ところかまわず、思わず出てしまうくしゃみ。私もよくくしゃみが止まらなくなってしまいます。
大きな音が出るし、連続で出ると恥ずかしい…更に人が大勢いる場所や映画館などの静かな場所では嫌がられてしまうかも…と、ついつい無理やりくしゃみをおさえてガマンしようとしてしまいますよね。
…が!ちょっとまってください。無理やりくしゃみを止めようとするのは、とても危険な事なのです。
今回は、なぜくしゃみを無理やり止めると危険なのか、そして安全に止めるにはどうすればいいのかをお話ししたいと思います。
くしゃみのしくみと原因
くしゃみとは呼吸器の反射的な反応という生理現象の事です。
鼻の中、更に奥に入ってしまったホコリや花粉・ハウスダスト・ウイルスなどの異物を、体の外に出そうとする運動です。
よく、こしょうでくしゃみが出るという場面が漫画で描かれていますが、あれもこしょうという異物を外に出そうと体が思わず反応しているのです。
こしょうだけでしたら外に全部出してしまえばくしゃみは止まります。
が、風邪をひいてしまった場合や、アレルギー性鼻炎が原因のくしゃみですと、ウイルスやアレルゲンが無くならない限り、くしゃみはおさまりません。
また、体が冷えたり温度差を感じると体をあたためようとしてくしゃみが出るケースもあります。
くしゃみを無理に止めるとなぜ危険?
ついついガマンしがちになるくしゃみ。
ですが、くしゃみをガマンすればホコリやハウスダスト・ウイルスがずっと排出されずに体の中にいる状態になります。
その結果、風邪やアレルギーの症状が長引き、悪化してしまうおそれがあるのです。
もう一つ、くしゃみはとても激しい運動です。
体の中の異物を外に吹き飛ばす為に大きな力を使います。
無理やりおさえこむと、その力は体の中に向かってしまいます。激しい力を直接体で受け止めることになり、ひどい時にはろっ骨を骨折してしまったりします。
また、鼻と耳はつながっていますので、くしゃみ圧力で鼓膜が破れてしまう危険もあるのです。
なので、くしゃみを無理に止める行為。特に、鼻をつまんで止めるのはやめましょう。
鼻と耳がつながっている部分にくしゃみの圧力が一気に流れ込み、とても危険です。
くしゃみを安全に出す方法
じゃあ自由気ままにくしゃみを出せばいいのかというと、それも考えものです。
くしゃみは上半身の筋肉を激しく使うので、連続して出るととても体力を消費してしまいます。瞬間的な激しい運動は、たとえ排出してもろっ骨を痛めたりぎっくり腰の原因になったりします。
くしゃみが原因でぎっくり腰になってしまった、というのはよく聞く話ですよね。
なるべく体に負担をかけずにくしゃみを出したいものです。
お尻を壁につけて出す
くしゃみは大きな力なので、衝撃で上半身が動いて背中や腰にとても負担がかかります。くしゃみをする時はお尻を壁につけてすると、くしゃみの力が壁に伝わって分散していきますので安全です。
壁に手をつく
おしりをつけるよりやりやすいかもしれません。
衝撃を壁に逃がすことと体を固定する原理は同じです。
ハクション!と思い切り前かがみになってしまうのが一番腰に良くありません。
ひざを少し曲げて、ひざに手をつけて出す
壁がないときにはひざを使います。
ひざを少し曲げてひざに手をつけると、くしゃみで上半身が動かないようにできます。
さらに力が腕からひざへ逃げるので、腰への負担も軽くなります。
前かがみになりすぎないように注意してください。
くしゃみを安全に止めるためには?
くしゃみは自然に出すのが一番良いのですが、どうしても止めたい場合もありますよね。
そこでちょっとしたストップ方法を紹介します。
鼻の下を二本の指で強く押さえる
鼻の下には、くしゃみを起こそうとする神経が通っています。
ここを人差し指と中指の2本で強く押すとくしゃみが止まります。
くしゃみを出せ、という指令の伝達を食い止めるイメージで押してみましょう。
小鼻のわきにあるツボを押す
小鼻の両わきには迎香(げいこう)というツボがあります。
このツボを両脇から鼻を軽くはさむようにゆっくり3秒押して離し、6秒待ってまた3秒押す…のを3回繰り返します。
くしゃみだけではなく、鼻水・鼻づまりにも効果があるので鼻の通りも良くなりますよ。
くしゃみが止まらない時は?
・風邪をひいている
風邪をひいている時は、くしゃみがたくさん出ます。安静にしてゆっくり休養しましょう。
・アレルギー反応
花粉やハウスダスト、動物の毛などのアレルゲンが体の中に入ると、くしゃみがたくさん出ます。アレルゲンを取り込まないようにマスクをして、病院でしっかり治療をする事が大事です。
・刺激物質
ホコリや小さなゴミが鼻の中に入り込むと、一気にくしゃみがたくさん出る事があります。ホコリの多い部屋にずっといるとくしゃみは止まりませんので、しっかり換気をしてお掃除をしましょう。
まとめ
たかがくしゃみと思われがちですが、くしゃみは体を守る大切な働きをしています。
ですが、くしゃみはそのまま出してしまうと、体の中のホコリや異物・ウイルスなどを遠くに飛ばし、散らしてしまいます。マナーと衛生を考えて、いつもハンカチを持ち歩きましょう。出そうな時は鼻と口をおおって出すと音も響かないので良いですね。
体を痛めない為に、くしゃみを止める場合はやり方を、出す時は姿勢にそれぞれ気をつけましょう。