビア数字に変わっていました。

これも見やすさ重視が考慮されての時代の変化でしょう。

 

ただ年号を漢数字で書く場面が無くなったわけではありません。

とくに作文や年賀状など、縦書きするケースでは漢数字のほうがしっくりきます。

そこで迷うのが命数法と記数法どちらで年号を書くべきかですが…。

これはどちらでも正解とされています。

なのでより伝わりやすい表記法を選びましょう。

 

年号・西暦の漢字表記

平成二十八年・平成三十年(命数法)

平成二八年・平成三〇年(位取り記数法)

たとえばこの元号2つならわかりやすさに大差はありません。

しいて言えば命数法のほうが誤解されにくそうではあります。

私なら年号は命数法を選びますね。

 

千九百八十四年(命数法)

一九八四年(位取り記数法)

しかしこの西暦2つは明らかに伝わりやすさが違います。

命数法は文字数が多すぎてパッと見でわかりづらいと思いませんか?

位取り記数法ならすぐ1984の数字を思い浮かべることができたのではないでしょうか。

正解はないと言っても記数法のほうが親切なのは明らかですよね。

西暦は位取り記数法一択と言えます。

 

日付は統一ルールに注意

さて、年号に加えて『11月12日』という日付表記が必要になったとします。

日付には「年号(西暦)と同じ表記を用いる」というルールがあります。

なので日付の表記は自動的に決定してしまいます。

 

平成二十八年十一月十二日(命数法)

一九八四年一一月一二日(位取り記数法)

どちらの表記法を選ぶかは自由ですが、複数のルールを混ぜて使うのはさすがにNGです。

つい「一九八四年十一月十二日」と書きたくなりますがこれは間違いになります。

ちぐはぐで美しくないといったほうが正しいかもしれません。

 

まとめ

いろいろルールを書きましたが、それよりもわかりやすさを優先して漢数字を使い分けてくださいね。

たとえば番地は位取り記数法がいいと記しましたがそれもケース・バイ・ケース。

12番地だと一二で縦書きすると『三』に見えやすかったりします。

そういう場合は『十二』を使うほうが間違いを減らせますよ。

しかしこう考えるとやっぱりアラビア数字を使うほうが簡単ですね。