お通夜や告別式に参列するときは香典を持っていきます。
しかし、事情によっては香典が用意できないこともあります。
正直、香典なしだとかなり参列しにくいですよね。
けど、お焼香だけでもしたい気持ちはある…。
香典を出さないでお通夜に行ってもいいのでしょうか?
行ったとして記帳はするべきか?
受付でなんと言えばいいのか?
今回は香典なしの葬儀参列について解説します。
葬儀は香典なしでも参列できる
結論から言うと、香典を持っていかなくても焼香はできます。
大人数が集まる葬儀だとたまにいらっしゃいますよ。
もちろん香典を出したほうが世間体はいいですが、いろいろと事情がある人もいますよね。
香典を出せないから参列しないよりはお焼香だけでも行ったほうがいいですよ。
私も父の葬儀で施主側に立ったことがありますが、何人か香典なしの弔問客がいた記憶があります。
芳名帳と香典袋の名前をチェックするので後からわかるんです。
けれど香典がないからといって悪い気はしません。
父のために足を運んでくれたことに感謝していますよ。
香典なしでも問題ないケース
いくら香典なしでいいといっても「お金もったいない」みたいな考えは論外です。
それだったら参列しないほうがマシです。
ここでは香典を出さなくても問題ない事例を紹介します。
義理の参列
- 同じ自治会だけど故人も遺族とも面識がない。
- 引越してきたばかりで関係が薄い。
- 面識がない会社の同僚。
故人とも遺族とも関係が薄い、いわば義理の参列なら香典はなくても構いません。
私が施主側で香典がなかった方もこのケースでした。
同じ自治会内だけど家がちょっと離れていて面識がない方(芳名帳でわかる)。
ただ、引越してきたばかりで関係が薄いケースはこれからお付き合いが深まるかもしれません。
ご近所なら今後のことを考えると香典を出すほうが無難だとは思います。
お金がない
親しい知人のお通夜に参列したくてもお金がないので香典が出せない。
このようなケースは香典なしでも行くべきです。
お金をケチっているのとはワケが違います。
経済的に苦しいからと故人を見送るのを諦める必要はありません。
義理堅い人は借金してでもお金を工面しようとするかもしれませんが、それはやめたほうがいいです。
香典のためにあなたが借金するのを故人が望んでいるとは到底思えませんからね。
未成年
親と同居している学生なら香典を出す必要はありません。
親同伴で参列するなら香典は家族で一つになります。
微妙なのが大学生ですが、親同伴なら無し・一人で行くなら出すのがいいと思います。
もちろんバイトもしてなくて出すのが難しければ無理しなくて大丈夫です。
ちなみに未成年でもすでに働いているなら香典を出すのが自然ですね。
香典をまとめて出す
- 会社の部署で香典をまとめる。
- 自治会の班ごとにまとめて出す。
- サークル仲間で香典を集めた。
このように香典を連名で出すことが決まっている場合は、個人では持っていきません。
会社なんかだと就業規定で金額や参列者まで決まっているところもありますね。
この場合に優先するべきは一般的なルールより集団の慣例です。
こういうケースで一人だけ香典を持っていくと、足並みが乱れて周りに迷惑をかけるのでやめましょう。
香典辞退の葬儀
最近では香典を辞退する葬儀も増えています。
香典辞退は葬儀の案内状や受付のお知らせに書いてあります。
この場合は遺族の意思を尊重して香典を持っていくことは控えましょう。
というのも、辞退するのは「遠慮」や「気持ちだけで十分」という理由だけではないからです。
- 香典返しの用意が大変。
- 大きな葬儀にするつもりがない。
- 香典なしでも気兼ねなく参列できるように。
- 顔も知らない方からいただくのは心苦しい。
辞退を明言している葬儀に香典を持っていくのはかえって迷惑です。
故人も決して喜ばないのでやめましょう。
★即日返しの予想数
私も父の葬儀で香典返しの準備が大変だったので、辞退したくなる気持ちはよくわかります。
うちの場合は即日返しだったので香典返しを前もって注文する必要がありました。
ところが父が亡くなったは定年前の関連企業に異動して2年ほど経った頃。
かつての同僚に連絡が行き渡るかどうかもわからず、どのくらいの弔問客が来てくれるのか想像も付きませんでした。
で、困るのが用意する香典返しの数です。
ある程度の微調整はしてくれますが、それでもおおよその数はこちらで決めなければいけません。
決めると言ってもまるで見当もつかないので本当に困りました。
幸い葬儀屋さんの予想が鋭くて、ほぼぴったりに近い数を注文できましたが…。
あの時の苦労を思い出すと香典を辞退したくなるのもよくわかります。
通夜と告別式に参列する場合
もし通夜に参列して香典を出しているなら、告別式は香典なしで行きます。
反対に告別式で出す予定なら通夜は香典なしで構いません。
出さなくていいというより出すのはよくありません。
二回香典を出すことは不幸が重なるイメージに繋がるので縁起が良くないんです。
香典なしでも記帳はする
香典を持っていかない場合でも芳名帳に記帳は必ずしてください。
香典を出すことと記帳することにはなんの関係性もないからです。
芳名帳は後から香典返しを送るのにも使いますがそれだけではありません。
記帳は法事に誰が来てくれたのか残しておくための物です。
葬儀中に遺族が弔問局すべてを覚えるのは無理があります。
芳名帳を見れば「ああ、この人も来てくれたんだ」と後からでも確認できます。
顔を合わせれば参列のお礼を言うこともあるでしょう。
記帳がないと確認できずに義理を欠くかもしれませんよね。
という理由なので、香典なしでも記帳してください。
お通夜とお葬式の両方に出るならどちらも記帳をします。
香典なしで香典返しを渡されない?
香典なしで記帳をすると香典返しを渡されてしまうのでは?
と考えるかもしれませんがその心配はいりません。
まず後日発送する香典返しですが、香典袋からリスト作成するので香典なしの弔問客に送ることはありません。
即日返しの場合は、受付で香典を出すと渡される引換券で帰宅時に香典返しを受け取ります。
なので香典なしの弔問客には渡らないはずですが、ややこしいのが会葬御礼の存在です。
会葬御礼は来てくれたことに対するお礼なのですべての弔問客に渡されます。
香典なしでも受け取っていいものです。
会葬御礼は受け取り香典返しは渡されないのが正解ですが、2つを区別していない葬儀も結構あります。
香典なしへの対応は場所によって違いますね。
- 会葬御礼だけ渡される。
- 香典返しと会葬御礼を渡される。
- どちらも渡されない。
香典なしで香典返しまで受け取るのは気が引けるかもしれませんが、セットで会葬御礼にしているケースもあります。
自然に渡されたら受け取っても問題ありません。
★香典返しと会葬御礼の違い
即日返しの香典返しと一緒になっていると会葬御礼には気づきにくいですよね?
私も施主側になるまで会葬御礼の存在に気づきませんでした。
会葬御礼は500円程度の品でコンパクトなギフトです。
お茶やハンカチがよく使われます。
お清めの塩も付いていて参列へのお礼状が入っています。
一方の香典返しは1500~3000円程度のしっかりしたギフトです。
海苔・石鹸・油・カタログギフトなど。
こちらには香典に対する挨拶状が入っています。
ざっくりいうと荷物にならないサイズなのが会葬御礼で、箱に入っているのが香典返しです。
香典なしだと受付で何て言えばいいの?
しつこいようですが香典なしで参列するのは問題ないので、受付でとくに何か言わなくて大丈夫です。
とはいっても、無言だと気まずい雰囲気になるのではと心配もあるでしょう。
受付が不慣れで、香典なしに戸惑われる可能性はあるかもしれませんからね。
一言付け加えたほうが良さそうならこんな言葉でいいと思います。
■関係性が薄い・金銭的に苦しい場合
「お焼香だけさせていただきたく立ち寄りました」
■連名の香典を出す場合
「〇〇でまとめた香典を明日お持ちします」
■通夜と告別式の両方に参列
「明日も参列いたしますので記帳だけさせていただきます」
「昨日も参列いたしましたので本日は記帳のみさせていただきます」
まとめ
- 香典なしで参列してもOK。
- 香典なしでも記帳はする。
- 受付で何か言われることはまずない。
葬儀は香典を渡す場所ではなく故人を弔う場です。
香典がないからと引け目を感じる必要はありません。
とくに親しい知人の葬儀を金銭的な理由で参列しないのは悲しすぎます。
後悔しないためにも最期のお見送りをしてあげてくださいね。