新型うつ病、いわゆる非定型うつ病と診断された場合には周りの人間は本人にどう接するのが良いのでしょうか。
新型うつ病は、従来のうつ病とは異なる点が多く接し方も変わってきます。
今回は周囲からの本人への禁句や、接し方などについてご紹介します。
新型うつ病で言ってはいけないことは?
新型うつ病の人は、その症状から「甘えている」「怠けている」だけだというイメージを抱かれがちです。
なぜそう見られてしまうかというと、新型うつ病には「気分反応性」と「拒絶過敏性」の傾向があるからです。
気分反応性とは、気分の上下によりうつ状態が出たり改善したりすることです。
簡単に言えば、仕事などの時は憂鬱で遊びだと元気になるというような特徴です。
拒絶過敏性の特徴は、周りを気にしずぎるあまりちょっとした他者からの批判などに対して「拒絶している」と思い込み激しく落ち込んでしまうところにあります。
その結果、自分を認めてくれない相手に非があると考えてしまうのです。
「甘え」「ダメ」は禁句
イヤなことはハッキリNOというけど楽しいことはできる。
自己批判よりも他人のせいにしてしまう。
この症状を見ていると「甘えだ」「仮病だ」と言いたくなるのはわかります。
しかし、新型うつの人に否定的な意見を言うのは逆効果です。
元気な人から見ると筋の通らない行動には、文句の一つも口にしたくなります。
ですが、新型うつだとその否定が普通の何倍にも感じてしまうものなのです。
治療過程では、ダメ・前はそうじゃなかったなど否定的な言葉は避けるようにしましょう。
「がんばれ」は言ってもいい
一般的にうつ病の患者に「がんばれ」は言ってはいけないとされています。
ひとまとめにはできませんが、うつ病は生真面目で完璧主義者のすでに限界近くがんばっている人がなりやすいです。
なので、がんばれという励ましは本人にきついプレッシャーになってしまうからです。
ところが、新型うつ病に「がんばれ」は必ずしも禁句ではありません。
もちろん、ただがんばれと言うだけでは負担になるだけです。
しかし、「あなたの能力は認めている。だからがんばれ」というような相手を認める内容であれば、病気に対してもマイナスにならないといわれています。
新型うつへの接し方は?
新型うつ(非定型うつ)患者に周りの人はどう接すればいいのでしょう。
★腫れ物にさわるような扱いをしない
うつ病と知るとどうしても気を使い、ともすれば腫れ物にさわるような扱いをしてしまいます。
これはよくありません。
かえって本人に疎外感や劣等感を与えてしまうからです。
できるかぎり普通に接しましょう。
★否定は理由とセットで
新型うつに否定的な言葉はNGですが、どうしても言わなければいけない場合もあると思います。
その時は、必ず理由を噛んで含めるように説明しながら言い聞かせます。
頭ごなしに注意しても、他者否定に走ってしまうので問題解決になりません。
★規則正しい生活をさせる
新型うつ症状には倦怠感や眠気があります。
病気だからと不規則な生活を続けると、症状は悪化する一方です。
まずは生活リズムを整えることを第一に考えてみましょう。
本人だけでは無理でも家族のサポートがあれば可能です。
難しいことではなく、朝決まった時間に起こして夜に寝る、食事もバランスの良いものを出す、間食をさせないなどシンプルなことです。
★ほどほどの責任を与える
うつ病は休養させることが大切ですが、新型うつは休ませすぎると逆効果になります。
重荷にならない程度に、本人にできる仕事を与えることがプラスに働きます。
いきなりハードルの高いことにチャレンジをさせるのではなく、環境を変えたり、本人の得意分野の仕事をさせたりと、適度な責任を持たせる事をさせるのです。
新型うつの場合は仕事の途中でがんばれと励ますことも可能です。
さらに、できたら褒めてあげることで、本人の気分反応性と拒絶過敏性を軽減させる効果が期待できます。
まとめ
今回は新型うつ病、いわゆる非定型うつ病の人への禁句や接し方について紹介してきました。
もちろんこれは典型的な例で、数ある症状の一つに過ぎません。
素人判断はせずに、しっかり心療内科などを受診することが第一です。