ミネラルウォーターの表示を見ると硬水や軟水と書かれています。
でも、お水で硬いとか軟らかいといわれてもよくわかりませんよね。
硬水と軟水、ついでに炭酸水それぞれの特徴と適した使い道をまとめました。
硬水
硬水とはカルシウムやマグネシウムといったミネラル成分がたくさん含まれている水のことです。
販売されているものではエビアンやコントレックスなどが硬水のお水ですね。
★硬水の使い方
体への吸収が良くないので、便秘の解消や代謝の促進、脂肪の吸収を抑制してくれるなどの効果が期待できます。
ただ日本人にはあまり飲みなれないので、硬水をそのままというのはちょっと飲みづらさを感じるかもしれません。
味もそうですが、体にも急にミネラル分がたくさん入ってくると順応が追い付かずに胃や腸の負担が大きくなってしまいます。
ちょっと飲んだところでどうということはありませんが、飲み続けるときには体に合うか確認しながらの方がいいですね。
体に合わなければ、煮沸することでミネラル分をある程度飛ばすことができます。
★硬水に向いている料理
硬水を料理に使うのであれば、お肉を使った煮込み料理や鍋料理などがおすすめです。
硬水には荷崩れを防いだり肉の灰汁を出させる効果があるんです。
お肉の臭みを除いてくれるというメリットもありますよ。
また、パスタを茹でるのにも硬水の方が適しています。
硬水のカルシウムがパスタのデンプンに作用して程よい硬さが残り、コシのある茹で上がりになります。
軟水
硬水とは逆にミネラルの含有量が少ないのが軟水です。
日本ではおなじみのいろはす・クリスタルカイザー・南アルプスの天然水などは軟水になります。
日本の水道水も軟水に含まれますが地域によって水質の差があります。
ミネラル分が多少入っているので中軟水なんて呼ばれ方もしますね。
★軟水の使い方
吸収が良いので炎天下の水分補給やスポーツ時の飲料用には軟水のほうが適しています。
また、胃腸があまり強くない人や赤ちゃん、ご高齢の方が飲むにも軟水がオススメです。
硬水に比べるとミネラル成分が少ないのでそのぶん胃腸への負担も軽くて済むんです。
軟水は肌に優しいのでお風呂にも向いています。
皮膚の油分を保ってくれるので、肌がつっぱりにくい状態になります。
化粧のノリも軟水の方がいいので、洗顔も水道水(軟水)で十分です。
★軟水に向いている料理
ご飯を炊くにはあきらかに軟水の方が向いています。
硬水を使うと含まれる不純物が米の表面について吸水率が悪くなります。
パサパサの炊きあがりになってしまいます。
軟水なら水分をほどよく含んだふっくらとした炊きあがりになります。
性質上、うまみ成分が溶け出しやすいのも軟水です。
そのため昆布や鰹節を使って出汁を取るときには軟水がいいですね。
お肉を使った煮込み料理には硬水ですが、野菜をたくさん使う煮物の場合には軟水の方が適しています。
お米と同じで野菜に水分が浸透しやすくなります。
ご飯、出汁、煮物…こう見ると和食には軟水がいいと言えそうです。
炭酸水
しゅわしゅわとした刺激がほしいときは炭酸水ですね。
今では単に飲むだけでなく、満腹感によるダイエット効果や便秘の解消、炭酸スパなど様々な使われ方で注目されています。
実は炭酸水にも硬水や軟水があります。
自然の状態のままで発泡している天然炭酸水は硬水。
天然水に炭酸を加えた天然水炭酸水は軟水。
混じりけなしの純水に炭酸を加えた人工炭酸水は軟水です。
★炭酸水の使い方
人工炭酸水は味がないのでストレートで飲むより何かを割って飲むのに適しています。
値段が安めなので飲む以外の用途にも使いやすいですね。
ミネラル入りの天然炭酸水はお水と同じように飲むのが定番です。
硬水でも炭酸が入ることで飲みやすくなっています。
体のために硬水を飲みたいけどそのままだと飲みづらい…という人は天然炭酸水を試してみてはいかがでしょう。
★炭酸水に向いている料理
意外かもしれませんが炭酸水は料理にも使えます。
炭酸水が得意なのはふっくら柔らかにすること。
ご飯を水ではなく炭酸水で炊くとふっくら炊きあがります。
スクランブルエッグを作るときには、最後に炭酸水大さじ1程度を加えるとふわふわに仕上がります。
また、ホットケーキを作る際にも牛乳を半分の量にして半分は炭酸水を入れて焼きます。これも気泡が閉じ込められることでふわふわになりますよ。
どの料理も、炭酸水を入れる時に泡をできるだけ立てないようにするのがポイントです。
まとめ
ひとことで「水」と言っても種類があるんですね。
上手に使い分けると料理も味や食感が変わってきます。
腕を振るいたいときには、水を選ぶところから始めてみてはいかがでしょうか。