昔、実家の庭に柿の木がありましたが、実がしょっちゅう落ちていました。
今も近所にある柿の木から実が落ちているのをよく見かけます。
さほど強風が吹いたわけでもないのになぜ落ちてるんだろう…?
あなたも気になったことがありませんか?
今回は柿の実が木から落ちる原因についてまとめました。
自ら果実を落としている
たくさん実が成ると栄養が十分に行き渡らなくなってしまうため、木が身を守るために果実を落としてしまいます。
これは生理的落果と呼ばれる現象です。
根から吸収された栄養は枝から果実へと流れていきます。
ですが枝葉に養分が使われて果実にまで回らなくなってしまうことがあるのです。
栄養が行き渡った果実は落ちずに成長していきますが、不出来な実は落とされてしまいます。
人間がする間引きと似たようなことを樹木自らがしているようなものですね。
天候不良による日照り不足でも落果は起きやすくなります。
★対策
ほどよい水と肥料を与える。
日光を遮る障害物はどかす。
多すぎるツボミを間引く。
ある程度の落果はあきらめる。
品種による不受精果は落ちやすい
柿の木には雌花しかない品種も存在します。
雌花しかないといわゆる「受粉」はしにくくなりますがそれでも実は成ります。
しかし、このような不受精果は種ができにくく実が落ちやすくなります。
これも不出来な実を落とす生理的落果の1つです。
★対策
落ちた実の種の有無を確認。
近くに雄花を持つ柿の木(受粉樹)を植える。
受粉時期にはミツバチを遠ざける殺虫剤を使わない。
落葉病にかかっている
柿の木が落葉病にかかってしまうと早めに葉が落ちて、実も落ちやすくなってしまいます。
家庭の庭にある柿の実が落ちる原因はこれが多いかもしれません。
柿の落葉病には2種類あります。
円星落葉病:黒色に囲まれた褐色の丸い斑点が葉に出る。おもに9月ごろ発病。
角斑落葉病:丸ではなく角型の斑点が葉に出る。おもに7月ごろ発病。
★対策
どちらの落葉病も5~6月に感染するので、それ以前に殺菌剤(農薬)を散布。
角斑の落ち葉は二次感染するので、集めて焼却する。
木が弱ると感染しやすいので、肥料を与えて雑草を取り除き樹勢の維持をはかる。
炭そ病にかかっている
柿の実が落ちる病気としては炭そ病も有名です。
葉から実へうつり、黒色の病斑が現れて熟したように腐り落果します。
梅雨台風など雨の多い時期に発病します。
木にカビが生えるのに近いと考えていいです。
★対策
発病した葉を早めに取り除く。
適度な剪定で風通しを良くする。
雨の時期に薬剤を撒く。
柿の木に害虫がついている
柿の木につく害虫は少なくありません。
中でも実を落とす代表的なも害虫は次の2種類です。
虫が付いてからの駆除は難しいので事前にスミチオンという薬で防止します。
ヘタムシ
ヘタムシとはガの幼虫の一種です。
柿の実のヘタの部分に穴を開け中へと入っていきます。
侵入された実は、柔らかくなったり変色したりしてヘタを木に残した状態で落下します。
落ちている実がヘタの付いていないものばかりだったら、その柿の木にはヘタムシが住み着いてしまったと思っていいでしょう。
★対策
春・夏の二度農薬を散布する。
カメムシ
臭いが強烈なことで知られるカメムシも柿にとっては害虫です。
チャバネアオカメムシ・クサギカメムシ・ツヤアオカメムシといった種類が柿の木についてしまうと被害が起こります。
カメムシが柿の実の果汁を吸ってしまうのです。
8月の中頃までに果汁を吸われてしまうと実は落ちます。
それ以降に吸われた場合は落ちませんが、吸われた跡が丸く凹んでしまいます。
汁を吸われるので中もスポンジのようなスカスカ状態です。
例え木から落ちていなくても、とても食べられるような実ではありません。
★対策
6月に農薬を散布する
まとめ
■柿の実が落ちる原因
- 間引き(生理的落果)
- 不受精果(生理的落果)
- 落葉病
- 炭そ病
- ヘタムシ
- カメムシ
虫や病気で落ちるのはなんとなく想像がつきますが、自分で落としてしまうこともあるんですね。