戸籍の附票。
あまり日常生活で出会う言葉ではないですよね。
しかし自動車関係や相続関連の手続きで、唐突にこの戸籍の附票が必要になることがあります。
言われるままに用意してもいいですが、そもそも戸籍の附票が何なのかわからないと不安ですよね。
一体何が書かれているのか…?
どこに取りに行けばいいのか?
そこで今回は戸籍の附票とはどんなものか、その取得方法について解説します。
いまではコンビニでも取ることができますよ。
※私たちが手にするのは正確には「戸籍の附票の写し」ですが、記事内では「戸籍の附票」と表記しています。
戸籍の附票とは
字の並びから何か戸籍に付いている伝票のようなものなのかな…という想像は付きますね。
戸籍の附票とは、名前通り戸籍の原本と共に管理されている書類のことです。
そこには、あなたが戸籍を得てからその戸籍から外れるまでの住んでいた場所すべてが記録されています。
つまりあなたの住所歴に特化した記録のことです。
戸籍の附票と住民票はちがうの?
- 本籍
- 氏名
- 住所
- 住所を定めた日(住定日)
附票の内容はシンプルで、記録されている人の住所歴がひと目で分かるようになっています。
しかし、住所を証明するだけなら住民票を取ればいいような気もしますね。
たしかに大抵のケースでは住民票で事足りますが、住民票では困る場合もあるんです。
住民票は住所のある市町村で管理しています。
なので、その人がどこの市から越してきて(前住所)、市内のどこに住んでいて(現住所)、どこの市に引っ越していったか(転出先)までしか記録されません。
市内での引越はフォローできても市外の引越は直前と直後の2つしか記録されないんですね。
つまり引越を繰り返している人が住所をさかのぼって証明するには、複数の住民票をそれぞれの市で取得する必要があります。
これではかなり手間ですし手数料もかさんでしまいます。
しかも市から転出していった人の住民票は5年しか保存されません。(これを除票といいます)
5年以上前に引越した市の住民票を取ることはできないんです。
戸籍の附票で住民票と戸籍を紐づけ
そこで役立つのが戸籍の附票です。
戸籍は本籍地のある市町村で管理されているので、市をまたいだ住所記録すべてが記載されています。
もちろん住民票のような5年の保存リミットもありません。
1通取れば事足りるので手数料も安くすみますね。
いってみれば戸籍の附票は、バラバラの住民票を戸籍とつないでまとめてある記録なんです。
除籍された記録は?
戸籍の附票に記録されるのは、あくまでその戸籍が作られてからの住所記録です。
戸籍は結婚・離婚・死亡・転籍・分籍による除籍がありますね。
以前の戸籍のときに住んでいた住所までは記録されません。
たとえば結婚して別の戸籍に入ると、両親と一緒だった戸籍から外れることになります。
そうなると戸籍の附票で追えるのは結婚後の住所のみになります。
結婚前の住所証明をするには、両親の方の戸籍の附票を取る必要があるわけです。
※全員亡くなって両親の戸籍そのものが除籍されていると取得が難しいケースもあります。
戸籍の附票は何に使うの?
★自動車の登録手続き
自動車の購入や売却、廃車の手続きでには住所証明が必要になります。
ところが引越を複数していると、車検証に記載された住所が住民票に載っていないケースも出てきます。
- A市で車購入
- B市に引越
- C市に引越
- D市に引越して車売却
考えられるのはこんなケースですね。
車検証にはA市の住所が記載されていますが、D市で住民票をとってもC市の住所までしかわかりません。
こんな場合は戸籍の附票をとって手続きをします。
どちらかと言うと車を手放すときに必要になることが多いです。
★不動産の名義変更
「この土地はこの人のものです」ということを示す不動産の謄本には、所有者の住所や名前が記されています。
不動産を売却や相続するには、所有者情報が公的に正しいものであるのかどうかを証明しなければいけません。
不動産の登録と住所が同じなら住民票でもことが足りますが、違った場合には戸籍の附票で証明できます。
実際には親の土地を相続するときなどに必要なケースが多いと思います。
★法定相続人を探すときにも役立つ
人が亡くなると財産分与が行われます。
民法で規定された遺産を相続できる人を法定相続人といいます。
もし遺産相続人の中に付き合いが疎遠になっている親戚がいた場合、連絡先がわからないことがあります。
相続の手続きをしようにも、どこにいるのか知る手掛かりすらない状態。
そんなときに戸籍の附票から住所をたどっていけば、いまどこに住んでいるのか知ることができます。
本籍さえわかっていれば、戸籍の附票を現在地の手掛かりにできるのです。
※ただし相手が住民票を出していないと戸籍の附票にも記載されません。
勘違いされそうですが、人探しのために誰でもホイホイ戸籍の附票を取れるわけではありません。
原則として取れるのは本人か身内だけです。
戸籍に記載されている人・その配偶者・父母や祖父母・子か孫。
またはこの人達に委任状で取得を頼まれた人物。
に限られます。
戸籍の附票の取得方法・コンビニでもできるよ
★戸籍の附票の取得方法
- 役場の窓口で請求
- 郵送で役場に請求
- コンビニ端末で発行
戸籍の附票は戸籍謄本(の写し)と同じように取得します。
一番簡単なのが役場に行って直接請求手続きする方法です。
本籍地のある市町村の役場が発行窓口になります。
印鑑・身分証明書・手数料が必要です。
手数料は市町村によって違いますが300円前後です。
役場に行く余裕が無いときは郵送で請求することもできます。
- 請求書
- 本人確認書類
- 定額小為替(手数料)
これらを返信用封筒で発送して請求します。
請求書のダウンロードや手数料の確認は各市町村のホームページでご確認ください。
「戸籍 郵送 ○○市」で検索すると出てきます。
コンビニでの戸籍の附票取得
マルチコピー機を使うことでコンビニでも戸籍の附票を取得できます。
マルチコピー機はセブンイレブン・ローソン・ファミリーマート・ミニストップ・セイコマートなど全国のコンビニに設置されています。
ただし
- 本籍地の市町村がコンビニ対応している。
- マイナンバーカード(顔写真付き)を持っている。
- カードを作るときに利用者証明用電子証明書の発行を希望した。
この3つが利用の条件になります。
自分の本籍地が対応しているかどうかはこちらのサイトで確認できますよ。
★マルチコピー機での戸籍の附票取得方法
- コピー機メニューから「行政サービス」を選ぶ。
- コピー機の読み取り部にマイナンバーカードをセット。
- 必要書類「戸籍の附票」を選ぶ。
- 案内に沿って必要情報を入力。
- お金を入れて印刷開始。
- プリントされた附票と領収書をとる。
料金は市町村で違いますがだいたい300円くらいです。
メニューから行政サービスを選べば、後は案内に従うだけなので迷うことはないと思います。
マイナンバーカードを置き忘れないように注意してください。
まとめ
戸籍の附票が必要になる場面はそう多くありません。
ほとんどは住民票だけでパスできます。
しかし「引越を何度かしていると戸籍の附票がいるかも」という知識だけ持っておけばいざというときに慌てずにすみますよ。