私が子供の頃にはまだ「お寿司」は特別な食べ物という感覚がありました。
今ほど回転寿司や持ち帰り寿司のお店もありませんでしたからね。
安くて入りやすいチェーンの寿司店が数多くある現在は、お寿司はとても身近な食べ物になっています。
ところが、カウンターで握ったお寿司を自分の目の前に出してくれるようなお店となるといまだにハードルが高いままです。
たまには回らないお寿司屋さんにも行ってみたいものですが、自分の知らないマナーがあるのではと気後れしてしまいますよね?
そこで、はじめての人が抑えておくべきお寿司屋さんマナーや注文方法についてまとめました。
ファッションの注意点
★洋服について
お寿司屋さんに着飾っていく必要はありません。
普通の服装で大丈夫です。
ただ、お店にそぐわないラフすぎる格好はやめておいた方がいいですね。
次のようなものは避けましょう。
男性:短パン・ジャージ・スエット・サンダル
女性:ショートパンツ・ミニスカート・露出度の高いもの・サンダルやミュール
★化粧について
メイクは薄目がおすすめ。
化粧の香りがお寿司の風味をかき消してしまいます。
食器や箸にグロスがべったり移ってしまうのも美しくありません。
★香り大事に
香りを大事にするお寿司屋さんにきつい香水は絶対NG。
寿司の香りを邪魔してしまうからです。
自分の味覚だけでなく周りに座っているお客さんにも迷惑になってしまいます。
同じ理由で、服にタバコのニオイが染みついていないかも気を配りましょう。
そもそもちゃんとしたお寿司屋さんでは店内に灰皿がありません。
置いてあってもお店の外で吸うようにしましょう。
★腕時計はNG?
お寿司屋さんに腕時計をしていくのはマナー違反だという声があります。
つるっと美しい木のカウンターに腕時計が当たって傷つけてしまう可能性がある、というのがその理由です。
マナーというよりは、客側の粋な気遣いと言ったところでしょうか。
食べる前にさっと時計を外すとスマートです。
実際にはよほどゴツい時計でも付けていないとカウンターが傷つくことはありません。
注文の仕方は?
★お決まり
お決まりはいわゆるセットメニューですね。
コースによって数やネタは違いますが一人前のお寿司と巻物が出てきます。
明朗会計で値段も安めなので頼みやすいです。
★おまかせ
初めてのお店だと、板前が客の好みが分からないのでおまかせ注文はすべきでない。
こんな意見もありますがそんなことはありません。
ちゃんとその日おすすめのネタを握ってくれます。
苦手なネタがあれば先に伝えておくといいですね。
料金はお決まりに比べてかなり高くなります。
お財布を心配しながら食べるくらいなら金額を決めておまかせしてしまうのも一つの手です。
うまく安いネタを織り交ぜながら予算内に調整してくれますよ。
★お好み
自分が好きなものを1つずつ注文して食べるスタイルです。
お寿司屋さん本来のスタイルと言えます。
ただ、お腹いっぱい食べれば金額はそれなりにいってしまいます。
お決まり+好きなネタ注文だと比較的価格も抑えられますよ。
注文の順番は?
席に着いたらまずは飲み物を注文します。
最初はお酒中心でということであれば、お造りから頼むといいでしょう。
お寿司にいきたければ「握ってください」と伝えて注文していきます。
お寿司を食べる順番に決まったルールはありません。
好きなネタを自由に食べられるのがお寿司のいいところです。
ですが一般的には、淡白なネタからはじめて味の濃いものやこってりしたネタと食べていくとお寿司を堪能しやすいと言われています。
確かに白身魚を後半に食べても味がよくわかりませんからね。
ここでは例として、いわゆる「美味しい食べ方」の順番をご紹介します。
1:白身…タイ、ヒラメ、ブリ、ハマチ、カンパチ
2:赤身…マグロ(赤身、中トロ、大トロ)
3:光物…コハダ、アジ、サバ
4:玉子
5:貝類…ホタテ、アワビ、赤貝
6:エビ
7:アナゴ
8:巻物:鉄火巻、かんぴょう巻、かっぱ巻
あくまで一例なので覚える必要はありません。
好きなネタを連続で頼んでもいいんですよ。
食べ方についてのマナー
■箸か手づかみか
お寿司は箸で食べても手づかみでもOK。
食べやすいほうでどうぞ。
ただ、おすすめしたいのはネタを下にして口に入れる食べ方です。
見た目も美しい上に、お魚の風味や食感を舌でダイレクトに楽しめます。
この食べ方は手づかみじゃないとやりにくいんですよね。
■醤油の付け方
握られた寿司のネタの端の方に、少しだけ付けます。
シャリにつけると、つきすぎやにぎりが崩れやすいのでよくありません。
醤油をつけにくい軍艦巻きでも、ガリを使ってネタにつけましょう。
お会計の注意点
料金を支払う時は「お会計お願いします」と声をかけます。
もう少しラフに「お勘定して」でもいいでしょう。
「おあいそ」というのはお店側が使う言葉。
「お愛想がなくて申し訳ございません」とストレートに支払いのことに触れない言い方なので、客側から使うのはちょっとおかしいです。
ちなみに支払いにクレジットカードが使えないお店も意外にあります。
前もってきちんと調べておきましょう。
まとめ
実はこっちが気にするほど寿司屋のマナー違反ってないんですよね。
匂いに気をつけたり場にそぐわない格好を避けたりするのは、マナーと言うより常識。
ただ、注文の順番や食べ方などはそこまで気を使う必要はありません。
お寿司屋さんから見たら、ヘタに通ぶっている客のほうがみっともないものですよ。
気楽にお寿司を楽しみましょう。