短冊に願い事を書いて笹に飾る七夕の風習があります。
色とりどりの飾りは風流で夏を感じますよね。
ですが、いざ七夕が終わるとどう処分すればいいのか困ってしまいます。
こういう行事に使ったものを気軽に捨てるとバチが当たりそうな気もしますからね。
「短冊は燃やすよ」という話も聞きますがそんなことをして本当にいいのでしょうか?
そこで今回は正式な七夕の笹飾りの処分方法について解説します。
笹飾りの片付け前にぜひ参考にしてくださいね。
七夕飾りの処分の仕方
笹飾りを川に流す
七夕飾りを処分することを七夕送りといいます。
短冊に書いた願いが星に届きそうで、処分という言葉よりいい響きですよね。
もともと七夕送りは笹飾りを川や海に流すという行事でした。
そのため七夕流しとも呼ばれていました。
水で清めた飾りを神様のもとへ流してもらおうという考え方から来ています。
一種の厄払いのようなものですね。
しかし今では環境問題などもあり、本当に川に流すイベントはほとんどありません。
一部の地域では、形だけ川に流しますが係の人が下流で回収する環境を考慮した七夕送りが実施されています。
それでも完全に回収するのは大変なので、実施しているところはごくわずか。
川流しの七夕送りは今ではかなりのレアイベントといえそうです。
短冊を燃やす
川に流すのが難しくなった今よく実施されているのが、七夕飾りを燃やすという処分方法です。
燃やすと言うとイメージが悪いですが、人形やお守りをお焚き上げしてもらうのと同じと考えれば不自然なことではありません。
この燃やす行事も七夕送りと呼ばれていますよ。
短冊を燃やすことで、煙へと形を変えて天の神様に願いが届くと考えられているからです。
というより、今は七夕送りといえばこっちの燃やすバージョンを指すことがほとんどですね。
どうやって燃やす?
七夕送りに決まった手順というものはありません。
短冊を燃やすというのが大切なので、塩をまいたり念仏を唱えたりする必要はないんです。
でも、せっかく作った笹飾りです。
ゴミのようにただ燃やすだけというのも味気ないですよね。
火を付けて立ち昇る煙を見ながら、手を合わせて願いが届くように祈るのがいいと思いますよ。
家庭で笹飾りをまるごと燃やすのは大変なので、短冊だけ七夕送りにして残りはゴミとして出すのがやりやすいでしょう。
参考として各地の七夕送りの様子を紹介します。
各地の七夕送りの様子
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幼稚園でおこなわれた七夕送りの様子です。
子どもたちが輪になって飾りを囲んで燃やすんですね。
きのうは七夕送りをしました☆彡
奄美の七夕は旧暦でするので8月20日が七夕だったんです(^-^)
みなさまに願い事を書いていただいた七夕飾りを集め
フロントスタッフとルームスタッフで燃やして
“天まで届け~!”
と願ってまいりました♥ pic.twitter.com/wQV8q6vvlZ— ネイティブシー奄美native sea (@native_sea) 2015年8月22日
奄美でおこなわれた七夕送り。
流していた時代の名残なのか、七夕送りは川や海の近くでおこなわれることが多いです。
人家から離れているという安全面の理由もあるんでしょうね。
ただこの規模の飾りを燃やすには自治体への申請が必要になります。
ダイオキシンなど環境悪化の問題もありますし、火事と勘違いされて通報されるかもしれません。
必ず許可をとってからおこないましょう。
七夕が過ぎて雨が止んだから
七夕送りをしましたー✩
私のお願いをお空に届けました✨✨ pic.twitter.com/uuFgw83d57
— ゆう☆ (@yu17usagi) 2015年7月9日
こちらは家庭での七夕送りの様子です。
【願い事をかく】無事、七夕送りを終えました。かいた願い事はすっかり忘れてお過ごしください。どうぞ願いが叶いますように。 pic.twitter.com/RXxYEj9Vab
— 路地と人 (@rojitohito) 2017年7月8日
こちらは七夕送りが終わったあとですね。
短冊を数枚だけの軽い焼却なら許可無しでおこなうことができます。
※念のため自治体のルールを確認してくださいね。
お焚き上げをお願いする
自分で燃やさずに神社でのお焚き上げをお願いする方法もあります。
栃木県 #足利市 の #足利織姫神社 で、七夕の短冊を燃やす「お焚き上げ」が行われました。東武鉄道や全日空など県内外の企業、市内の幼稚園など36団体が奉納した短冊25万枚が炎に投じられました。栃木県版に掲載しました。 pic.twitter.com/Kho0cuEjht
— 東京新聞写真部 (@tokyoshashinbu) 2017年8月31日
栃木県足利市にある足利織姫神社です。
名前の通り七夕に深くゆかりのある神社で、大規模な短冊のお焚きあげが毎年開催されています。
全日空や西武鉄道などの企業に集まった全国の短冊。
また地元の幼稚園児が書いた短冊を奉納されてお焚き上げの炎の中に入れられます。
足利織姫神社の短冊奉納は事前の予約が必要です(有料)。
足利織姫神社以外でも短冊のお焚き上げをしてくれる神社は各地にあります。
短冊についてはホームページに明記していない神社も多いですが、聞いてみると意外に受け付けてくれています。
地元の神社に問い合わせてみてくださいね。
家庭ゴミとして出す
笹飾りの処分でいちばん手っ取り早いのがゴミとして出す方法です。
自宅で燃やすことに不安があるならこの方法が簡単です。
大きな笹は小さく切ってから。
飾りは材質によってきちんと分別してからゴミに出します。
自治体によって差がありますが、大半は燃えるゴミとして出すことができると思いますよ。
ルールを守って捨てれば何の問題もありません。
七夕飾りって捨てていいの?
たしかに七夕飾りは神聖な雰囲気があるので、ゴミとして処分するのに抵抗感があります。
子供が一生懸命つくったという経緯もあります。
お守りや御札のような神様からの賜り物とは違うのでそこまで気を使う必要はありませんが、他のゴミと一緒にするのはいい気分ではありませんよね。
そこで、ゴミに出す時に笹飾りだけ別の紙袋に入れてあげるのはどうでしょう?
もっと丁寧にするなら一つ一つを半紙で包みます。
お清めの意味で塩をひとつまみ入れてあげると完璧。
これなら少なくとも焼却前に他のゴミと紛れることはなくなります。
捨てるときには子供と一緒にお祈りするといいですね。
これから短冊は空の神様のところに行くよ。
お願いがかなうように手を合わせようね。
七夕飾りはいつまで飾るの?
七夕飾りは前日に飾って7月7日の夜には片付けるのがいいとされています。
飾られている時間はかなり短め。
言われてみると、半月~一ヶ月ほど飾られる正月飾りやクリスマスのイルミネーションに比べて笹飾りは短いスパンで片付けられることが多いですよね。
一日ぽっきりの飾り方を一夜飾りといいます。
一夜飾りはあわただしく神様を迎え入れるのに失礼。
また前日からの準備が葬儀飾りを連想させるので、おめでたい正月飾りで一夜飾りはタブーとされています。
ではなぜ七夕ではそんな一夜飾りが主流なのでしょう?
その理由は七夕の由来にありました。
中国から伝わった節句「七夕」は当時まだシチセキと発音していました。
日本で「棚機津女(たなばたつめ)」という風習とあわさって今のようなタナバタに変化したのではと言われています。
その昔、棚機津女と呼ばれる選ばれた女性たちが、こもりきりで神様に捧げる織物を作っていました。
とはいえ織物制作は一晩で終了。
棚機津女は翌日の夕方に水辺で禊ぎをして村の発展を祈願します。
この棚機津女が一日で仕事することから、七夕飾りも一夜で片付ける習慣が定着したようです。
一夜飾りの習慣は意外に根強くて、7日に飾りを外さないと短冊に込めた願いが叶わない、という地域もあるくらいですよ。
無理に一日で片付けなくてもいい
ですが、子供がせっかく作った飾りをすぐに片付けてしまうのはなんだか寂しいですよね。
正直そこまで急いで処分する必要はないんじゃないかなと思います。
というのも「棚機津女が七夕の由来の一つ」という説に異を唱える人もいるからです。
なにぶん千年以上前のことで証拠の文献もないのでかなりあやふやな説だそうです。
どちらが正しいかは私には判断できませんが、子供ががっかりしそうな説をあえて取ることもないでしょう。
数日は飾ったり写真を撮ったりして、七夕の雰囲気を満喫してから片付けてはいかがでしょう。
まとめ
★七夕飾りの処分方法
- 川に流す(現在は禁止)
- 燃やす
- お焚き上げしてもらう
- 可燃ごみで出す
現在は燃やすかゴミとして出す方法が処分の主流です。
願いが叶うようにと祈りながら処分しましょう。
家庭で燃やす場合は、自治体ルールと火の元に注意してくださいね。