現代社会のストレスなどで、心が穏やかではなくなり、疲れがでて心自体が病気になってしまうこともあります。
その代表例がうつ病ですが近年になってさらに、新型うつ病と呼ばれる症状も増えてきました。
従来のうつ病との違いや症状のチェックリストをまとめました。
甘えか病気か?新型うつの特徴
新型うつというのは俗称で正式な病名ではありません。
診断書には適応障害や抑うつ状態と書かれることがほとんどです。
従来のうつ病と区別する意味で非定型うつとも呼ばれることもあります。
ですが、ここでは新型うつと呼ぶことにします。
従来のうつ病
従来のうつ病の特徴は自分自身を否定してしまうことにあります。
何もかも自分が悪いのではないか、何に対してもやる気がわかない、どんな時でも落ち込みが激しい・・・。
一日中沈んだ気分が続きます。
生真面目な性格で、適度に力を抜けない人がかかりやすいといわれています。
自分がうつ病になったとは気づかずに、あるいは信じたくなくて頑張りすぎてしまうケースも多いです。
病気を隠したがるのもうつ病の特徴です。
新型うつ病
一方の新型うつ病は、自分よりも他人を否定するという特徴があります。
「自分がこうなったのは他者のせいである」と家族や同僚を責める傾向がみられます。
また、うつ病患者がずっと憂鬱なのに対して、新型うつ病患者は躁鬱の波が大きいです。
つらい仕事などやりたくないことに直面するとうつ状態になり、その反面、楽しみなことには元気に取り組めるのです。
そして楽しいことが終わると、また嫌なことを考え出して気分が沈んでいきます。
過食による体重の増加ややたらと眠くて睡眠時間が伸びるといううつ病とは違う症状も多く見られます。
さらに、他人や家族から何か言われると急に泣きわめいたり怒り散らしたりなど激しい感情を表すのも新型うつ病の特徴です。
自分が病気であることを隠さない、といううつ病とは真逆の傾向もあります。
■うつ病と異なる新型うつ病7ポイント
・状況で気分が大きく上下する
・夜になるにつれ気分が落ち込む
・ひどく体が重い疲労感がある
・他人に攻撃的になる
・過眠になる
・過食になる
・病気を公言するのに抵抗がない
新型うつ病チェックリスト
新型うつ病の症状をまとめてみました。
憂鬱な気分が続いてうつ病の疑いがありそうな時に、簡易チェックリストとしてお使いください。
- 楽しみがある時だけ元気になる
- 朝は元気なのに夜に憂鬱になる
- 睡眠時間が長く昼間も眠気が絶えない
- イヤなことがあると憂鬱になったり眠くなる
- 周りの目が常に気になる
- 他人の悪口をよく言う
- 年齢は20~30代である
- ご機嫌からイライラへと気分の上下が激しい
- 他者から何か言われる感情が高ぶって制御がきかない
- 過食傾向があり、体重が増加している
- 自分は新型うつだと思う
うつ病にはさまざまなパターンがあります。
何個当てはまれば新型うつだと断定できるものではありません。
ただ憂鬱な気分が続いていくつもチェックが付くようならば、精神科か心療内科を受診することをおすすめします。
まとめ
新型うつはどうしてもその症状から「甘え」と判断されてしまうことが多いです。
しかし、その昔サボり病だといわれたうつ病は今では広く認知されていて治療法や薬も確立されています。
周りからは気づきませんが、本人が思い悩んでいるものなら甘えでもなんでもありません。
ただ自己判断は危険なので、異常を感じたら心療内科を受診しましょう。