水筒の中に炭酸飲料を詰めていませんか?
私が学生の頃にも、部活の遠征でコーラを入れてきた子が何人もいました。
たしかに炎天下で冷たい炭酸ののどごしは極上の味ですよね。
しかし水筒に炭酸を詰めるのはとても危険なんです。
今回はその危険な理由と炭酸を安全に持ち歩く方法について解説します。
水筒に炭酸を入れるのがいけない理由
炭酸を入れてはダメな一番の理由は、水筒の中の気圧が上がってしまうからです。
内側から水筒の蓋に圧力がかかることで、変形して蓋が開かなくなることがあります。
ひどいときには破損して中身が飛び出すこともありますよ。
そんな爆発がカバンの中で起こったらパニックですよね。
この現象は魔法瓶でも普通の水筒でも同じです。
密閉された容器に炭酸飲料を入れるのはとても危険なんです。
Q ボトルに入れてはいけない飲み物はありますか?
A 次の物は絶対に入れないでください。
・ドライアイス・炭酸飲料など
本体内の圧力が上がり、中せんやせんセットが開かなかったり、圧力によっては飲み物がふき出たり、中せん・コップ・せんセットなどが破損して、飛散することがあり危険です。
炭酸で水筒が溶ける?
水筒に炭酸が良くないもう一つの理由に錆びがあります。
金属製の水筒に酸性のドリンクを長時間入れておくと錆びる可能性が高くなってしまうのです。
錆びを誘発しやすいのは塩分を含むスポーツドリンクや炭酸など。
炭酸は弱酸性の性質を持つので金属を酸化させやすい特徴があります。
たとえ甘くない炭酸水でも水より錆びやすいんです。
水筒が傷むだけでなくドリンクに金属が溶け込むのも不安ですよね。
レアケースではありますが、金属が溶けた飲み物を口にして中毒症状を起こした例もあるそうです。
もっとも現在の水筒はコーティングされているのでそう簡単に腐食することはありません。
ですがメーカーでは炭酸やスポーツドリンクを入れることを推奨はしていません。
やはり避けたほうが安心でしょう。
ペットボトルはなぜ爆発しない?
密閉がダメならペットボトルの炭酸はなぜ大丈夫なの?
と不思議に感じますよね。
しかしペットボトルには耐圧のための工夫が凝らされています。
たとえば、水やお茶には四角いペットボトルがよくあります。
しかし炭酸飲料では必ず円柱形のペットボトルが使われます。
これは丸型のほうが圧力に強いため。
四角だと力が分散しないで破裂のリスクが高くなってしまうんです。
さらにボトルの底を見ると花びらのような凹みがあります。
上げ底みたいでいい気はしませんが炭酸ボトルには絶対に必要なものなんです。
炭酸水は温度によってガス(二酸化炭素)を含んでおける量が異なります。
温度が上がってガスが出ていくとそれだけペットボトルに負荷がかかります。
そのときに凹みのぶんだけ圧力を逃がす余裕を持つことができる、というわけです。
炭酸飲料を持ち歩く方法
炭酸専用水筒
炭酸飲料を入れられる専用水筒が販売されています。
通常の水筒よりも強度が高く漏れの少ない蓋になっています。
また内部も錆びにくいコーティング加工済。
加えて蓋の開閉時に空気を逃がす構造になっているので、閉めると炭酸が抜けにくく開ける時こぼれにくくなっています。
とても便利ですが普通の水筒より高いのがデメリットですね。
ペットボトルを保冷バッグで
炭酸入りのペットボトルを保冷カバーで持ち歩くのも一つの手です。
専用水筒より保冷力は落ちますが金額的には1/10程度で済みます。
飲み終わった後は水筒より邪魔にならないのもメリットです。
ペットボトルの再利用はあり?
炭酸を入れるのに優れているので、飲み終えたペットボトルは再利用したくなります。
大きなペットボトルから小さなボトルに移し替えれば持ち運びにも便利ですよね。
しかしペットボトルは1回で飲み切る前提で製造されています。
メーカーでも再利用は認めていません。
Q PETボトルは何故洗って再利用できないのですか?
A 現在のPETボトルは1回使用の容器として設計されたものです。耐久性や衛生面の問題がありますので、飲料メーカーでは再利用することをお勧めしておりません。
理由は使い回しで強度が落ちることと衛生面です。
ペットボトルの形状は底まで洗うことが難しいので衛生面はとくに不安が残ります。
熱に弱いので熱湯消毒もできません。
どうしても再利用するなら
- 口が触れていないドリンクを入れる。
- 口が触れていないボトルを利用。
- 再利用は一度切り。
- 真夏には使わない。
を守れば比較的安全に使えると思います。
まとめ
危険と知らずに炭酸を水筒に入れている人は結構います。
しかし外出先で破裂したら一大事。
持ち歩きには圧に耐えられる専用のものを購入するのがいちばんですよ。