土鍋を火にかけていたら、フチの持つところから茶色とも黒とも言えない汚れが浮き出てきた!
そんな経験で驚かれた方もいると思います。
ハッキリ言ってかなりショッキングな見た目で食欲も失せますよね?
あの汚れの正体は一体何なのか。
どう対処すればいいのか。
土鍋のプツプツ汚れの原因と対処法について解説します。
汚れの正体は鍋に染みた水分
鍋のつるりとした部分から黒い液体が染み出すと、表面の釉薬(うわぐすり)が溶けてしまったのではと思いますよね?
それはないのでご安心ください。
あの汚れは土鍋が吸い込んでしまった出汁や材料の成分です。
土鍋は表面に無数の穴が空いています。
なので、使っていると水分をかなり吸収しているのです。
おでんや鍋焼きうどんをグツグツ煮ていると、その出汁が鍋に入り込んでいきます。
★残った成分が煮詰められて出現
もちろん使用後にきちんと洗ってしっかり乾かせば何も問題ありません。
ところが乾かしたつもりでも、乾いていたのは表面だけで中にはまだ水気が残っていることがあります。
そのまま収納してしまうと、時間が経っても鍋内部の水気は消えてくれません。
内部に水気が残った土鍋をいきなり強い火にかけると、出汁を含んだ水分が煮詰められて半分焦げた状態で表面に浮き出てきます。
これが黒いプツプツ汚れの正体です。
弱火調理で汚れ浮きを防ぐ
汚れが浮き出たからといって鍋を中止にするわけにもいきませんよね?
そこで簡単な対処法を紹介します。
まず火を止めて、鍋に入れてしまった材料をいったん取り出します。
鍋を手で触れるくらいまで冷ましてから、ぬるま湯で汚れを洗い流します。
熱々の状態で水洗いすると割れる可能性があるので注意してください。
洗ったら水気をよく拭きます。
材料を再び土鍋へ入れたら今度は弱火でじっくりと火を通していきます。
こうすればひとまず、また汚れが浮き出てくることはないはずです。
新品の土鍋は目止めで染み込み防止
新しい土鍋は、目止めをして染み込みにくくすることができます。
目止めとは米や片栗粉のでんぷん質で鍋の細かい穴を塞ぐお手入れ方法です。
目止めをすることで食材の成分が染み込みにくくなります。
さらに鍋が割れにくくなるというメリットもありますよ。
★目止めの方法(3通り)
1)鍋で一度おかゆを作る。
2)米のとぎ汁を20分煮沸させる。
3)鍋に水を張って小麦粉大さじ2杯を入れて20分煮沸。
全部やる必要はありません。
この中のやりやすいもの一つでOKです。
粘り気のあるでんぷん質を鍋で一度煮ればいい、ということですね。
土鍋の正しいアフターケア
土鍋を使い終わったら中身はなるべく早く空にします。
いつまでも中身を入れておくと、その分、鍋が成分を吸収する時間が長くなってしまいますからね。
お湯を使って洗って表面を拭いたら、そのまま放置して乾かしておきます。
固いたわしでゴシゴシこする必要はありません。
それよりも大げさなくらいしっかりと乾燥させることのほうが大切です。
私は1日ほど天日干しにしていますよ。
収納時に吸水性の高い新聞紙で包んでおくのも効果的です。
食器用洗剤は使っていい?
鍋の油分を落とすには、やっぱり食器用洗剤を使いたいですよね。
「鍋に染み込むから使ってはいけない」という声も聞きますが、さっと少しだけ使うなら問題ありません。
お湯を使って洗うときに、少量の洗剤をスポンジにつけて表面を拭うように油汚れを落としてください。
時間を置かないですぐにすすいでしまうことがポイントです。
絶対にNGなのが浸けおき洗いです。
洗剤の入った水やお湯を張ったままにすると、洗剤の成分が土鍋の中に入っていってしまいますよ。
鍋のカビはお酢で対処
しっかり乾かさなかったせいで土鍋にカビが生えてしまうことがあります。
成分が染み込みやすい土鍋に漂白剤を使うわけにはいきません。
こんなときには鍋に6分目くらい水を張って、大さじ3杯の重曹を入れます。
そのまま10分ほどぐつぐつと煮立たせます。
熱と重曹でカビを殺菌して落とすことができますよ。
その後、土鍋を冷ましてからお湯でカビを流して洗います。
またカビが生えないように中まできちんと乾かしてからしまってください。
土鍋の臭いにはお茶の葉
土鍋に嫌な臭いがついてしまうこともあります。
これも煮沸することで取ることができますよ。
カビ取りと同じように土鍋に水を張ります。
臭い消しに入れるのはお茶の葉です。
飲み終わった後の出がらしでもかまいません。
茶葉は大さじ1杯ほどあれば大丈夫です。
約10分煮出したら鍋を冷まして洗って乾かします。
まとめ
土鍋は使った後のお手入れがとても重要です。
次回は汚れが浮き出さないように、洗い方や乾かし方には十分気を付けましょう。