衣料用の漂白剤として代表的なのはワイドハイターですね。
衣服の黄ばみやシミ、嫌な臭いをバッチリ落とすことができます。
ところでふとこんな疑問が湧いてきませんか?
これワイドハイターだけで洗濯できるんじゃない?
私も昔同じことを考えたので気持ちはわかります。
ワイドハイターだけで汚れは落とせるのか?
液体と粉末の違いって何?
そもそもどんな時にどう使うの?
など、今さら聞きづらいワイドハイター洗濯の基礎知識について解説します。
ワイドハイターだけで汚れは落ちない
洗濯に使うワイドハイターは衣類用の漂白剤です。
もう少し正確に言うと酸素系漂白剤になります。
衣類用の酸素系漂白剤には次のような特徴があります。
- 水に溶け込むことで効果を発揮
- 熱を加えると効果アップ
- 洗剤成分と混ざっても効果変わらず
- たんぱく質によるシミを落とす
- 除菌効果あり
- キッチン用に比べて効果はマイルド
酸素系漂白剤は炭酸ナトリウムと過酸化水素が合わさってできています。
水にとけて熱が加わると酸素と水に分かれます。
酸素はシミとして残っているたんぱく質汚れに反応、汚れは酸化して服から剥がれます。
汚れた服に水と漂白剤を使うとぶくぶく泡が出るのはこの酸化現象です。
文字通り酸素の力で汚れを落とすわけですね。
一方の洗剤は、水と油をなじませる界面活性剤の力で汚れを落とします。
原理が違うので落とせる汚れが微妙に異なります。
しかも、衣類用漂白剤は色落ち防止のためかなりマイルドに作られています。
洗濯をワイドハイターだけで済ますのは無理があります。
やれないことはありませんが、汚れ落ちは洗剤併用時とは比べ物にならない低さです。
そもそもワイドハイターと洗剤では値段が違いすぎるので、コスパが悪すぎて現実的ではありません。
<使い方>
洗たく用洗剤と一緒に、洗たく機に入れて洗う。
このようにメーカーサイトにもわざわざ赤字で但し書きがあるくらいです。
やはり洗剤と一緒に使うべきですね。
酸素系漂白剤は洗剤と混じっても効果が無くなる心配はありません。
ちなみに柔軟剤は洗剤と一緒に使うと効かなくなるので要注意です。
ワイドハイター液体と粉末の違いは?
ワイドハイター(酸素系漂白剤)には液体タイプと粉末タイプがあります。
同じように見えますが実は微妙に性質や使い方が違います。
液体漂白剤は弱酸性で粉末ものは弱アルカリ性です。
弱酸性(液体)は漂白効果が優しく、基本的に水洗いできる生地にはどれでも使えます。
洗濯機で洗剤と一緒に洗うほかに、ピンポイントの襟汚れなどに塗布するのに向いています。
弱アルカリ性(粉末)は漂白効果が強めになっています。
アルカリ性にはたんぱく質を溶かす働きがあるので、シミを落とす効果が強いためです。
そのためウールや絹などたんぱく質が主成分の動物性の毛には使えません。
洗剤との洗濯の他に、頑固な黄ばみへのつけ置き洗いに向いています。
液体でもつけ置き洗いできますが、効果やコスパは断然粉のほうが上です。
ハイターは塩素系漂白剤
ワイドハイターに似た名前でハイターという漂白剤があります。
こちらは強力な塩素系漂白剤。
染料まで落としてしまうので白い服にしか使えません。
色物に使うとすぐ色柄が落ちてしまうので注意です。
私はふきんなどの殺菌がメインで服にはほとんど使いません。
ワイドハイターの使い方
酸素系漂白剤の性質はわかったけど結局どう使うの?
と疑問に思いますよね。
酸素系漂白剤の使い方は大きく分けて3つあります。
ワイドハイターを例にして説明しますね。
★洗剤と一緒に洗濯機へ
洗濯機の水量にあわせた分量のワイドハイターを洗剤と一緒に入れます。
洗濯機の洗剤投入口を使って大丈夫です。
あとはそのまま洗濯するだけ。
すすぎも洗剤に合わせた回数でOK。(増やす必要なし)
★シミに塗る(液体のみ)
エリや袖汚れ、食べ物のシミなど気になるポイントに塗ります。
汚してすぐのシミは漂白剤の前に濡れティッシュで拭き取ります。
シミにキャップから直接原液を染み込ませます。
そのまますぐに洗濯機で洗剤洗いします。
原液をつけたまま時間が経つと色落ちするので、間を置かずに洗濯します。
★つけ置き
つけ置きの規定量をぬるま湯に溶かします。(洗剤は入れない)
水でもできますがお湯のほうが効果が高いです。
そのまま服を30分ほどつけ置きします。
たとえ汚れがひどくてもつけ置きは2時間で切り上げてください。
その後、普通に洗濯します。
粉末タイプのつけ置きは服全体の漂白と除菌ができます。
液体つけ置きは弱いので除菌だけの効果と考えておきましょう
ワイドハイターって毎日使うの?
さて使い方がわかると今度は「ワイドハイターは毎日使うの?」という疑問が湧いてきます。
これに対する私の答えは、使ってもいいけどあまり意味ない、です。
まず、粉末のワイドハイターですが毎日使うのは明らかに過剰洗浄です。
いくら衣類を傷めにくい酸素系漂白剤でも、さすがに連日使うのはよくありません。
シミもないのにせっせとシミ抜きしているようなものですからね。
ではマイルドな液体の方ならどうかと言うとこれもイマイチ…。
除菌効果があるので無意味とはいいませんが、目立つ汚れがないときにはいらない気がします。
毎日使っても衣類の傷みは少なそうですが、お金がもったいないです。
酸素系漂白剤が得意としているのは漂白と除菌です。
なので以下のようなときだけ使えば十分でしょう。
- 洗い上がりに不満(一緒に洗濯)
- 何度洗っても落ちない汚れ(一緒に洗濯)
- 子供のおねしょ(一緒に洗濯)
- 部活・仕事で汗だく(一緒に洗濯)
- エリ・袖口の黄ばみ(液体塗布)
- 食べこぼしのシミ(液体塗布)
- なんか臭い(液体つけ置き)
- 臭い+落ちない汚れ(粉つけ置き)
念のため色落ちテストを
- 水洗いできない衣類
- 金属のチャックやボタン付きの服
- 金糸が織り込まれた服
- 動物の毛(粉末のみ)
このような服には酸素系漂白剤は使えません。
また、色柄モノは基本的には大丈夫ですが、念のため色落ちチェックしておくことをおすすめします。
とくに貴重な服は取り返しがつかないので。
★色落ちチェック方法
目立たない部分に綿棒でワイドハイターをちょっとつけます。
液体は原液、粉末はつけ置き洗いの5倍の濃度で。
で、5分ほど放置して白い布で拭き取ります。
色落ち色移りするようなら使用できません。
まとめ
- ワイドハイターだけでは汚れは落ちない
- 除菌だけの効果はあるが洗剤も使ったほうが効果大
- できればぬるま湯を使おう
- 液体・粉末の違いに注意
- 毎日は使う必要はない
- 一応、色落ちチェックする
漂白剤だけで洗濯するのはあまり意味がないんですね。
キッチンハイターでふきんが真っ白になるのでつい勘違いしちゃいます。
コツを抑えてワイドハイターを効果的に使いましょう。