夏に虫対策は欠かせません。
とくに赤ちゃん周りは気をつけてあげたいですよね。
最近便利だなと感じるのが網戸にほどこす虫除けです。
スプレーで吹き付けるタイプや貼るだけのタイプがあって、効果もかなり長続きします。
ただ、虫除けグッズを使う時に気になるのが赤ちゃんへの影響です。
網戸の虫除けを使っても大丈夫なんでしょうか?
今回は網戸の虫よけグッズの効果や安全性について解説します。
ピレスロイド系虫除けの安全性
現在市販されている虫除けに含まれている有効成分はほとんどがピレスロイド系です。
ピレスロイドとは虫よけの元祖「除虫菊」に含まれる天然成分ピレストリンに近い化学物質です。
化学物質と聞くと、赤ちゃんの部屋で使っても大丈夫だろうかと心配になってしまうお母さんもいるでしょう。
ですが、日本中毒情報センターによるとピレスロイドのヒト経口致死量は10~100gとされています。
常識的な使い方でそんなに大量の薬が赤ちゃんの口に入ることはありません。
またピレスロイドには、哺乳類の体内からすばやく出ていく特徴があります。
薬剤を直接口にする、顔にスプレーする、など無茶な使用法でない限り問題が起きる可能性は低いでしょう。
ピレスロイドは害虫の皮膚や口から入り、神経に作用しマヒさせて虫を退治します。また、哺乳類・鳥類など恒温動物の体に入ってもピレスロイドは速やかに分解され、短時間で体外へ排出されてしまいます。
網戸に貼る虫除け
有効成分はピレスロイド系。
網戸にファスナー状シールで貼りつけるだけの虫除けです。
子供が手の届かない高い位置に貼るのがいいですね。
キャラクター付きものを選ぶと赤ちゃんやお子さんも喜ぶかもしれません。
この手の効き目が長い商品は、いつ使い始めたのか忘れてしまいます。
スタートの日付を書いておくと便利です。
網戸にスプレーする虫除け
これも有効成分はピレスロイド系。
スプレータイプは網戸全体に薬剤をかけることができます。
そのぶん若干貼るタイプよりは効き目が強い気がします。
有効期限は2ヶ月ほどと貼るタイプより短めですが、トータルのコストではスプレーのほうが安くつきます。
スプレーは外中どちらから吹き付けても大丈夫です。
外から使う場合は必ず窓を締めて、汚れ防止に新聞紙をはさみます。
中から使う時は風による逆流に注意してください。
いくら安全性が高いと言っても原液を吸い込むのはさすがに良くないです。
あと、カーテンにかかると変色してしまうこともありますからね。
注意!ヤブ蚊に効かない虫除け
実は網戸の虫除けには安全性以外に大きな問題がありまあす。
それは血を吸う蚊(ヤブ蚊)に効き目がないこと。
適用害虫の欄を見てもらうとわかりますが、チョウバエ・羽アリ・ユスリカ(刺さない蚊)などにしか効かないことが明記されています。
一番肝心なヤブ蚊への効果は保証されていないのです。
誤解しないでほしいのは、ピレスロイドはヤブ蚊に対してちゃんと効き目があります。
蚊取り線香やマットにも使われていますからね。
効果の違いはおそらく薬剤の濃度にあります。
貼っておくだけ・吹き付けておくだけで数ヶ月もつ虫除けだと、ピレスロイドの広がりもごくわずかです。
他の虫は逃げてもヤブ蚊を寄せ付けないほどの効果は期待できないんですね。
これだけ弱いと赤ちゃんへの影響はほぼなさそうですが、逆にヤブ蚊被害のほうが心配になります。
蚊に効く虫除けの見分け方
じゃあヤブ蚊に効く虫除けはどれなのよ、と思いますよね?
- 蚊取り線香
- 液体蚊取り
- 蚊取りマット
- プッシュ式蚊取り
- 電池式蚊取り
- 虫除けスプレー(例外あり)
- 樹脂蒸散剤(吊るす殺虫プレート)
- エアゾール式殺虫剤
このような製品ならヤブ蚊に効果があります。
これらは製品パッケージに「医薬品」または「医薬部外品」の表示があります。
(網戸スプレーや貼るタイプには表示なし)
で、赤ちゃんへの安全を考えると医薬品の虫除けは除外します。
樹脂蒸散剤・エアゾール式殺虫剤は論外。
虫除けスプレーもディートが含まれているものは避けるべきです。
※メーカーでも乳幼児への使用を禁止しています。
使いやすさと安全度、効果のバランスを考えると、赤ちゃんの部屋には蚊取りマットかプッシュ式蚊取りがいいのではないでしょうか?
いずれも医薬部外品です。
蚊取り線香でもいいですが、煙の向きに注意する必要があります。
赤ちゃんの部屋での使い勝手は少し劣ると思います。
プッシュ式蚊取り
有効成分はピレスロイド系。
室内でワンプッシュするだけで一晩効き目が続く虫除けです。
簡単に言うと壁や天井につける虫除けですね。
私も使っていますが、効き目はノーマットや蚊取り線香を上回ると思います。
目に見えて蚊がぽとぽと落ちるので、赤ちゃんへ悪影響がないか心配になるくらいです。
なのでうちでは、赤ちゃんを部屋に入れる1時間前にプッシュしています。
さらに入室前に10分ほど換気します。
メーカーのサイトでは換気すると効果が弱くなるとありましたが、それでも十分効き目を感じられます。
ずっと蚊取り成分が出続けるノーマットよりはマシかなと考えて使っています。
Q 妊婦や乳幼児がいる部屋で使っても大丈夫?
A ご使用いただけます。
ただし、薬剤を直接吸い込まないように、噴射の際は噴射する人以外の入室を避けてください。
まとめ
- 網戸の虫除けはスプレー・貼るタイプどちらも赤ちゃんに安全
- スプレーのほうがやや効き目は上
- ただし、どちらもヤブ蚊には効果薄
- 赤ちゃんのヤブ蚊よけには「医薬部外品」から選ぶ
正直言うと、網戸の虫除けは気休め程度に考えておいたほうが良さそうです。
やらないよりはいいですが、それだけで虫対策を済ますのは厳しい。
メーカーサイトを参考に、赤ちゃんに使用OKな虫除けも併用するべきでしょう。
ただ、効果は落ちても換気は(大人より)マメにしたほうが安心です。