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台風上陸とはどういう意味?通過や再上陸とはどう違うの?

私たちは「台風が来る」とざっくりした表現で台風襲来を表します。

でも天気予報だと「台風が上陸」とか「通過する」という表現をしますよね。

ときには「再上陸」なんて言葉も耳にします。

上陸・通過・再上陸では台風の動きに違いはあるのでしょうか?

今回はちょっとわかりにくい台風の気象用語について説明します。

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台風上陸とは?

天気予報で使われる台風関連の用語をまとめた気象庁のページがあります。

これによると「台風の上陸」の定義はこのようになっています。

 

台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸に達した場合を言う。

引用 気象庁「気圧配置 台風に関する用語」

 

台風を示す円と日本地図をイメージしてみるとわかりやすいかもしれません。

上陸とはあくまで台風の中心部が海岸線に達しないと使えないんですね。

接近しただけでは台風上陸とは言えないのです。

 

台風接近とは?

上陸と似た言い回しで台風の接近があります。

気象庁では台風の接近をこのように定義しています。

 

a)ある地点への台風の接近:台風の中心が、その地点から300km以内に入ること。

b)ある広がりをもった地域(地方予報区など)への台風の接近:台風の中心が、その地域に含まれるいずれかの気象官署等から300km以内に入ること。

引用 気象庁「気圧配置 台風に関する用語」

 

接近の場合は台風の中心地が300kmまで近づくこと。

なので台風が海の上というケースもありえます。

一見すると「上陸すると大変で接近ならまだ大丈夫」と考えがちですが、そんなことはありません。

接近と上陸は、単に台風の位置を定義づけしたもの。

雨や風の強さに直接影響しません。

上陸しなくても接近した海上の台風が大きな被害を出すことはよくあります。

 

【過去60年データ】台風の上陸数と接近数

台風上陸数 と 台風接近数グラフ
参考 気象庁 台風の統計資料「台風の上陸数」

台風被害が多い日本ですが、毎年の上陸数の平均は3を下回っています。

イメージより全然少なく感じますよね?

過去68年のデータで合計201。

平均だと年間2.95しか上陸していません。

上陸0という年すらあります。

 

しかし接近する台風は毎年平均11.5もあります。

上陸0でも台風接近があれば被害は0ではありません。

なので天気予報の上陸・接近はあまり区別する必要はないですね。

近づいてきたら上陸しようとしまいと台風への備えが必要です。

 

★沖縄に台風は上陸しない

気象庁の上陸の定義を見ると、沖縄が含まれていないですよね。

なので、沖縄の海岸線に台風中心が到達しても上陸したという言い回しは使われません。

データ上だと沖縄の台風上陸数はずっと0。

沖縄といえば台風被害が大きな地域なのに変ですよね。

実際に過去のデータで台風上陸数が少ない年も、沖縄では被害が出ています。

でもこれは気象庁のデータ収集の定義のようなもので仕方ありません。

また、沖縄以外でも小さな島や半島をかすめるだけだと上陸にはならないんですよ。

このことからも、台風の上陸数だけでは被害規模が測れないことがわかります。

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台風通過とは?

沖縄のような島や本土でも小さな半島には、上陸の代わりに通過という言葉を使います。

台風の通過の定義はこうです。

 

台風の中心が、小さい島や小さい半島を横切って、短時間で再び海上に出る場合を言う。

引用 気象庁「気圧配置 台風に関する用語」

 

台風の中心が横切るのが条件なので上陸とほぼ同じですね。

場所の違いだけなので上陸より通過のほうが被害が軽いなんてことはありません。

 

ややこしいのが台風の話題だと「通過」が普通に使われること。

「長崎市付近でで上陸した台風◯号は九州を通過して…」

なんてよく聞きますよね?

気象用語の「上陸」と日本語としての「通過」がごっちゃになっています。

これがあるので沖縄の台風通過でも「上陸」と使いたくなってしまいます。

 

台風の再上陸とは?

天気予報でたまに耳にするのが台風の再上陸

聞いただけだと、上陸した台風が一度海に離れていって再びブーメランのように戻ることを想像してしまいます。

しかし実際には、日本列島のどこかに上陸した台風が別の場所でも上陸した時に使われます。

 

千葉県〇〇付近に上陸した台風◯号は、太平洋側を縦断して北海道〇〇地方に再上陸する予報です。

こんな速報を目にしたことがあるんじゃないでしょうか?

なぜわざわざ再上陸と区別するかというと、上陸した台風の数をカウントしているから。

どこかに上陸した時点で1カウントと数えて、再上陸だと上陸数は増えません。

先に紹介した過去の台風上陸数もこの数え方です。

同じ台風の再上陸までカウントするとおかしなデータになってしまうからです。

 

上陸・接近・通過・再上陸の違い

台風の接近とはそのままの意味で発生した台風が近づいてくること。

接近するのは本州も沖縄も同じです。

台風の中心が北海道・本州・四国・九州の海岸線に到達することを上陸と呼びます。

この時、小さな島や半島では上陸は使わず通過といいます。

一度どこかに上陸した台風がふたたび上陸することは再上陸。

ただし、沖縄を通過しただけだと再上陸にはなりません。

 

台風は仮に上陸しなくても接近だけで被害を起こします。

なので備えのために天気予報で注目するべきは、台風の接近ということになります。

 

台風は何月から何月まで来るの?

では実際に台風が接近する時期とはいつなんでしょう?

気象庁の台風接近のデータを見るとこんな内訳になっていました。

 

1951~2018の台風接近数(合計)
参考 気象庁 台風の統計資料「本土(北海道、本州、四国、九州)への接近数」

イメージ通り8~9月がぶっちぎりで多いですね。

12~3月の冬だと台風の心配はまずいらないでしょう。

ですが、梅雨時期の6月や肌寒くなってくる10月には来るケースもあるので時期外れでも油断はできません。

 

 

外出できなくなることも考えて、普段から最低限の備蓄はしておきましょう。

台風接近をきいてから慌てて備えるのは大変ですよ。

 

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まとめ

天気の用語は微妙な差があって分かりづらいですね。

ただ、細かい違いを知るよりは台風にしっかり備えることのほうが大切です。

上陸か通過かよりも、台風の接近や進路情報に注目しましょう。