ジューシーで甘い桃はとても美味しいです。
No.1フルーツに挙げる声も少なくありません。
古代中国ではその美味しさから、不老不死をもたらす果実と神聖視されていたほどです。
そんな桃の真っ白な果肉が茶色くなってしまうとショックですよね。
見た目の悪さもありますが、食べても大丈夫なのか心配になります。
そこで今回は桃が茶色くなる理由やその安全性について解説します。
変色を防ぐ方法や、色が悪くなった桃を復活させる方法も紹介しています。
ぜひ参考にして夏の味覚を楽しんでくださいね。
桃が茶色になる理由
まず最初に伝えておきますが、茶色くなった桃が腐っているとは限りません。
桃はとても繊細な果物です。
変色するのはよくあることなので、茶色になっただけでは問題なく食べられるケースが多いですよ。
桃の茶色はポリフェノールの酸化
変色は桃の中にあるポリフェノールが引き起こします。
ポリフェノールとは活性酸素による酸化を防ぐ抗酸化作用がある天然成分です。
ものすごく簡単に言うと、植物が自分で作り出す傷薬のような物。
紫外線・風雨・害虫によって受けたダメージを回復するために使います。
ポリフェノールはほとんどの植物が持っている成分で、数千種類あると言われています。
人間に効果のあるポリフェノールも存在するので、最近では健康・美容にいいと注目されていますね。
そんなポリフェノールですが、空気に触れると酸化して茶色くなる特徴があります。
この現象を褐変といいます。
桃が茶色くなってしまう理由もこれです。
りんごやバナナも褐変しやすい果物ですね。
変色は悪いイメージがありますが、褐変現象はコーヒーや紅茶の色付けにも利用されているんですよ。
なので、茶色=腐敗ではないのはわかってもらえると思います。
桃が茶色になる原因と変色予防法
桃を変色させてしまうよくあるパターンと変色を防ぐ対策を紹介します。
ぶつけて変色
桃はわずかな刺激でも皮に傷がつきます。
運搬中にガタガタ揺れたりするのはもちろん、ちょっと掴んだだけでも目に見えない微細な傷がつきます。
酸素が入り込んでしまうので、傷ついた箇所から褐変してしまいます。
ぶつけた直後だと変色していませんが、半日~1日たつと確実に茶色くなりますね。
果物はみんな同じですが桃は飛び抜けて刺激に弱いです。
変色を予防するには?
触られていない桃を選んでなるべく刺激を与えないことが一番です。
売り場で桃を触って選ぶのはマナー違反。
でも結構触っちゃう人がいるんですよね。
なので、あまり触れられていなそうな奥の方の桃を選びます。
箱入り桃の運搬は車が使えればベスト。
自転車なら後ろの荷台に紐でがっちり固定して、乗らずに引いて運びます。
かごに入れて乗って運ぶと高確率で茶色くなりますよ。
袋入り桃ならすべての荷物の一番上に置いて徒歩で運びます。
剥いて放置で変色
切った桃をしばらく放置して変色させてしまうこともあります。
理屈は皮が傷ついて茶色になるのと同じで、ポリフェノールが酸化することによる褐変です。
ただ、果肉がむき出しになっているぶん早く色が変わってしまいます。
切ってから2時間もするとかなり茶色が目立ってくるのではないでしょうか?
変色を防ぐ3つの方法
切ってすぐ食べられない時は、変色予防をほどこすことで褐変を抑えることができます。
予防方法は3つ。
それぞれ違う原理で変色を防止できますよ。
★塩水につける
200mlの水に塩を小さじ1杯いれて食塩水を作ります。
その塩水に3分ほどつけておくと変色しなくなります。
塩のナトリウムイオンがポリフェノールを包んで酸化を防いでくれるからです。
ポピュラーな方法なので、お弁当のリンゴに使ったことがある人も多いのでは?
桃にもばっちり効きます。
ただ、せっかく甘い桃に塩味が付いてしまうのがデメリットです。
★レモン水につける
200mlの水にレモン汁を小さじ1でレモン水を作ります。
あとは同じように3分ほどつけておくだけ。
レモンのビタミンCが先に酸化することで桃の褐変を抑えてくれますよ。
ビタミンが入っていればいいのでポッカレモンでも大丈夫です。
★砂糖水につける
200mlの水に砂糖を大さじ1
200mlの水にハチミツを大さじ1
このような砂糖水・ハチミツ水に5分つけるだけでも変色を防ぐことができます。
砂糖は塩やレモンより多めに使う必要がありますが、味を損ないにくいのがメリットですね。
原理は砂糖が持つ保水力です。
砂糖水はベタベタ粘度が高いので蒸発しにくい特徴があります。
桃の周りを水の壁でがっちりガードして褐変を防止してくれますよ。
★自分で食べるなら茶色もOK
ここで紹介した方法は、桃をお弁当に入れる場合や差し入れ時など変色させたくないときだけ使います。
数時間は変色しませんよ。
ただ、剥いた桃を後で自分が食べるときなどは使いません。
面倒くさいですからね。
ちょっと変色したくらいでは味もそんなに落ちないので、気にせず食べちゃいます。
桃が腐っているかの判断ポイントは?
桃はちょっと茶色になったくらいなら食べても平気です。
完全に傷んでしまった場合も茶色になりますが、色だけでなく臭い・質感が変わるのでわかりやすいと思います。
★腐った桃の特徴
- 変色してドロドロになっている。
- 汁が染み出てくる。
- すえた臭いがする。
- 水気が減ってシワシワになっている。
- 種の周りから変色している。
腐っていると見るからにヤバイ感じになります。
判断が微妙な時は、私なら茶色部分を取り除いて食べます。
ただ変色しただけなら食べられますが、褐色すると傷みやすくなります。
そこからどんどん腐敗が進むので、ぶつけて変色した桃から先に食べたほうがいいです。
変色した桃がコンポートで復活!?
切って茶色になってしまった桃はそのまま食べてもいいですが、コンポートにすると色が目立たなくなります。
コンポートにした桃は使い勝手がいいのでオススメです。
正直言うと、なぜコンポートで色が戻るのかはわかりません。
このレシピでは白ワインを使っていますが、ワインなしレシピでも茶色は目立たなくなるようです。
なので材料による効果ではなさそう。
想像ですが、茶色になったポリフェノール酵素が加熱によって何か変化を起こすせいではないでしょうか。
理屈はともかく保存もきいて見た目も悪くないので、桃をたくさんもらったときなどにお試しあれ。
まとめ
- 桃が茶色になるのはポリフェノールの酸化
- ぶつける・剥いて放置で変色
- 桃は大事に運ぼう
- 塩・砂糖・レモンで変色防止
- 茶色だけなら食べてもいい
- でも茶色から腐りやすいので早めに食べる
- コンポートにすると復活するかも
- ドロドロ・悪臭は食べちゃダメ
ヘンな臭いや身の崩れがなければ、茶色くなっていても食べてOK。
ただし、皮をむいたらできるだけ早く食べること。
うっかり変色させてしまったらコンポートに変身させてしまうのがおススメです。