普段はお参りに行かないのにお正月になると参拝客がどっと押し寄せます。
これだけ世の中が進んでも、やはり日本人だと初詣には特別な思い入れがありますよね。
ところでお参りの中には『二年参り』というものがあります。
普通の初詣とどう違いのでしょう?
ひょっとしてよりご利益があったりするのでしょうか?
今回は初詣の二年参りについて解説します。
二年参りと初詣の違いは?
★二年参りとは
大晦日の夜から神社やお寺で参拝して年が明けてから帰宅するお参りの方法です。
紅白の後で放送される「ゆく年くる年」の行列。除夜の鐘を聞きながらお参りしているアレですね。
大晦日と元旦で年が変わるので二年参りというわけです。
『年越し参り』と呼ぶこともあります。
地域によっては大晦日に参拝して一度帰宅、もう一度元日にお参りする出直しスタイルを二年参りというところもあります。
ですが基本的に二年参りといえば大晦日の12時またぎのお参りのことをいいます。
★初詣とは
新しい年を迎えて最初にする参拝を初詣と呼びます。
初詣は元旦である必要はありません。
その年の初めてなら時期を問わず初詣です。
ただ一般的には「松の内」の期間内に行くのがいいとされています。
「松の内」は地域によって違い、主に関東地方では1月7日まで、関西では1月14日までとなっています。
なんで松の内までに?という方はこちらの記事をごらんください。
二年参りと初詣は両方行ってもいい?
大晦日の夜に年またぎで参拝してから、元旦の昼にもう一度お参りに行ってもいいのでしょうか?
二年参りと初詣の両方をしてはいけないという決まりはありません。
厳密に言うと、二年参りは初詣の一種なのでお昼に行くのはもう「初」じゃないんですね。
二回目のお参りということになります。
とはいえ家族で二年参りをした後に、友達ともお参りに行くことは珍しくありません。
それを初詣じゃないなんて言うのは野暮な話です。
もちろん二度行ったからといって神様同士で喧嘩したりしないので大丈夫ですよ。
3つの神社を回る初詣もあるよ
話は変わりますが、私の住む福岡には三社参りという風習があります。
お正月の初詣として神社を3つ回るというものです。
と言っても、急いで一日で回る必要はありません。
日をまたいでも構わないし、絶対三ヶ所行くべきと決まっているわけでもありません。
我が家でも3つ回ったり1つで済ましたり年ごとに違います。
「初詣は行けたら3つ行こう」くらいの感じです。
昔関東に住んでいた頃にはない習慣だったので、初めて聞いたときには驚きました。
「2つ目3つ目に行く神社はもう初めてとは呼べないのでは…?」と私などは感じるのですが、昔からの習慣なので地元の人は何も不思議に感じないようです。
ご利益がより多いのはどちらのお参り?
実は初詣の中でも二年参りはより功徳を積むことができる、と言われています。
だからといって「へえ、じゃあ二年参りの方がご利益を得られるんだ」と解釈するのは間違いですよ。
功徳というのは世のため人のためになる行為という仏教用語です。
誰かを助けてあげたり日々懸命に働いたり…こういう良い行動が功徳です。
功徳を積むことができるとは、良いことをできるという意味になります。
良い行動を行えばみんなに良い結果が起きやすく(結果的に)自分にもいいことがあると。
「自分にご利益を」とはニュアンスが違うのがわかると思います。
二年参りにこだわらずきちんと心を込めて参拝することが大切です。
もし二年参りをした年に悪いことがあったとしても「わざわざ深夜にお参りしたのにどうしていい年にならなかったんだ!」と神様や仏様に文句を言うのは大間違いです。
二年参りをポイント2倍セールのように考えてはダメですよ。
まとめ
その年に初めて参拝するときはなんとなく気が引き締まります。
二年参りでも普通の初詣でも大切なのは信心深さ。
ご利益云々ではなく、静かな気持ちで寺院や神社で手を合わせたいものです。