鮮やかなオレンジがきれいな柿。
秋になると絶対食べる、という人がいる半面「柿好きじゃない」と避ける人も少なくありません。
フルーツの中ではかなり好き嫌いの差が激しいイメージがありますね。
柿が嫌いな人に理由を聞くとたいてい「甘くないから」という答えが返ってきます。
たしかに未熟な柿を口にしたときの味のないザラッとした舌触りはがっかりしてしまいま。
しかし熟した柿のねっとりクリーミーな甘さは他の果物にはない魅力です。
そこで今回は柿をばっちり甘くする方法を紹介します。
嫌いな人でも柿の真の実力を知ればその美味しさに驚きますよ。
そのまま放置しておく
果物は収穫されて木から離れた後も熟していきます。
なので店頭・自宅保存を経てちょうど食べごろになるように早めに収穫されています。
バナナや桃などは「まだ食べるに早いんじゃないかな…」と思えるものが店頭に並んでいますよね。
柿は他の果物よりも購入直後から食べごろに調整されていることが多いです。
しかし中には少しタイミングが早い実もあります。
そういう柿は自宅で1~2日置いておいてから食べましょう。
全体的に濃いオレンジ色になったら食べごろ。
柔らかでぐっと甘くなった柿を味わうことができますよ。
★保存方法で食感調節
柿は常温で2日も置いておけばかなり柔らかくなります。
柔らかくても傷んでいるわけではないので美味しく食べられます。
とろっとした実はスプーンでもすくえて私は好きです。
ただ、ねっとり食感よりシャキシャキした硬い歯ざわりが好きな人も多いですね。
柔らかくなると(そこからの)日持ちも悪くなるので柿がたくさんある時も困ります。
そこで硬いまま保存する方法も紹介しておきます。
- キッチンペーパーを湿らせる。
- ペーパーをたたんで柿のへたにかぶせる。
- ラップで柿全体を覆うように包む。
- へたを下にして冷蔵保存。
柿の実はへたの部分で呼吸しています。
そこから少しずつ水分が失われて柔らかくなっていきます。
へたから水分補給することで食感をキープできますよ。
リンゴと一緒に袋詰め
柿が時間とともに熟していくのは、実からエチレンガスが出ているためです。
で、このエチレンガスの排出がとくに多いのがリンゴです。
よく「リンゴと一緒に他の果物を保存してはいけない」と言いますよね?
それはリンゴのエチレンガスが他の果物を高速で熟してしまうからです。
熟すのは悪いことではありませんが、日持ちさせるための保存にはよくありません。
ただ甘みの少ない柿にはこの追熟方法が利用できます。
リンゴの助けを借りて柿を甘くしてみましょう。
方法は、リンゴと柿を同じ袋に入れて常温で置いておくだけです。
リンゴ1個に対して柿は4~5個くらいまで大丈夫。
1日でもそこそこ熟しますし3日も放置すればかなり熟します。
追熟しすぎると柿の実がぐじゅぐじゅになってしまいます。
柿の硬さで微調整してくださいね。
ヘタに焼酎をつける
柿の味に渋味を感じるのはタンニンという成分が舌に当たるからです。
お茶の渋さなんかもタンニンの仕業です。
タンニンは水に溶けやすいので食べるともろに渋さが出てしまいます。
ところがタンニンはアセトアルデヒドという物質と合わさると水に溶けにくくなり渋さを感じなくなります。
この性質を利用して柿を渋抜き(甘くする)ことができます。
売っている柿はたいてい業者が渋抜きしていますが、庭で取れた柿なんかはこの方法でかなり甘くできますよ。
★柿の渋抜き方法
- 柿をよく洗って水気を拭き取る。
- 焼酎を小皿に少し入れる。
- 柿のへたを焼酎に湿らせる。
- 軽くしずくを切った柿を下向きにビニール袋に入れる。
- 袋をしばって保存。
アルコールが酸化してアセトアルデヒドになる性質を利用します。
なので焼酎はアルコール度が高いほどよく熟しますよ。(40度近いのが理想)
日本酒では低すぎて効果薄です。
袋に複数の柿を入れてもOK。
ただしこの方法はかなりのスピードで柿を熟します。
日ごとに様子を見て、甘さ十分になったら袋から出して冷蔵庫保存で追熟を止めてください。
袋のまま放置すると腐るのも早いです。
ジャムにする
ちょっと変化球ですがジャムにしてしまうという方法もあります。
ジャムでも柿の栄養はばっちり採れますよ。
切ってしまって追熟しにくい柿の実にも使える方法です。
皮がついたままでもOK。
ジャムにすればパンに付けたりヨーグルトにかけたりと用途がぐぐっと広がります。
砂糖も入るので甘さもばっちりです。
コンポートにする
コンポートもジャムと同じように、砂糖をプラスするだけで作れます。
ジャムより手軽にできますよ。
細かく切らなくてもいいですしレンジを使って簡単にできます。
番外編:柿を使った料理
甘くなくても柿を美味しく食べる方法はいろいろあります。
むしろ料理には甘くない柿のほうが使いやすかったりします。
サラダ
柿と調味料のみで作るシンプルな柿サラダです。
普通にレタスやキュウリで作ったサラダに柿を入れるのも美味しいですよ。
見た目がぱっと華やかになるという点からもおすすめです。
簡単干し柿
干し柿は美味しいけど買うととにかく高い!
かといって自分で作るにはかなり手間がかかります。
そこでこんなレシピはいかがでしょう?
なんと薄く切って冷蔵庫に入れておくだけ!
渋柿じゃなくても干し柿ができちゃいます。
カビやすいので保存だけ注意してくださね。
生ハムと一緒に
生ハムの塩気で甘み倍増。
ちょっとおしゃれな一品になりますよ。
ワインにも合いそうな一品の完成です。
簡単に作れるおつまみってうれしいものですよね。
まとめ
柿はビタミンAやビタミンC、カリウムなどといった栄養素がたっぷり。
体の酸化を防ぐ働きも持っていますし、余分なコレステロールを減らして血液をさらさらにしてくれたりもするんですよ。
ぜひ美味しく食べてくださいね。