就職したら避けられない仕事の1つに職場の電話対応があります。
とくに事務職に就くには必須と言ってもいい仕事です。
個人でなく会社の一員として対応するわけですから緊張しますよね。
しかも、メールやラインのやり取りが当たり前の現在では電話そのものの経験値が少なくなっています。
でも、逃げてばかりでは成長しません。
少しでも電話を取るのが怖く思わないようにするにはどうしたらいいか。
事務歴の長い私がやっていた克服法をお話しますね。
なぜ電話を取るときに緊張するのか?
ぶっちゃけた話をすれば、何千回も電話対応してきた私もいまだに慣れることはありません(笑)。
何年経とうが苦手なままで、電話が鳴ると「ああ…」と思います。
むしろ得意な人ってこの世にいるんですかね?
では、電話が鳴るときにどんなことを思うのか分析してみましょう。
- 今、他の仕事をしてるのに…。
- 答えられないようなことを聞かれるかも…。
- うまく話せるか不安。
- 相手は誰だろう、苦手な人だったら嫌だな。
- クレームかな?怒っていたらどうしよう。
このような不安が渦巻いて緊張しています。
逆に言えば、この不安がゼロになると緊張する理由はありません。
全てなくすのは無理ですが、少なくする工夫は簡単にできますよ。
カンペを貼っておく
基本的な情報は電話中にいつも見えるようにしておくといいです。
要は電話対応のカンニングペーパーですね。
書いておく内容は『社員なら知っていて当然の基本情報』が主になります。
プラス、電話対応の経験を重ねていくと『よく質問されること』が蓄積されていきます。
それもカンペに書き加えていきます。
・会社の正式名称/住所/電話番号/支店や部署の電話番号/担当者の連絡先/営業時間
・自分の部署で取り扱う商品(サービス)・会社自体が取り扱う商品について
慣れないうちは『受話器をとって最初に話す応対のセリフ』も一言一句メモしておいたほうがいいです。
そんなもの暗記しているので不要と思うかもしれませんが、覚えているだけと記憶+カンペでは安心感が違います。
慌てると当たり前のことすら出てこなくなります。
私も転職直後に、電話で前の会社の名前を言ってしまってオタオタした経験があります。
電話に出る前に相手を把握
仕事での電話は苦手でも友達からの連絡までイヤだという人は少ないはずです。
それは、仕事と遊びという違い以上に「相手のことを把握している」のが大きな理由ではないでしょうか?
友達なら名前・顔・性格・趣味がわかっていて、どのように接すればいいかもある程度予想できますからね。
仕事の電話も、少しでも相手を早く知ることで緊張を減らすことができます。
- 電話帳登録をして相手の名前が出るようにしておく
- よくかかってくる番号下4桁を覚える
- 営業担当にお願いして先方担当者と会う機会を作る
電話に出る前に相手を把握できれば心構えもできます。
すべてのコールが名無しでは常に緊張がMAX状態です。
応対経験のある相手とわかれば緊張も少なく済むので、かかってくる電話の何割かは負担を軽減できますよ。
さらに電話が多い相手とは、直接顔を合わせることができればベストです。
不思議なもので、たとえ軽い挨拶ひとつでも直に会っていれば応対のハードルは一気に下がります。
緊張しないためだけに大げさと感じるかもしれませんが、この先何十回も応対することを思えば緊張は早めに解いておいたほうが楽ですよ。
残念ながらこのやり方だと一般顧客への対応には使えないですけどね。
他人の電話対応を盗む
企業によっては電話対応にもしっかりマニュアルがあります。
でもマニュアルはただの骨組みで、実際に役立つのは経験で身につく肉の部分なんですよね。
なのでどうしても経験(肉)不足が自信の無さにつながって緊張を生みます。
経験不足を補うには他人の電話対応で学ぶのが一番です。
同じ会社の同僚や先輩はもちろん、よその社員の受け答えも「生きた教材」になります。
日常生活で企業に問い合わせする時でも、電話対応の仕方という視線を持っておけば効率的に学べますよ。
使えそうな対応法や言葉をメモしておきましょう。
そのメモを直接的に使わなくても、学んだことの蓄積が血肉となって自信に上積みされていきます。
自力の電話対応だけでもいつかは慣れますが、他人からも学んでスピードを上げましょう。
ゆっくり話す
私は、電話時には常にゆっくり話すことを意識しています。
言い慣れた社名・自分の名前・挨拶も、流れるように話さずに単語を粒立てて発声します。
ゆっくり話すことのメリットは、どもりや言い間違いを減らせることと心を落ち着けて話せることです。
忙しいとまどろっこしく感じるかもしれませんが、急いで喋ってもそこまで時間は短縮できません。
むしろ聞き返されたりすれば余計に時間がかかります。
★流暢は聞きにくい
スローな口調は素人臭く聞こえるというのも勘違いです。
自宅の留守電にセールスの電話が入ることがありますが、何を言っているのか聞き取れないことがたびたびあります。
一日に何百も同じことを言うので早口になるのはわかりますが、聞き取れない電話に仕事としての価値はないですよね?
相手に正しく伝わるのがプロの話し方です。
一見プロっぽい流暢な話し口は聞き取りにくく不親切で、うまく話そうとする無用の緊張も生みますよ。
クレーム対応は聞くことに徹する
電話対応で一番気が重いのがクレーム処理です。
理不尽な怒りも少なくないのでイヤですよね。
クレームにはとにかく「相手がこちらに伝えたいことはなんなのか、話をよく聞く」というのがポイントになります。
反論はもちろんヘタな相槌も少なくしてひたすら「聞く」ことに徹します。
怒りが頂点に達している時には何を言っても火に油を注ぎます。
ただ、人は怒りのピークを長時間持続できません。(疲れるので)
聞くことで怒りの矛先を把握して、峠を越えてから謝罪対応へと進むことでとスムーズにことが運びます。
ちなみに「電話の保留や担当者からの折返しを待つ時間」はピーク時間に含まれません。
待たせると怒りが倍増するので速やかに取り次ぎましょう。
★仕事をしているイメージでセルフコントロール
クレーム対応が重なるとストレスも半端なものではありません。
信じられない暴言を吐かれると自分自身を否定されるような気がして落ち込みます。
真面目な人、気が利く人ほどダメージを受けやすいものです。
私はこんな場合、「今、仕事して鍛えられてるなぁ」という第三者視点で見ることでバランスを保っています。
腕立て腹筋をしている姿を頭に思い描きます。
ビジネス筋肉をトレーニングしているイメージですね。
「金メダリストも筋トレしてるし有名シェフも仕込みで朝早い。あなたも頑張って」
そう客観的に見ることでクレームの直撃を避けられ(ると思って)ます。
ただし、クレーム対応がおろそかにならないよう注意してくださいね。
まとめ
- カンペを貼る
- 出る前に相手を把握
- 他人の電話対応で学習
- ゆっくりはっきり話す
- クレームはひたすら聞く
知らないことへの不安が緊張感を生みます。
でも、テストではないのでカンペや他人の答えを見るのはアリなんです。
こういう準備をしておくだけで自信につながります。
日々の全てがスキルアップの材料だと思って、苦手意識を減らせるように頑張ってくださいね。