食中毒を起こした家族を看病する時には十分注意が必要です。
原因のよっては人に感染する可能性もあるからです。
食中毒の正しい対処法を知って感染拡大を防ぎましょう。
うつる食中毒とは?
食中毒とは、食べ物飲み物が理由で腹痛・下痢・嘔吐を引き起こす症状のことです。
ただ一口に食中毒と言ってもその原因はさまざまです。
傷んだ食べ物で起こる食中毒は細菌性食中毒と呼ばれます。
腐敗で増えた菌が腹痛が引き起こします。
また腐敗とは無関係に、食物に付着したウイルスにより食中毒になることもあります。
その他に、化学的に汚染された物・フグの毒・じゃがいもの芽に当たるのも食中毒に入ります。
この中で他人に感染する可能性があるのが菌やウイルスによる食中毒です。
O157(菌)やノロウイルス(ウイルス)など二次感染しやすいものがたくさんあります。
感染を拡大させないためにも、食中毒の看病にはやりすぎなくらい注意する必要があります。
原因がハッキリしないうちは感染する食中毒だと思って行動しましょう。
感染者の隔離
感染した家族にはしばらく別の部屋で生活してもらってください。
体調不良で一人はかわいそうですが、さらに感染が広がってしまっては大変です。
小さなお子さんやペットが、ふとした拍子に隔離した部屋に入っていかないように注意が必要です。
どうしても共用する場所、トイレ・洗面所・お風呂場などは面倒でも感染者が使った後に消毒をします。
トイレのタオルはペーパータオルを使うなどして分けた方がいいでしょう。
お風呂は感染者がいちばん最後に入って消毒をします。
消毒液を準備!
食中毒、とくにノロウイルスの消毒に効果があるのは次亜塩素酸ナトリウムです。
市販の消毒液を購入する場合は成分に次亜塩素酸ナトリウムが含まれているものを選びましょう。
消毒液の作り方
家庭用の漂白剤を薄めて消毒液を自作することもできます。
ドアノブや食器を消毒する通常タイプと、便や吐瀉物が付着した後を消毒する強力タイプの2種類を作りましょう。
用意するのは液体の塩素系漂白剤(ハイターなど)と水です。
漂白剤は製品によって塩素濃度が異なります。
ラベルで濃度を確認したら通常タイプは0.02%、強力タイプは0.1%になるように水で薄めます。
例えば塩素濃度5%の漂白剤をキャップ1杯20ml使うとします。
使う水の量は以下のようになります。
★強力タイプ
5(塩素濃度)÷0.1(作りたい濃度)=50(水の量)
なので漂白剤の50倍の水で薄めます。
20×50=1000mlなので1リットルの水ですね。
★通常タイプ
5÷0.02=250なので5000mlの水を使います。
日常に使うのはおもにこちらの通常タイプです。
霧吹きに入れてペーパータオルと一緒に用意しておくとこまめな消毒が誰にでもできます。
■消毒液作成の注意点
・作成時や使用時には十分な換気を行ってください。
・肌に直接付けないでください。
・布の色落ち、金属のサビの原因になります。ご注意を。
・保存は直射日光を避けて、なるべく早めに使い切りましょう。
嘔吐物や便などの処理
うつる食中毒で感染が広がりやすいのが吐瀉物や便からです。
処理時には十分な注意が必要です。
★まずは自分をしっかり防御
手袋・エプロン・マスクで自分をしっかりガード。
普段使いではなく使い捨てのものを準備します。
さらにシャワーキャップで髪の毛にウイルスが付くのを防止したいところ。
旅先でもらえるアメニティグッズのストックがあると便利です。
★処理する部屋の窓を開ける
汚物の処理中は窓を開けて換気をしてください。
室内に充満した菌やウイルスを少しでも減らします。
逆にドアが開けっぱなしだと他の部屋にウイルスが飛んでしまうのでそちらは閉めましょう。
★消毒液+ペーパータオル+ビニール袋で処理
紹介した強力タイプの消毒液を大きめのビニール袋に適量入れておきます。
ペーパータオルで汚れを丁寧に拭き取っていきます。
こするとかえって広がってしまいますので要注意。常にペーパーの新しい面を使って拭きましょう。
拭いたペーパーは消毒液入りの袋の中へ入れて消毒処分。
ゴミからの感染を防ぎます。
★消毒と仕上げの水拭きを
処理した場所にペーパータオルを敷き詰め、強力タイプ消毒液を吹きかけてそのままにしておきます。
10分ほど経ったら、液を吹きかけたペーパーを捨ててしっかり水拭きをします。
★使ったものは全て袋に入れて廃棄
ペーパータオルだけでなく自分が着けていた手袋なども袋に入れて処分します。
とにかく使ったものはすべてこの袋へ入れましょう。
口を必ずしっかりと閉じて捨てます。
ノロウイルスなどは乾燥すると空気中に広がりやすくなります。
そうなる前にしっかり処理してください。
★処理キットを備蓄しておくと安心
汚物処理に必要なものが揃った市販の処理キットがあります。
期限切れになるようなものではないので、1つ準備しておくと安心ですね。
手洗いとうがいの徹底を
家族から食中毒が出たら、いつも以上にしっかり手洗いとうがいをしてください。
何かする前した後はとにかく手洗い。
指と指の間、爪の隙間など、隅々まで洗いましょう。
小さなお子さんの手洗いは大人が手伝ってあげるといいですね。
感染者が使ったものは別に洗う
感染者が食事に使った食器、箸、グラス。それから着替えた衣類や下着。
こういったものはまとめず別で洗います。
食器などは洗った後、熱湯消毒までしっかりしておきましょう。
まとめ
- 食中毒にはうつるものがある
- 感染者は別室で看病
- 吐瀉物と糞便に要注意
- 消毒は次亜塩素酸ナトリウム
- 食器は熱湯消毒
- しつこく手洗いとうがいを
すべての食中毒が二次感染するわけではありませんが、原因がハッキリするまでは注意しすぎくらいがちょうどいいです。
家の中で感染が広がると体力的にも精神的にもダメージが大きいものですからね。
みんなで協力して拡大を防ぎましょう。