冬場に増えるノロウィルスは、感染してしまうと激しい下痢や嘔吐、発熱に見舞われる恐ろしいものです。
流行時期になったらいつも以上に感染予防に注意したいですよね。
そのためにはノロウイルスの感染経路を知っておくことが大切です。
キスでもうつるの?
お風呂からも伝染する?
そんな疑問を含めてノロウイルスの主な感染経路について解説します。
ノロウイルスの主な感染経路
ノロウィルスは基本的に経口感染でうつります。
つまり口からウイルスが入って感染するということですね。
ではどのようなルートで口にノロウイルスが届くのでしょうか。
二枚貝による食中毒
ノロウィルスを持った二枚貝を人間が食べると感染します。
食用としてポピュラーな二枚貝は牡蠣やしじみなどですね。
感染すると食中毒を起こし下痢や嘔吐の症状が現れます。
その排泄物が河川から海に流れて再び貝に蓄積されてしまうのです。
二枚貝を生や半生で食べるのは危険です。
90℃で1分半を目安にしっかり加熱して食べることで感染を避けられます。
食品取り扱い者から感染する
調理人や食品工場に勤務する人からノロウイルスが伝染するケースもあります。
よくニュースで騒ぎになりますよね。
ノロウイルスには症状が出るまでに1~2日の潜伏期間があります。
また、感染しても症状が出ない人もいるのです。
このような自覚症状がない人が油断して食品にノロウイルスをつけることで、一気に感染が広がってしまいます。
加熱した食品でも、最後にウイルスのついた手で触れたら何の予防にもならないですからね。
業者の手洗い励行や清掃である程度は予防できます。
客側としてできることは、食前の手洗い・壁や机にむやみに触らない・不衛生な店に行かない、くらいでしょうか。
ノロウイルス患者から感染
すでに症状の出ている患者の看病で二次感染してしまうことも少なくありません。
とくに多いのが患者の糞便や吐瀉物に触れてしまうケースです。
飛び散った糞便が口に入ってしまう飛沫感染。
手についたものがドアノブなどを介して他人の手から口へとうつる接触感染。
糞便の処理が不十分で、乾燥してホコリのように舞い散ったウイルスを吸い込んでしまう空気感染など。
様々な感染経路が考えられます。
糞便を処理するには、ビニール袋はもちろん手袋マスクの完全防備で行います。
ノロウイルス患者の汚物処理は神経質なくらい注意しましょう。
いつも以上の手洗いや殺菌も重要です。
井戸水からの感染
汚染された井戸水を口にしても感染してしまいます。
水道水と違って消毒されてないのでリスクは常にありますね。
注意が必要なのは、旅行先など知らない土地の簡易水道です。
蛇口から出てくるので安全そうですが、地元の人は絶対に飲まない水、なんてこともあるので気をつけてくださいね。
キスでもうつる?
ノロウイルスはキスでもうつるのでしょうか?
ノロウイルスが唾液から感染するケースはほとんどないと言われています。
もし唾液からうつるようなウイルスなら、咳やくしゃみでもっと爆発的に拡大しているはずですからね。
だからと言ってキスが安全とはいい切れません。
例えば、ウイルスを含んだ吐瀉物が口周りに残っていれば、これを口にした人も感染してしまいます。
ノロウイルスが流行っているからとキスを控える必要はないと思います。
ですが、感染がわかっている人にキスをするのはさすがにやめるべきでしょう。
プールでも感染する?
では、プールなど水を介してうつることはあるのでしょうか?
プールでの感染は少ないながらも症例があります。
プールで使われている消毒塩素では、ノロウイルスを完全に死滅させることはできないんですね。
なので、感染者の糞尿がプールに流れてそれがたまたま口に入る…というケースは0%ではありません。
ただ、プールの大きさを考えると心配しすぎるのもどうかと思います。
他の感染経路に比べると確率はものすごく低いでしょう。
しかし、家庭用のミニプールになるとぐっとリスクが高まります。
消毒も不十分ですし水の量も少ないので、感染者がプールの中でもらしてしまったらうつる可能性は高いです。
具合の悪い子をわざわざプールで遊ばせることはないとは思いますが、幼稚園でノロが流行っている時期ならミニプールはなるべく避けたほうが良さそうです。
お風呂でもうつる?
家族がノロウィルスに感染してしまった。お風呂でうつってしまわないか心配。
というケースではどうするべきでしょう。
・感染者の入浴は最後に
・できればシャワーだけが望ましい
・湯船に入るなら先に体を洗う(とくにお尻)
・タオル・足ふきマットを使いまわさない
・入浴後は湯船・床・椅子を消毒
プールの例と違って、確実に家族がノロウイルスを持っているので十分気を使う必要があります。
家族をバイキン扱いするようで気が引けますが、感染を広げるよりはるかにマシです。
ノロウイルスはアルコール系消毒液に強いので、塩素系の消毒液を使いましょう。
使用中はしっかり換気してください。
まとめ
★ノロウイルス感染経路
・二枚貝(牡蠣・しじみ)から
・調理者から
・患者の看病から
・井戸水から
キス・プールの感染リスクは低め
風呂・ミニプールは感染リスク高め
とくに吐瀉物・糞便に注意
今回はノロウィルスの感染経路について解説しました。
ノロウィルスにはこれといった特効薬がないため、自然治癒を待つしかありません。
できるなら感染前に防ぎたいものです。
少しでも感染確率を下げるためにも日頃から手洗いは欠かさないようにしましょう。