暑くなると頼りたくなるのがクーラーです。
ただあまりに時期が早いと暑くてもガマンするべきかなと思ってしまうんですよね。
いったいいつぐらいから使い始めるのがいいのでしょうか?
冷房を使い始めるべき気温の目安や時期。
不快を感じる湿度やエアコン除湿について。
赤ちゃんのお部屋の冷房設定。
夏のエアコン時期や使い方について解説します。
目安の室温は28度
いつからクーラーを使うと言っても「○月○日から」なんてきっちり決めている人はさすがにいませんよね。
暑くて我慢できないと思ったらリモコンに手が伸びるのが自然です。
人それぞれですが、一般的に快適な室温とされるのが25~28℃です。
この温度を越えると不快を感じ始めます。
つまり28℃越えがエアコンを使い出す一応の目安と言えますね。
ちなみに、天気予報でよく聞く「夏日」の気温がこのあたり。
もう少し上がって30℃を越えると「真夏日」になります。
全国各地の28℃越えの時期は?
では具体的に28℃を越える日が増えてくるのはいつ頃でしょう?
主な都市で最高気温28℃越えと30℃越えの初日を抜き出してみました。
※2017年気象庁のデータから
都市名 | 28℃越え | 30℃越え |
札幌市 | 6/30(29.6℃) | 7/7(33.2℃) |
青森県青森市 | 5/20(30.1℃) | — |
宮城県仙台市 | 5/22(29.6℃) | 7/2(31.9℃) |
埼玉県熊谷市 | 4/16(28.0℃) | 5/8(30.9℃) |
東京都 | 5/6(28.2℃) | 5/21(30.9℃) |
愛知県名古屋市 | 5/8(28.6℃) | 5/20(31.1℃) |
石川県金沢市 | 5/20(29.1℃) | 7/2(30.1℃) |
大阪府 | 5/19(28.2℃) | 6/19(30.7℃) |
島根県松江市 | 5/4(28.3℃) | 5/30(31.3℃) |
広島県広島市 | 5/30(29.8℃) | 6/19(30.5℃) |
高知県高知市 | 5/28(28.2℃) | 6/2(30.2℃) |
宮崎県宮崎市 | 4/30(29.4℃) | 5/11(30.9℃) |
沖縄県那覇市 | 5/4(28.0℃) | 6/10(31.3℃) |
さすがに九州や沖縄は暑くなるのも早め、北海道は遅めです。
たびたび最高気温を更新している埼玉県熊谷市は、暑くなる時期も早めでした。
1年だけのデータなので揺らぎが大きいですが。(とくに青森)
ほとんどの都市で5月半ばには28℃越えの日が出るようです。
これは外気温なので室内の暑さとは微妙に違いますが、冷房スタートの参考にはなりそうです。
暑く感じなくても熱中症に注意!
5月に冷房なんかつけられない。
そう思うかもしれませんが無理はいけません。
毎年熱中症で病院に搬送されるニュースを目にしますが、患者には室内で過ごしていた方も少なくありません。
それもガマン大会のように暑さに耐えていたわけではなく、自覚がないまま具合が悪くなってしまう人が多いのです。
日本生気象学会が出している『日常生活における熱中症予防指針』というものがあります。
この指針によると快適なはずの25~28度がもう「警戒」レベルにされています。
参考日本生気象学会
さすがに25℃で冷房を使うのは無理がありますが十分な水分補給が必要なのは確かです。
そして28℃を越えたらエアコンを使うのが熱中症予防としては最適です。
頑固にエアコンを使いたがらない人にはこの熱中症予防指針を見せて、健康のために使用を勧めてあげるといいですね。
気温よりジメジメ感!エアコンを使い始める湿度は?
クーラーを使うタイミングで気温より重要なのが湿度による体感温度です。
人は湿度が高くなると暑く感じて低くなると寒く感じます。
とくに日本の夏は湿度が高くジメジメして不快です。
高い湿度はベタついて気持ち悪いだけでなく熱中症への危険も高くなります。
どうして湿度が高いと不快?
湿度が高くなると気持ちが悪い理由は単純です。
人間の体は汗をかいて体温を調節します。
皮膚表面の汗が蒸発するときの気化熱で暑さを抑えるわけです。
夏にする打ち水と理屈は同じです。
扇風機にあたると涼しいのは、この気化熱を加速させているからです。
ところが、湿度が高いと汗がうまく蒸発してくれません。
気温がさほど高くなくても、ベタつきと体感温度が上がることで気持ち悪さが倍増します。
これはお風呂にずっと入り続けるようなもので体にもよくありません。
冷房と除湿の使い分け・快適な湿度は何%?
夏に快適な湿度は55~65%とされています。
※不快指数とは違います。
たしかに私も70%を越えるとはっきり蒸し暑く感じます。
なので、湿度計が65~70%を示したらエアコンを使うタイミングと言って良さそうです。
冷房と除湿の使い分け
ジメジメしてエアコンを使う時に、冷房と除湿(ドライ)のどちらを使うべきか。
冷房を使えばサラッとなるし除湿でもそれなりに涼しくなるので迷いますよね。
この2つの違いについて説明しますね。
空気が蓄えられる水分の量は温度によって変化します。
温度が下がるほど空気中に水分を含めなくなるんです。
だから冬の冷えた窓には空気中からあふれた水滴がびっしり付きます。
エアコンは部屋の暑い空気を吸い込んで室外機から熱を放出します。
温度が下がった空気からは水分(湿度)があふれるのでホースで外に捨てられます。
すると室内には温度と湿度の下がった涼しい空気が送り込まれます。
で、この動きを希望の温度まで下げるのが冷房。希望湿度まで下げるのが除湿です。
やってることは同じですが目的が違うということですね。
ちなみに電気代は除湿と弱めの冷房が同じくらいです。
■再熱除湿とは?
ちょっと違うのが高価なエアコンについている再熱除湿です。
これは熱を放出して湿度を下げた空気をもう一度温め直してから室内に送ります。
普通の除湿はかけ続けると寒くなるんですよね。
それをサラリと快適で肌寒さを感じさせないのが再熱除湿のメリットです。
ただ、熱を加える工程のぶん電気代は高くなります。
★エアコンの使い分けまとめ
冷房:気温が高い真夏
除湿:気温そこそこ湿度が高くて不快な初夏
再熱除湿:気温が低くて湿度が高い梅雨時期など
赤ちゃんの快適な室温は?
エアコンで気をつけるべきなのが赤ちゃんの部屋での使用です。
生後1年未満の赤ちゃんは自分でうまく体温調節ができません。
大人以上に室温をコントロールしてあげる必要があります。
赤ちゃんが快適に感じる環境は以下の通りです。
室温:26~28℃
湿度:40~60%
体温調節ができないので大人より狭めの範囲になっていますね。
しかも、エアコンをこの温度に設定すれば安心というわけではありません。
とくに夏は外気との温度差が大きいとエアコンがフル稼働して寒くなりすぎます。
逆に外の気温がほどほどで28℃設定だと動かないこともあります。
気温が高くなくてもエアコンがストップすると湿度があがって室内の快適さは極端に下がります。
外が暑ければ高めの設定に、涼しければ低めの設定にしてください。
また、赤ちゃんにエアコンの風が当たらないように風向きも調整してください。
直にエアコンの風が当たり続けると、体感温度がぐんぐん下がり大人でも体調を崩します。
もちろん赤ちゃんに直接触って様子を見ることも大切です。
赤ちゃんのすぐ近くに室温計も設置してまめにチェックできるようにしておきましょう。
扇風機で部屋の中の空気を循環させると、寒すぎず暑すぎない快適な温度を保ちやすいです。
★赤ちゃん部屋のエアコン使用まとめ
- 室温は26~28℃に
- 外気にあわせて微調整を
- 風を直接当てない
- 目視でも必ずチェック
- ベビーベッドに室温計をつける
- サーキュレーターで室温を均一に
まとめ
- エアコンをつける目安は28℃(室温)
- 暑くなくても熱中症には注意
- 湿度は65%越えが目安
- 気温だけ低ければ除湿運転
- 赤ちゃんの室温管理は大人より慎重に
快適さや健康のことも考えて無理なくエアコンを使い始めましょう。
かといってガンガンに冷やせばいいわけではありませんよ。
赤ちゃんや高齢者にも気を配り家族が気持ちよく過ごせる室内に調節してくださいね。