お世話になった人へ、お礼として物を贈ることがありますよね。
ですが品物だけ届いても受け取った方は戸惑ってしまいます。
きちんとお礼の手紙(送り状)を同封するのが礼儀です。
今回は贈り物に同封する手紙の書き方について解説します。
何を書けばいいか迷う「商品券を贈る場合」についても例文付きで説明していますよ。
ぜひ参考にしてください。
お礼の手紙の書き方
文頭・文末はどう書く
お礼の手紙でも最初は季節の挨拶から始めるのが無難です。
- ○月に入って暑さ(寒さ)がますます厳しくなってきましたね。
- 憂鬱な雨の季節が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
ただ、そこまで堅苦しくない相手なら「いかがお過ごしでしょうか」「お変わりありませんでしょうか」くらいの軽い始まりでもいいでしょう。
とにかく難しい言い回しの季節挨拶は使わないほうがいいです。
コピペ丸出しになっちゃうので。
文末は軽い挨拶で締めます。
「暑い(寒い)季節ですが、どうぞご自愛ください」「ご家族の皆様にもよろしくお伝えください」というような感じですね。
メインはお礼を伝えること
あくまでお礼の贈り物ですから、手紙も感謝を伝える内容が主役になります。
当たり前の話ですが、文章にこだわりすぎるとつい忘れてしまうので気をつけましょう。
何についてのお礼かを具体的に書きましょう。
それがないと「この品物は何?」と相手にいらぬ気遣いをさせてしまいますからね。
感謝をわかりやすく伝えるワードも手紙のどこかに入れます。
- 先日は大変お世話になりました。
- ○○も非常に喜んでおります。
- いつもお世話になっております。
- ありがとうございました。
- いつもありがとうございます。
- 感謝の気持ちです。
- ほんのお礼です。
なぜこれを選んだのかという理由も
くどくど品物の説明をする必要はありません。
しかし、選んだ理由をワンポイント書くと特別感が出ます。
同じ贈り物でも「あなたのことを思ってこれにしました」と言われるとうれしいですよね。
- お好きだとうかがったので選びました。
- 美味しいと評判の物をお送りします。
- 最近テレビなどでも話題の物を選んでみました。
- 〇〇さんのイメージにぴったりなものを見つけました。
自分がもらったときにどんな言葉が添えられていたら嬉しいか…。
それを考えてみると、うまい言い回しが思い浮かぶかもしれません。
商品別・お礼の手紙に添えるひとこと
★食品
- お口に合うといいのですが…。
- 我が家では家族みんなが「美味しい!」と口を揃えた一品です。
- 〇〇して(調理方法を簡単に)お召し上がりください。
★お菓子
- 皆様でお好きな飲み物と一緒に楽しんでください。
- この季節限定のフレーバーなので、ぜひ味わっていただければと思います。
★コーヒー・お茶
- 忙しさの合間に香りと味で一息ついてください。
- お好きなお菓子などと一緒にお召し上がりください。
★日用品
- 私も普段から愛用しているおすすめの物です。
- 〇〇(商品の特徴:タオルなら柔らかさなど)がとてもいいので、ぜひお使いください。
カタログギフトや商品券を贈る場合は
好みがわからない、何を送ったらいいのか思いつかない…。
そんなときに便利なのがカタログギフトや商品券です。
ですがさすがに「何を送ればいいかわからないので商品券」とは手紙に書けませんよね。
とくに商品券について何か書くと生々しい雰囲気が出てしまいます。
こういうときにはあまり中身には触れないほうがいいでしょう。
- 心ばかりの品ですがお受け取り下さい。
- ささやかですがお礼の品をお送りいたします。
- 同封の品はほんの気持ちです。
- お礼としてご笑納いただければ幸いです。
「つまらないものですが」はダメ?
つまらないものですが…。
私も品物を渡すときについ口にしてしまうこの言い回しですが、今ではあまり使うべきではないとされています。
自分では謙遜のつもりでも、相手の捉え方によっては失礼にあたることもあります。
また、何を贈るにしても相手のことを考えて選んだ品物です。
それを「つまらないもの」と表現してしまうのもちょっと悲しいですよね。
「ささやか」「心ばかり」のような自分がへりくだる表現はともかく、「つまらないもの」「粗品」など品物にネガティブな言葉は避けたほうがいいでしょう。
お礼の品に添える手紙例文
夏休みに泊めてもらったお宅へ商品券を贈る。
そんな例で手紙を書いてみます。
○○様
台風の連続で不安定なお天気が続きますが、お変わりありませんか。
先日は一週間もお世話になりありがとうございました。
娘は川遊びがたいそう気に入ったらしく、早くも冬休みにまた行きたいと駄々をこねています。
お礼が遅くなり申し訳ありません。
心ばかりの品ですがお受け取り下さい。
まだまだ残暑が厳しい季節が続きますのでご自愛下さい。
宅配便で手紙を送るのは違法?
記事の中では手紙と言っていますが、荷物に同封するのは正確には送り状です。
なぜ呼び方にこだわるかと言うと、宅配便やゆうパックで手紙を送ることは法律で禁じられているからです。
手紙は信書に分類されます。
信書とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」のことです。
信書は許可を受けた信書便事業者の特定業務でしか送ることはできません。
なので荷物に手紙を入れてはマズイんですね。
ただ例外として、荷物に添える送り状は同梱が認められています。
送り状なので内容はあくまで品物ありき。
封もしてはいけません。
要は、「品物を一緒にすれば手紙を宅配便で送れるんでしょ」という理屈は認めないということです。
お礼の品を贈らせてもらいます、という内容なら問題ありません。
封はしないように注意してくださいね。
運送営業者、その代表者又はその代理人その他の従業者は、その運送方法により他人のために信書の送達をしてはならない。ただし、貨物に添付する無封の添え状又は送り状は、この限りでない。
引用:郵便法 1章第4条3項
商品券は宅配便では送れない
ちなみに商品券のような有価証券も宅配便(ゆうパック)では発送できません。
宅配業者のホームページにある送れないもの一覧にも明記されています。
当然、紛失されたときの補償もありませんよ。
そもそもお礼を送るのに違反行為をするのは、受け取る側の印象もめちゃめちゃ悪いです。
商品券は簡易書留か一般書留で送るのがいいでしょう。
どちらも手紙を同封することが許可されています。
送料が安いレターパックでも商品券の送付は禁止されていません。
ただ補償はないのであまりおすすめはできませんね。
まとめ
お礼の手紙のポイントは(間違っててもいいので)自分の表現で書くことです。
仕事で回ってくるコピペ全開の季節挨拶とかだれも読まないですからね。
手紙もお礼の品のひとつ。
つたない表現でも心をこめて書けば必ず相手に伝わります。
ただ長々と書く必要はありませんよ。